奇跡と興奮と感動の連続、フェス対フェスのガチンコ勝負『ザ グレートロックンロール関ヶ原』初日レポ

ザ グレートロックンロール関ヶ原『氣志團万博 vs VAMPARK FEST』
2017.4.15　幕張メッセ

いざ行かん、天下分け目の関ヶ原！ 4月15日(土)、16日(日)の2日に渡って千葉県・幕張メッセで開催された対戦型フェスイベント『ザ グレートロックンロール関ヶ原』。発起人である氣志團が主催する『氣志團万博』とVAMPSが主催する『VAMPARK FEST』、そして10-FEETが主催する『京都大作戦』がそれぞれのフェスを代表する精鋭たちを募り、ガチンコでぶつかり合った前代未聞のこのイベント。ジャンルや世代の垣根を超えた、強者どもが集うこの戦場では、2日間に渡ってたくさんの奇跡と興奮と感動が生まれた。

VAMPARK FEST軍を迎えて行なわれた初日『氣志團万博 vs VAMPARK FEST』は、氣志團万博軍の総大将である氣志團のアクトで戦いの火蓋が切って落とされた。綾小路 翔のドラムソロで始まり、「愛してナイト」、「恋人」といった自身の代表曲たちをリアレンジし、メドレーで披露するというスペシャルなステージで観客の度肝を抜いた氣志團。綾小路は「ロックンロールに優劣は無いけれど、爆音をぶつけ合えば笑顔と友情が生まれると思う」とこのイベントの意義を語り、「One Night Carnival」で大いに盛り上げて開会を宣言。

「大将が売られた喧嘩、俺も買わせていただきます」と、男気あるハードなステージでVAMPS軍の先陣を切ったASH DA HERO。この日のためにしっかり仕込んだネタで爆笑を生み、アッパーなエレクトロでフロアを踊らせた岡崎体育。確かな演奏力から鳴らされる轟音に、熱い想いと純粋さを乗せて届けたMY FIRST STORYはHiro(Vo)がフロアに飛び込み大熱唱。氣志團の頼もしき後輩・SPYAIRは世界基準のパフォーマンスで観客を巻き込み、彼らの最新型を見せるロックバラード「Be with」で魅了。VAMPSとはロンドンで共演したというOKAMOTO'Sは貫禄さえ感じる巧みでグルーヴ感ある演奏で踊らせると、「Dance With You」ではコウキ(G)が圧巻のギターソロで魅せて観客を圧倒する。

と、こうして出演者のアクトを駆け足でレポートするだけでは伝わらないと思うが、この日、会場は数多あるフェスやイベントとは明らかに異なる最高なバイブスが包んでいた。初見のバンドも思い切り楽しもうとする観客の前のめりな姿勢、決して負けるわけにいかないという出演者の意気込みを感じるステージ、そして、そんな両者の想いがぶつかり合い、生み出される圧倒的な熱気。各アクトの紹介VTRで、綾小路が出演者について語ってるのを見ても分かるように、それぞれ出演する意味がある両軍の精鋭たちは両軍の大将の気持ちに応えたいとステージに挑み、観客は大将お墨付きの精鋭たちのステージを全力で楽しむ。そんな他のフェスやイベントにはない主催者と出演者、そして観客の絶対的な信頼関係があのバイブスを生んだのだろう。

綾小路の無茶振りで生まれた、J＋女王蜂によるJ王蜂はヘヴィで艶めかしいステージで魅せ、DIR EN GREYは短い時間ながら独創的な世界観を構築して、会場を漆黒に染め上げる。続くモーニング娘。OGが「LOVEマシーン」などヒット曲を連発し、会場を多幸感で包むと、SADSのパンキッシュで攻撃的なステージに観客がヒートアップ。さらにグループ魂の破天荒なステージが爆笑を生んでと、間髪入れずに叩き込まれる本物たちのアクトに感情揺さぶられっぱなし。もう、全出演者がメインアクト！

この日の大トリはVAMPARK FEST軍の総大将、VAMPS。「売られた喧嘩は買います、氣志團をやっつけに来たぜ!」と吠えるHYDE。「INSIDE OF ME」で始まったステージはHYDEの独壇場で、ギラギラした鋭く激しいサウンドと美声が会場中を熱狂させる。「氣志團はここも地元だと思ってるかも知れないけど、幕張メッセは俺たちのホームだから。負けるわけにはいかない」と新曲も惜しげなく披露し、「全員一緒になろう。ピリオドの向こうに行けないかな?」と始まったラスト「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」が最高潮の盛り上がりを生み、総大将の最強ぶりをまざまざと見せつけてフィニッシュ。

と、ここで終わりかと思いきや、クロージングアクトとして再び登場した氣志團。恋ダンス風にアレンジした「One Night Carnival」で爆笑を生むと、ステージにHYDEが登場。本気でぶつかり合った綾小路とHYDEが抱き合う、感動的なシーンで初日が終演した。

取材・文＝フジジュン
撮影＝氣志團側ステージ：青木カズロー / VAMPS側ステージ：釘野孝宏