舞台『この熱き私の激情』松雪泰子・小島聖ら実力派女優集結! 激動の人生を生きたネリー・アルカンを描くビッグプロジェクト始動
(前列左から)松本百合子、小島聖、松雪泰子、霧矢大夢、マリー・ブラッサール(後列)、芦那すみれ、初音映莉子、宮本裕子、奥野美和
カナダ人女性作家ネリー・アルカンの人生を、書籍・映画・舞台が連動して描くビッグプロジェクト「Discover Nelly Arcan(通称:DNA)」が始動する。2017年10月2日(月)、本プロジェクトの発表会見がカナダ大使館で行われ、舞台に出演する松雪泰子、小島聖、初音映莉子、宮本裕子、芦那すみれ、奥野美和、霧矢大夢、演出を担当するマリー・ブラッサール、小説を翻訳した松本百合子が登壇した。
DNAプロジェクトは、カナダ建国150周年という記念すべき年にパルコが3か月連続で開催するビッグプロジェクト。ネリーは、元高級娼婦という自身の過去をモデルにした小説を発表し、瞬く間に有名作家となった人物で、2009年に36歳という若さで自ら命を断つまでの8年間、心の内側に秘めた怒りを爆発させるかのような作品を書き続けた。
プロジェクトでは、9月にネリーのデビュー作『ピュタン』がパルコ出版から発売されるのを皮切りに、10月に映画『ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で』が公開、11月に松雪らが出演する舞台『この熱き私の激情~それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』が上演される。
芦那すみれ、小島聖、初音映莉子、松雪泰子、霧矢大夢
舞台作品は、2013年に女優で演出家のブラッサールによって上演され、大きな話題を呼んだ作品。小説『ピュタン』のほか、ネリーが書き残した小説の一部で構成されている。女であることへの戸惑いや怒り、コンプレックスなどの熱情を6人の女優と一人のダンサーが表現する。
マリー・ブラッサール(演出)
松本百合子(翻訳)
ネリーの小説をコラージュのように積み重ねたストーリーや10個の箱が並んでいるかのようなセットなど、斬新で独創性に満ちた本作に対し、松雪は「一つ一つ綿密に、繊細に作り上げていく舞台です。集中力が必要になる作品ですので、みなさんとともにしっかりと稽古をして、素晴らしい作品を届けたい」と意気込む。
松雪泰子
一方の小島は「長年舞台に立たせていただいていますが、これだけ人と会話をしない舞台は初めてで、どんなものができあがるのかワクワクしています」と期待をのぞかせ、霧矢は「稽古初日から、(演出家の)マリーさんと綿密で楽しいディスカッションをしています。マリーさんは、ネリーの人生に光を当てる作品にしたいとおっしゃっていたので、共演者のみなさんと一緒に、そしてその中で自分なりの光を放てられるように精一杯努力したいと思います」と熱い思いを明かした。
小島聖
霧矢大夢
また、激動の人生を生きたネリーについて聞かれた松雪は、「彼女の持つ言葉は深く突き刺さってくるものが多い。死を選んでしまったけれど、本当は理想の世界で生きたかったという思いが伝わってくる。崇高な光の中に存在する混沌といったイメージ」とコメント。初音は「闇の中にある一つの星、または闇の中にあるけれど輝いている存在」と例え、宮本は「スクリーム。悲鳴をあげながら生きていて、傷つけながら生きているから」、芦那は「生まれてから、川を流れるように人生を生き、いろんなものにぶつかって最後に硬い部分だけが残る流木」とイメージした。
松雪泰子
初音映莉子
宮本裕子(後列)
芦那すみれ
奥野美和(後列)
さらに、本作のテーマにちなみ、自身のコンプレックスを聞かれると、松雪は「ものすごくたくさん寝ないとダメなところです。短く寝ても元気に動ければいいなと思います」と恥ずかしそうな笑顔。一方、小島は「ストレートヘアに憧れます」と意外なコンプレックスを明かし、会場を驚かせた。
小島聖、松雪泰子、霧矢大夢(前列)
■日時・会場
翻訳:岩切正一郎
■キャスト