『カウボーイビバップ』渡辺信一郎監督が『ブレードランナー』短編アニメを制作へ 『ブレードランナー2049』までの空白の30年間を描く
映画『ブレードランナー 2049』
『カウボーイビバップ』などを手掛けた渡辺信一郎監督が『ブレードランナー』シリーズの短編アニメを制作することがわかった。
『ブレードランナー』は、フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(原題:Do androids dream of electric sheep?)を原作とした映画。「レプリカント」と呼ばれる人造人間をはじめ、スコット監督が描いた独自の近未来世界は、小説・映画・アニメ・マンガ・ゲームなどその後のあらゆる作品に影響を与え、現在でもSF映画の金字塔と評されている。10月27日には、同作の続編にあたる映画『ブレードランナー 2049』が公開。『プリズナーズ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がメガホンをとり、前作の30年後=2049年が舞台とし、あらたなブレードランナー=K役でライアン・ゴズリング、デッカード役でハリソン・フォードらが出演する。
渡辺監督が短編アニメ『ブレードランナー ブラックアウト 2022』で描くのは、『ブレードランナー』の舞台である 2019 年から、続編『ブレードランナー 2049』の2049 年にいたるまでの、“空白の 30 年間”のエピソード。『ブレードランナー』でデッカードが姿を消した後、2022年にはレプリカントは寿命を持たないよう改良される。しかし、アメリカ西海岸で原因不明の大規模停電が発生して、食物の供給がストップ。世界中がそれを“レプリカントが原因”として非難したことで、レプリカントの製造は法令で禁止されるという。そんな中で、科学者ウォレス(ジャレッド・レト)が人工農法によって食糧難を解決するあらたなエコシステムを開発。さらに、レプリカントを製造していたタイレル社を買い取り、ウォレスは新型レプリカントの製造を始め、“レプリカント禁止法”の廃止を実現させる。そして、2022年の大停電=“ブラックアウト 2022” へとつながっていく、というものだ。
いわば『ブレードランナー2049』の“前奏”(プレリュード)を描く同作の監督に、製作チームは『カウボーイビバップ』『アニマトリックス』『サムライチャンプルー』などを手がけて海外でも評価の高い渡辺監督を起用。『ブレードランナー 2049』の制作スタジオである Alcon Entertainment による直々のオファーによって、この人選が実現したという。
9月15日現在、同短編アニメの制作は追い込みに入っているとのこと。制作情報解禁にあわせ、予告映像も公開されている。渡辺監督は「アニメ版を制作するにあたり気をつけたのは、『ブレ ードランナー』に最大限のリスペクトを払うこと」「かといって、イミテーションにならないこと」などと意気込みを語っている。
短編アニメ『ブレードランナー ブラックアウト 2022』は、9月26日にお披露目の予定。果たして、『ブレードランナー』にも大きな影響を受けたという渡辺監督が描く“空白の30年”はどのようなものになるのか。
映画『ブレードランナー 2049』は10月27日(金)全国ロードショー。
製作総指揮:リドリー・スコット
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
全米公開:10月6日
出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、ロビン・ライト、ジャレッド・レトー、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、
カーラ・ジュリ、マッケンジー・デイヴィス、バーカッド・アブディ、デイヴ・バウティスタ