『ギガ恐竜展2017 ー地球の絶対王者のなぞー』をレポート 超巨大恐竜&“共喰い”ティラノサウルスを目撃

レポート
2017.7.20

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『ギガ恐竜展2017 ー地球の絶対王者のなぞー』が、7月15日から9月3日まで千葉県の幕張メッセで開催されている。幕張メッセの夏の恒例イベントである大恐竜展。今年は約200点という豊富な展示数に加え、世界最大級のルヤンゴサウルスの全身復元骨格が日本初公開されているとあって、まさに「ギガ」を冠するにふさわしい展示内容になっている。開幕に先立って監修者によるギャラリートークが開催。その様子も交えながら本展の見どころをレポートしよう。

入場前から楽しめる「恐竜クイズ」

JR海浜幕張駅から幕張メッセまでの道にある恐竜クイズ

JR海浜幕張駅から幕張メッセまでの道にある恐竜クイズ

JR海浜幕張駅から幕張メッセまでは歩いて5分ほど。駅を出て、案内に沿って歩いて行くのだが、途中の通路には恐竜に関する3択クイズが用意されている。「トリケラトプスの頭の角の数は?」など全5問が用意されているので、クイズを楽しみながら入場までのワクワク感を高めよう。

恐竜の基礎知識から理解できる展示構成

入場するとすぐに展示ホール全体が見渡せる。中央あたりに見える巨大な骨格標本こそ、今回の目玉展示のひとつ「ルヤンゴサウルス」だ。

『ギガ恐竜展2017 ー地球の絶対王者のなぞー』の展示風景

『ギガ恐竜展2017 ー地球の絶対王者のなぞー』の展示風景

2億3000万年前から6600万年前の地球に生きていた恐竜。場内には様々な形の全身復元骨格や化石標本などがどれも躍動感のある形で展示されている。迫力たっぷりな展示の数々に目移りしてしまいそうだが、恐竜についての予備知識が少ない人はまず、第1章「恐竜とは?」と第2章「さまざまな形の恐竜たち」を順路を追って見ておきたい。こちらには「竜脚形類・獣脚類・鳥盤類」という恐竜。3つの系統や「どうして恐竜は巨大な体になったのか」という解説、さらにはカッコイイ大きな角や体を覆う装甲板が果たしていた役割など、恐竜についての基本的な情報が詰め込まれている。

ワニのような大きな口を持つ、恐竜時代の大型爬虫類「レドンダサウルス」

ワニのような大きな口を持つ、恐竜時代の大型爬虫類「レドンダサウルス」

頭に一本角を持つ「チンタオサウルス」とドーム状の頭の「プレノケファレ」

頭に一本角を持つ「チンタオサウルス」とドーム状の頭の「プレノケファレ」

全長38m! ビル10階相当の巨大さを誇る「ルヤンゴサウルス」

場内のどこにいても、そのとてつもなく長~い首が見えるルヤンゴサウルスの全身復元骨格だが、間近に立つとその大きさが一層感じられる。ルヤンゴサウルスは中国中東部の河南省にある汝陽(ルーヤン)盆地で、白亜紀前期以降に堆積した層から発掘された竜脚類の恐竜。全長38m、高さ14m、重さ130トンと、アジアでは最大、世界でも最大級の恐竜と考えられている。全体骨格に並んで展示された大腿骨だけでも完全なものは2m以上と推測され、そのスケールの大きさを見せつけられる。

天井に届くくらいの長い首を持つ「ルヤンゴサウルス」

天井に届くくらいの長い首を持つ「ルヤンゴサウルス」

監修者の一人、中国地質科学院地質研究所・呂君昌教授は「こうした大型の竜脚類は体の全部が遺されていることが少ないが、このルヤンゴサウルスは大型竜脚類の中でも最も良い保存状態にある」といい、「これだけ巨大な恐竜だが、胴椎の背骨に空洞があったり、骨が非常に薄かったりと、体の構造によって全身にかかる重力を軽減していたと考えられる」と解説する。

「ルヤンゴサウルス」の大腿骨と胴椎の実物展示

「ルヤンゴサウルス」の大腿骨と胴椎の実物展示

あの「ティラノサウルス」が共喰いをしていた!?

第3章以降では、骨格に比べて発掘されることが珍しい脳や内臓の化石や、アジアから移動した恐竜の多様な変化についてなどが見られる。その中からギャラリートークでは、どちらも貴重な新発見のきっかけとなった「ベイベイロン・シネンシス」と「ティラノサウルス」についての解説があった。

長らく「ベイビー・ルイ」という愛称で呼ばれてきたが、今年「ベイベイロン・シネンシス」学名が付けられた

長らく「ベイビー・ルイ」という愛称で呼ばれてきたが、今年「ベイベイロン・シネンシス」学名が付けられた

「ベイベイロン・シネンシス」は獣脚類・オビラプトロサウルス類のベイベイロンという恐竜の赤ちゃん。先出の呂教授は「恐竜の卵は化石では何の卵かが分からないが、これは赤ちゃんと卵が奇跡的に揃って見つかった」と語り、この標本がオビラプトルの分布や生態を知る上で非常に貴重な資料になっていることを説明した。

今にもこちらに向かってきそうな「ティラノサウルス」の全身復元骨格

今にもこちらに向かってきそうな「ティラノサウルス」の全身復元骨格

一方、ワイレックスの愛称でも知られる「ティラノサウルス」は尾が食いちぎられた跡があり、ティラノサウルスが共食いしていたという仮説を裏付ける重要な資料に。福井県立恐竜博物館の柴田正輝氏は「この標本は尻尾に感染症の跡が見られることに加えて、ティラノサウルスには肉食獣の歯型がついている標本もある。この時代にティラノサウルスを襲える恐竜は同じティラノサウルスしかいないので、総合的に判断するとティラノサウルスが共食いしていたと考えられる」と詳しく解説した。

動く!叫ぶ! ティラノサウルス類の「ビスタヒエベルソル」のロボット

動く!叫ぶ! ティラノサウルス類の「ビスタヒエベルソル」のロボット

「カッコイイ」だけじゃなく、「かわいい」も感じる恐竜の世界

恐竜映画などの影響からか、私たちは恐竜に「巨大」なイメージを抱きがちだ。その巨大さが神秘的な魅力に繋がっているともいえるが、本展ではぜひ小さな恐竜にも着目してみて欲しい。

小さくてかわいい「プシッタコサウルスの一種」

小さくてかわいい「プシッタコサウルスの一種」

例えば、中国・遼寧省で白亜紀前期の地層から発掘された「プシッタコサウルスの一種」や、モンゴルのゴビ砂漠で白亜紀後期の地層から発掘された「アビミムス」は人間と同等くらいの大きさ。どちらも頭がとても小さく、ほっそりスレンダーな体型をしている。こんな小さな恐竜たちが、自分たちより10倍も20倍も大きな恐竜たちのいる世界をピョンピョンと駆けていた姿を想像すると、恐竜がとても愛らしく感じられてくるはずだ。

なお、本展の音声ガイドは、テレビ番組「おかあさんといっしょ」で11代目のうたのおにいさんを務めた横山だいすけが担当。横山の声による「なぞ解き冒険音声ツアー」で、楽しみながら恐竜を学べるプログラムになっている。この日は横山も会場を訪れ、「今回のギガ恐竜展に来た子供たちに、少しでも恐竜が好きになってもらえる音声ガイドになったらうれしいです」とコメントした。

音声ガイドの声を務めた横山だいすけ

音声ガイドの声を務めた横山だいすけ

夏休みのデートや家族旅行にも恰好な『ギガ恐竜展2017 ―地球の絶対王者のなぞ―』。正直なところ、恐竜が駆けてくるような迫力や、間近で見られる詳細なディテールは写真では伝えきれない。ぜひ本物を見に出かけてはいかがだろう。

イベント情報
『ギガ恐竜展2017 地球の絶対王者のなぞ

会期:2017年7月15日(土)~9月3日(日)
会場:幕張メッセ国際展示場11ホール(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1)
時間:9:30~17:00 ※入場は閉場の30分前まで
休館日:なし
入場料:大人(高校生以上)2200円、子供(4歳~中学生)1000円
※3歳以下は無料。障がい者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料

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