インディーズゲームのススメ第6回 常に侵略される世界を救う強制横スクロールRPG「片道勇者」
©somokingWOLF
短時間で遊べる王道ファンタジーRPG
ゲームショウ開催が迫りまして、興奮冷めやらぬゲーム業界ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 今年もまたゲームショウではインディーズゲームブースの出展が決定しておりまして、私も年甲斐もなくワクワクしております。期間中はインディーズゲームのみならず、私たちspiceのアニメ・ゲーム担当ライターのゲームショウレポートをお届けする予定ですので、お楽しみください。
そんな中、今回紹介するタイトルはsiLverSecond(somokingWOLF)制作の強制横スクロールRPG「片道勇者」です。本作のストーリーは魔王による世界の侵食が進み、滅びつつある世界を舞台に、主人公が魔王を倒すべく冒険するという、王道のファンタジーRPGのような展開となっていますが、この世界の侵食が厄介で、ゲーム中世界は文字通り常に画面左側から侵食されていきます。なので、その侵食に飲まれないように右側に進みつつ、定期的に現れる魔王を倒すのが目的となります。ただし、この魔王はとても強く、また、攻撃を無効化する結界を張っているので、初見で勝つのはかなり難しいです。魔王は時間で消えるので、自分が強くなるまでは動きを止めたりモンスターを盾にしつつ逃げまわり魔王の襲撃をやり過ごすのが基本となります。ちなみに、本作のプレイ時間は長くて30分~1時間程度と短めになっています。
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後ろからは世界が侵食され、前からは魔王が立ちふさがる。そんな絶望と戦う英雄譚「片道勇者」の魅力をお届けします。
新しい体験と過去のリベンジの両立
本作の基本システムは不思議のダンジョンシリーズのようなローグライク系ゲームに近いです。こちらが1回行動したら相手も1回行動と、ターン制を採用しているほか、ランダムに冒険する世界やアイテムが生成される点も同様です。なので、腕前だけでも運だけでもクリアできない、多少の理不尽さも魅力の一つであるローグライクゲームの魅力を存分に味わうことが出来ます。
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ただし、本作は他のローグライクゲームと違い、過去に冒険した世界に改めて冒険することが出来ます。なので、毎回新しい冒険を楽しむだけでなく、少しずつ先に進んで最終的にゲームをクリアするという2つの遊び方ができるようになっています。あと少しでクリアできそうだったのにという悔しい場面や、その世界が遊んでいて楽しかったなんて言う時にも、もう一度遊べるのが嬉しいポイントです。
また本作はオンライン対応しており、自分の作った世界だけでなく、他のユーザーが作った世界を冒険jすることが出来ます。その世界では他のプレイヤーがどう冒険したのかがなんとなく分かったり、他の勇者の霊から力を受け継ぐことも出来ます。これら他の世界は最初の世界設定場面で「今日のキャンペーンワールド」として公式で提示されている世界に行くか、他の世界の名前を入力すると行くことが出来ます。これら他の世界は攻略wikiなどに仲間がいっぱいいる世界や、難易度が高い世界など、色々なオススメの世界が載っていますので、ゲームに慣れてきたら挑戦してみるのもいいかもしれません。
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少しずつやれることが増えていく楽しさ
本作では最初に冒険するキャラクターを制作しますが、その際キャラクターの見た目や職業、特徴を決められます。職業はスキルや能力値を決めるもので、それぞれ戦闘能力が高い代わりにNPCを仲間にしづらかったり、戦闘能力は低いが、鍵開けなどが得意など、職業によって大きく違います。また、特徴はステータスアップや山登りなど選んだ職業に新しい能力を付与できます。なので、この最初のキャラメイク次第で冒険の立ち回りが大きく変わることでしょう。
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また、職業も特徴も最初はごく限られたものしか選べませんが、ゲームクリアかゲームオーバー時に入手できる伝説ポイントを使用することで解禁できるようになります。なので、冒険すればするほど少しずつ主人公のカスタマイズ要素が増えていき、やれることが増えていきます。その他、職業は伝説ポイントだけでなく、弓で敵を倒すなど特定の条件を満たすことで使用できるようになります。一度ゲームクリアするかゲームオーバーになると見れますので、その次以降はクラス解禁条件を意識してプレイするのもいいでしょう。
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この他に、次元倉庫という冒険中に入手したアイテムを別の世界に持ち越す事のできる要素があります。これらの持ち出せるアイテム数は伝説ポイントで拡張できるので、段々持ち出せる量が増えていきます。上記の特徴や職業の要素も合わせると、冒険する毎に主人公が強くなり、次以降の冒険が楽になる仕様となっています。
このように、冒険するたびに少しずつやれることが増えていくため、新しい遊び方を模索したりすることが出来るため飽きが来ない点が本作の魅力です。
まずは無料版から
本作はフリーソフトですが、要素を大幅に追加した有料版「片道勇者プラス」が500~700円(値段の違いはDLサイトの違い)で配布されています。プラスと無印の違いは以下の通りです。
職業のの追加(理騎士 忍者 観光客)
クエストや仲間の追加によるストーリー強化
クリア条件の追加
城や国の追加
中ボスの追加
協力NPC追加
その他アイテムやスキルの追加
プラス独自の要素としては、城を改築して住人を呼ぶことでクエストを追加できることが挙げられます。これによって、クリア条件が追加され、無印版ではなかった新たなストーリーを楽しむことが出来ます。その他にもプラスになることで更に遊び方の幅が広がります。
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ですが、このゲームは無印版でもかなり完成度が高いため、それだけでも十分すぎるほど本作の魅力は味わえます。なので、最初は無印版を入手し、ゲームシステムを理解した後、さらにもっと「片道勇者」の世界を深く楽しみたいと思ったらプラスを購入するのがオススメです。ちなみに今回使用した画像はプラスのものとなっています。
短い時間にさまざまなドラマが詰まった「片道勇者」は、ローグライクの新たな可能性が詰まった作品です。普段ローグライクゲームをプレイしている人や、王道のファンタジーRPGが好きな人、または昔ながらのドット絵で描かれた世界が好きな人にオススメの作品です。
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