チェリスト岡本侑也がエリザベート王妃国際音楽コンクールで第2位に
岡本侑也 (C) Shigeto-Imura
チェリストの岡本侑也(おかもと ゆうや)が、2017年エリザベート王妃国際音楽コンクールで第2位となった。優勝者はフランスのチェリスト、ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエールだった。
このコンクールは5月8日から6月3日までベルギーのブリュッセルで開催されていたもの。ベルギーの元王妃エリザベートの名前を冠して1951年に創設され、ロシアの「チャイコフスキー国際コンクール」、ポーランドの「ショパン国際ピアノコンクール」と並ぶ世界3大コンクールの一つに数えられている。ピアニスト、ヴァイオリニスト、声楽家、チェリストの4部門があり、それぞれ1部門ずつ毎年行なわれている。チェロ部門は以前までの作曲部門に代わり、今年から新設された部門においての初開催となった。
審査員にはミッシャ・マイスキー、ピーター・ウィスペルウェイ、ナターリヤ・グートマンなど錚々たる名が連なり、このコンクールにかける期待の高さが伺えた。課題曲は、ソロ曲、オーケストラとの共演だけではなく、大会が委嘱した未発表作品や大会側が指定したチェロ奏者の伴奏によるボッケリーニのチェロ・ソナタの演奏など、他のコンクールにはない特徴が見られる。
岡本 侑也(チェロ)
1994年東京生まれのチェリスト。リサイタル、室内楽、そしてオーケストラとの共演とすでに第一線での演奏活動を展開し、「大器を予感させる才能」と今後が注目されている。
H=J.ゼーフルート、山崎伸子、W=S.ヤンの各氏に師事。
W.ベッチャー、M.ペレーニ、N.グートマン、G.リヴィニウス、J=P.マインツ、堤剛各氏のマスタークラスを受講。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、東京藝術大学音楽学部を経て、現在、ドイツ・ミュンヘン音楽大学に在学中。
2004年のドイツ音楽協会主催青少年音楽コンクールバイエルン州地域部門で第1位、併せてバイエルン放送局特別賞を受賞すると、2008年には泉の森ジュニア・チェロ・コンクール中学生の部で金賞を、2009年第2回ガスパール・カサド国際チェロ・コンクールin八王子では急遽設けられた「審査員奨励賞」を相次いで受賞。
2010年には若い人のための「サイトウ・キネン室内楽勉強会」と小澤征爾音楽塾オーケストラに参加して経験を積み、12月には八王子音楽祭にて初の本格的リサイタルを開催。
2月にチェロ・コングレス・イン・ジャパン2011オープニングコンサートでバッハ無伴奏組曲を演奏して幕を開けた2011年秋、第80回日本音楽コンクールチェロ部門第1位、併せて増沢賞、黒栁賞、徳永賞、岩谷賞(聴衆賞)を受賞。
NHK-FMリサイタル・ノヴァ、霧島国際音楽祭スペシャル・ガラ、フレッシュ名曲コンサート、都民芸術フェスティバル室内楽シリーズ、高関健指揮新日本フィル「新・クラシックへの扉」(2014年7月)、紀尾井ホール「紀尾井 明日への扉」(2014年7月)、サントリーホール「成人の日」コンサート(2015年1月)、小山実稚恵さんとのデュオ(2015年8月・2016年9月)、プラハでの“国際音楽祭ヤング・プラハ”への出演(2015年9月)、王子ホールの“MAROワールド”(2016年1月・9月,2017年10月)、尾高忠明指揮東京フィル定期演奏会(2016年6月)、ユベール・スダーン指揮仙台フィル定期演奏会(2017年1月)などのほか、これまでにアンサンブルofトウキョウ、セントラル愛知交響楽団、東京都交響楽団、日本フィル、バート・ライヒェンハル管弦楽団などと共演。2017年は8月に海老原光指揮読売日響サマーフェスティバルでドヴォルザークの協奏曲、10月には飯森範親指揮東京シティ・フィル定期演奏会でチャイコフスキー「ロココの主題による変奏曲」を演奏予定。
(公財)江副記念財団第42回奨学生。(公財)ローム音楽財団2013年度・2014年度奨学生。第25回(2014年度)新日鉄住金音楽賞フレッシュアーティスト賞受賞。
◇エリザベート王妃国際音楽コンクール:http://cmireb.be/