『RADWIMPSの胎盤』の見どころを対バン相手から予想する
RADWIMPS
米津玄師
第1回:米津玄師
発表されるや否や、たちまち大きな反響を呼んだRADWIMPSの対バンツアー『10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤』。SPICEではこのツアーに大注目、本番に向けて様々な情報をお届けしていく予定なのだが、まずは多彩かつ超豪華な対バン相手にフォーカスしてみたいと思う。
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ツアーの始まりとなる11月4日のZepp Tokyoで共演を果たすのは、米津玄師だ。ボーカロイド・クリエイターとしてそのキャリアをスタートさせた、進境著しい邦ロック界の新星であり、優れたソングライターでもある彼とRADWIMPSの邂逅は、いったいどのような化学反応を見せるのだろうか。
どちらも若くして「とんでもない奴が出てきたぞ」とシーンに驚きを与えた存在であるが、「どうとんでもなかったのか」を考えると、共通している部分が見えてくる。
まず挙げられるのは、マニアックであったりトリッキーなコード進行や、ジャンルを横断した曲調をしっかりとロックに、もっといえばポップソングとして成立させることができるハイセンスなミクスチャー感覚。そして同時にとんでもなく王道の、誰もががすんなりと「良い曲だなぁ」と感じるような、メロウでキャッチーなメロディセンスも持ち合わせている点だろう。
例を挙げると、前者が顕著なのはRADWIMPSの「おしゃかしゃま」や、米津玄師の「ゴーゴー幽霊船」など。曲調自体はまったく別物なのだが、「おしゃかしゃま」に見るギターリフの革新性やファンキーなリズムの妙と、「ゴーゴー幽霊船」の不協和音をもコミカルに纏め上げてみせるサウンドづくりの手腕には、どこか通じるものを感じる。
後者が顕著なのはRADWIMPSでいう「トレモロ」、米津玄師でいえば「アイネクライネ」あたりか。どちらも文句なしにストレートな美メロ。曲によっては変化球的アプローチも披露する彼らがもともと持ち合わせているメロディセンスが、いかに優れたものであるかを実感させてくれる曲たちである。
このように、常人には想像もつかないような革新的な音作りへのアプローチと、万人の耳に届くポップネスを併せ持ち、それらを高い次元で――しかもそれぞれ違った形で、楽曲に落とし込んでいるという点こそが、この両者にとって最大の共通点であり、魅力といえるのだろう。
また先に述べたように、20代前半からシーンで無二の存在感を放っている点でも重なる部分のある両者。米津玄師からすれば1~2世代上のRADWIMPSの音楽はデビュー前から聴いてきた対象だろうし、憧れもあるかもしれない。長く「若き才能」として評価されてきたRADWIMPSから見ても、自分たちよりさらに若い世代で光る才能=米津玄師は気になる存在であるはずだ。それぞれの今後の音楽活動に対しても、この競演は少なからず刺激となるだろう。
最後にもう一つ見どころとして、野田洋次郎と米津玄師がどちらも細身の高身長で、その一挙手一投足が非常にステージ映えすることも付け加えておきたい。
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それにしてもオーディエンスにとってはたまらなく贅沢なこの競演。断言しても良い。『RADWIMPSの胎盤』は、1公演目から見逃せない特別な一夜となる。
11月4日 Zepp Tokyo:米津玄師 × RADWIMPS
5日 Zepp Tokyo:きのこ帝国 × RADWIMPS
9日 Zepp Namba:plenty × RADWIMPS
10日 Zepp Namba:LOVE PSYCHEDELICO × RADWIMPS
12日 Zepp Sapporo:ゲスの極み乙女。× RADWIMPS
16日 Zepp Nagoya:ハナレグミ × RADWIMPS
18日 Zepp Fukuoka:クリープハイプ × RADWIMPS
23日 横浜アリーナ:SPITZ × RADWIMPS
24日 横浜アリーナ:いきものがかり × RADWIMPS
25日 横浜アリーナ:ONE OK ROCK × RADWIMPS