FRONTIER BACKYARD × NEIL AND IRAIZA インディ・シーンの核心に触れる2組、濃く深く語り合う
FRONTIER BACKYARD / NEIL AND IRAIZA 撮影=風間大洋
TGMX aka SYUTA-LOW TAGAMI(Vo)と福田“TDC”忠章(Dr)の二人体制となったFRONTIER BACKYARD。が、サポートのホーン隊などを迎えて制作したニューアルバム『THE GARDEN』はむしろ、二人の自由な発想が開かれたファンクサウンドに結実し、テーマでもある「健康的な音楽」を体感させてくれるものとなった。今回はこの新作ツアーを対バン形式で行うFBYの二人がSCAFULL KING時代から“異彩を放つ先輩”としてリスペクトしてやまないNEIL AND IRAIZAとの対談を敢行。NEIL AND IRAIZAこと堀江博久と松田“チャーベ”岳二は、言わずもながのミュージシャンズ・ミュージシャン。日本のポップ / ロックミュージックの核心に常に触れている二人でもある。かれこれ20年来の付き合いである二組ならではの、芯を捉えたパンクなスタンスが(笑いの中にも)見えてくるはず。
――FRONTIER BACKYARDの新作『THE GARDEN』のリリースから約一ヶ月経ちましたけど、すごい爽快なアルバムで。あの作品に至ったモードとして、どこかみなさんに共通するものはあったりしますか?
TAGAMI:チャーベくんには13年ずっとサポートしていただいて。去年ギターが抜けちゃった時にもチャーベくんはじめ、サポート、スタッフが相談に乗ってくれて、親身に「続けた方がいいよ」って言ってくれたり。なので今はバンドをやれる喜びを感じていて、もう自分たちのもともと好きだったP-FUNKとかをやりゃいいんだ!みたいな感覚になったんですよね。ま、ウケるかどうかは度外視した音楽なんですけど。
松田:僕は客観的にも見れるじゃないですか、メンバーじゃないんで。(フロンティアは)二人になってもいろんなことを試そうとしてて、リハで鍵盤とホーン隊が入った時に「めっちゃスタイル・カウンシルみたいだな」って。フロンティアの今までの曲を置き換えただけなのに、「なんかこれソウルバンドじゃん」と思った。これだったらギタリストが入ってないから、やめたギターにも申し訳が立つし、バンドは前向いてるし、客観視して「良いな」と思ったんです。単純にかっこいいし、止まってるよりやった方がいいって。
福田:リハ中に「すげえ、かっこいいよ」って言ってくれたんです。
――それにしても今回のツアーの対バンにNEIL AND IRAIZAの名前を発見した時、驚きがありました。
TAGAMI:僕らがFRONTIER BACKYARDを始めるときに、NEIL AND IRAIZAからすごく影響を受けたんです。今回はバンドをやれる喜びを考えると、やっぱりやりたい人とやった方がいいなと思ったんですよ。敢えて初めましての人とはやらずに、今までずっと活動してきた人や好きな人としかやらないっていうのは、僕ら的には必然的でした。まさかお誘いして「いいよ」って言ってくれると思わなかったし、こんなに動いてなかった人たちが3本も一気にやってくれるだなんて、と思いましたけど。
堀江:TAGAMIくんが大事な時、たぶん自分の節目なんかのタイミングに声をかけてくれてるんだなって、勝手に思って。直感的に、なんかあるんだろうなと。で、空いてたらできるからさ。だって、チャーベくんが空いてなくても俺が空いてたらできるから(笑)。
松田:だって僕はこっち(フロンティア)にいるからね(笑)。
――90年代からこの2010年代に至るまでにお互いの活動を見て、作品を聴いて思うところはありますか?
松田:僕はフロンティアに対して何かを言えないぐらい近いんで、あんま言えないけど、堀江くんは?
堀江:フロンティアの今回のヤツを最初に聴いたときは、鍵盤がいっぱい入ってて――
TAGAMI・福田:(笑)。
堀江:好きなことを思いっきりやってるから、「ヤバい!」と思って(笑)。鍵盤のアルバムを、僕はそんなに聴くことはないんだけど、ここまで鍵盤が入ってると、なんか思いが伝わるんだよね。二人とも自分たちが楽しいことを率先してやってるわけよ。人がどうのこうのとか抜きに、まず自分が楽しもうっていう気持ちが根っこにある音っていうのはやっぱいい。じんわり来るんだよね。熱量っていうのはさ、やっぱりいっぱい作品を作り続けていくとだんだん薄れてくるんだけど、今回が一番熱量あるんじゃないか?っていう(笑)。
――天下のキーボーディストがここまでおっしゃってます(笑)。
TAGAMI:堀江くんに見て欲しいんですけど、堀江くんに一番見て欲しくないんですよ。なんていうんですかね? 怖いんですよ、やっぱりね(笑)、恥ずかしいし。でも嬉しいです。
堀江:忠章くんとTAGAMIくんの好きな音が並んでる作品だし、俺も昔からやってるから分かる。「ああ、バーニー・ウォーレルとかこういう時あったよな」とか、自分の好きなP-FUNKの音がいっぱい並んでるとか……中には好きじゃない音もあるんだよな。よくわかんない音とか、急にジミヘンとかクラシカルに行くとか(笑)。予期せぬあのP-FUNKの混ざり方っていうの? 今回二人ですごく混ぜてるんだよね?
TAGAMI:好きなものを混ぜるんですけど、直接的に出すのが恥ずかしいんですよね、多分。
福田:ルーツをそのまま出すっていうのはあんまりできないんで。
FRONTIER BACKYARD・TGMX aka SYUTA-LOW TAGAMI 撮影=風間大洋
TAGAMI:ニールの話になると、僕、もともと好きで。そんなにたくさんのライブは観れなかったですけど、「なんじゃこれは?」っていう衝撃があった。僕らはわりとパンクとかスカしか聴いてなかったんですよ。それでまぁ、チャーベくんがどっちも聴いてた方だっていうのは分かるんですけど、それでも最初は理解できないぐらい僕らが聴いたことない音楽だったので。
松田:フロントがピアノ&ボーカルとパーカッションとシンセ置いて座ってるしね。
福田:で、MCしてたと思ったら急に曲が始まったりして、「えっ?」。
TAGAMI:そうなんです、すごいいい曲なのに途中でMC始まったりする(笑)。なんかライブが衝撃だったんですよね。
――オシャレな破天荒というか。
TAGAMI:なんかヤンチャ感があった。そういうエッジィなもの好きなので、「あの人たちは普通じゃないな」っていうのを感じて。あと、シンセサイザーをチャーベくんがやってるのも知ってはいたけど生で見たことなかったので、「なんだあの音は?」という。
松田:JC-120から出したりね。
TAGAMI:そうそう。そういう部分にすごくアカデミックさを感じて。でも付き合いをさせてもらうと、そうじゃないもっとコアな部分があったりとか、そこが面白くてずっと長く好きな先輩なのかなっていう気がしてますね。チャーベくんも堀江くんもそうだと思うんですけど、いろんな好きなものがあるじゃないですか。だからそういう意味ではこれ一個だけじゃないんですよ、好きなものは。底が知れないというか。
堀江:昔からそうなんだよね。100出せないというか、全力で好きなものをどうぞっていうのはあんまり作んないね。
福田:作曲のテクニックが無いので100ぶつけるしかないんです。
堀江:でも自分が100になったときってどんなタイミングなの? 「できた!」みたいなタイミングってあるの?(みんなに聞く)
TAGAMI:いい曲できるとちょっと嬉しくないですか? 普通に街中歩いてても「今、いけてる」「いま実はいいメロディを持ってる」みたいな、嬉しさありますよね? 多分、それはどのミュージシャンも変わんないんじゃないかなと思うけど、それがあるからまだ続いてるというか。
松田:歌詞を書けたら外に出ててもちょっと聴いたり直したり、考えたいから。なんかそういうモードにはなるよね。
TAGAMI:うん。想像してる時が一番楽しいですからね。ワクワクするというか。ところでニールは新譜を録ってる話はしない方がいいんですか?
松田:いや、別に特に隠してるわけではないけど。
堀江:出ないかもしんないもん(笑)。いや、作ってるけど出すとは限らない。
TAGAMI:堀江くん、ぜひ出してください!(笑)
堀江:出すとは言ってない(笑)。「出したいな」っていう、頑張ってるけど。本当は今日で「出ます!」って強く押したかったけどね。
松田:急に不安になってきちゃった。でも進んだよ? ファイルが過去のタイムマシーンから発掘され。
FRONTIER BACKYARD・福田“TDC”忠章 撮影=風間大洋
――逆にどのタイミングで出さなきゃいけない、ってことはないんですよね?
TAGAMI:僕らはないです。インディーで自分らでやってるんで。……そしたらニールはもっとないかもしれないですね(笑)。
――ニールはなぜ今のタイミングで新譜を作ろうと?
堀江:「Tシャツ作ってる暇あったら曲作れ」って感じじゃないかな? 曲とか、なんか動く感じのものを。
松田:何度かライブもやったんですよ、東名阪行ったりとか。でももう、なんか同じパターンはできないし――
堀江:面白いこともだんだん言えなくなってくるじゃん?
一同:ははは!
TAGAMI:ニールのライブは、「動いてる」っていう事実があるだけで俺は嬉しいですけどね。毎回同じ曲順でもよくて。グレイトフル・デッドのライブ盤の「なんとか公演」みたいな、ああいうレベルですね、僕は。新曲聴けるのはさらに嬉しいですけど。そうじゃなくてもいい。
――NEIL AND IRAIZAぐらいになってくると、その時ごとの作曲のモチベーションがなんなのか、もうわからないんですけど、今、ありますか?
堀江:ニールはニールで特化してるところがあって、俺もチャーベくんもそうなんだけど、全然時代に寄ってないというか、あんまり意識してなくて。「ニール像」っていう、ニールのキャラクター、持ってるサウンドのキャラクターだったり歌詞の世界観が昔から変わってない。ポツンとしてうだつの上がらない感じで、でも曲は狂ってるみたいな、そうしないようにしててもそっちの方に持っていっちゃうというか、あれはエモさとはまた違う部分の何か、なんだろうな? エモーショナルな部分ではないんだよね。なんだろうな? あれ、「ゲロ吐く前」みたいな感じなのかな(笑)。
一同:ははは!
松田:ある種、堀江くんの自己防衛じゃないけど、堀江くんの中のひねくれた部分とか、そういうのを出しとく方が面白いんじゃない?っていう。100%のポップソングとかは、やろうと思えばいくらでもやれるんだけど、どっか「ニール像」みたいなのでグチャッとさせるのが、僕らの守りの感じっていうか。
堀江:面白いのは、こうやって大人になって何十年も経つと「アレンジとかでもっとすごくなるのかな?」と思っても一切ならないから。
一同:ははは。
堀江:それがすごいんだよ、20代の頃の曲って。もう40代になって、すーごいお金費やして……よく昔の曲の2016バージョンとかあるじゃん? 全然良くないじゃん?
TAGAMI:(笑)。そうですね。
FRONTIER BACKYARD / NEIL AND IRAIZA 撮影=風間大洋
堀江:あれってやっぱり絶対にその時に出した音を超えることはできない。でもライブでローリング・ストーンズが「サティスファクション」やったら、かっこいいんだよね。そこまで歴史はないけど、結局やってることは一緒なんだよ。
松田:例えばスペシャルズ大好きだけど、変わったらなんかイヤだもん(笑)。
堀江:「ワン・ステップ・ビヨンド2017」とか聴きたくない(笑)。
TAGAMI:スカじゃなくなるとか、なんかイヤだ(笑)。「Johnny Marr?2017」(NEIL AND IRAIZAの楽曲名)とかも違うなぁと思うし。あれは太い海外の音じゃないですか。
堀江:でもあの曲をTAGAMIくんが弾き語りでやると全然今の感じだから。ずっと全国でやってて、俺よりもあのメロディを届けてる回数が多いもん(笑)。
TAGAMI:勝手に自分の曲のようにアレンジしてカバーしてるんで(笑)。こういう言い方はホント失礼になっちゃうんですけど、やっぱりいるんですよ、「ニールの曲やりませんでした?」って僕に言ってくるファンの子とか。ということは、色々な音楽知ってるんだなと思います。
堀江:CDのクレジットを見てるのかもしれないけど、「堀江さん、SCAFULLで鍵盤弾いてますよね?」「弾いてるよ」とか、全然結びつかない人に言われることもよくあるからね。チャーベくんもそうだろうけど。でも今、デジタル化してクレジットがもう無くなっちゃったから、誰が何をやってるっていう音の想像ができなくなっちゃった。
TAGAMI:あれが楽しみだったんですけどね、前は。
――そう考えるとクレジットやライナーのプラットフォームは必要ですよね。
堀江:ライナーもなくなりつつあるし、今はもうクレジットもちゃんと調べないとわかんないからね。
松田:例えば、「これとこれって同じドラムの人がプレイヤーで呼ばれてるんだ?」みたいな発見が面白かったりするんですけど、今はわかんないっていうか。そうなってくると今の人はそこに興味も沸かないんだろうなと思うんですよ、誰がどういう音を出してるとか。確かに何かプラットフォームがあるといいですよね。面白いなと思う。
堀江:今、変わりつつあるからね。変わっていくから自分もどうなっちゃうんだろう?(笑)
松田:子供達にもよるんじゃない? そういうのばっかりになるとそうじゃないものを聴きたくなるんで、「CDで聴きたいよ」ってやつらも出てくると思う。今、高校生ぐらいで「なんかレコードがオシャレらしい」とかそういう人が出てくるような。カウンターは常にあるわけで。
――詳しい子はすごく詳しいですもんね、20代のミュージシャンでも。
松田:そう。うちの中二はハイスタ聴きながら歌詞カード見るのがすごい好きだから、「頑張って買いたい」「借りるんじゃ嫌だ」って。「これ(i Phone)に入れてあげようか?」って言っても、一応、歌詞カード見たいんだって言いますね。
TAGAMI:さすがチャーベくんのお子さんですね。
松田:いや、知りたいタイプなんだろうね。歌詞を見たいとか。
NEIL AND IRAIZA・堀江博久 撮影=風間大洋
――堀江さんが参加しているハイスタの『The GIFT』しかり、今年って象徴的なアルバムが出てると思うので、サブテクスト的にお話したいんですけど、コーネリアスの『Mellow Waves』もそうだし、BECKの『Colors』も出たし。
松田:あと、曽我部くんが急にサブスクでアルバム(サニーデイ・サービスの『Popcorn Ballads』)を出したのもビックリしましたね。面白かった。
――「今からシェアします」ってワクワクしましたね。やはり今年はいろんなことが動いてるなぁと。
松田:やっぱ今年出さなきゃ(笑)。
TAGAMI:大丈夫です。NEIL AND IRAIZAが年末を飾る(笑)。
――堀江さんは常に核心部分にいらっしゃる印象で、コーネリアスではフジロックとライジングで拝見したんですが、あれを実際演奏している人はどういう心境なのかな?と。
堀江:すごい練習しました、今回は。いつも練習するんですけど、今回はすごくて……フロンティアもすごい練習するから、そういう時はTAGAMIくんと忠章くんの顔を思い出しながら――
一同:ははは!
堀江:チャーベくんがよくさ、「フロンティア、すげえ練習するんだよ、堀江くん」て言ってて。
TAGAMI:そうですね。昔よりはしなくなりましたけど、しますね。
堀江:コーネリアスがリキッドのライブで初披露で、そのために今回は35回練習したの。
松田:フロンティアもいっぱい練習入ってるけど、コーネリアスの詰め方はまた違うなと思う。
田上:それは映像と合わせるためですか?
堀江:映像は最後の最後だから、最後の2日間とかで合わせるんだけど、演奏自体ができないから。「あなたがいるなら」とか、1曲を一日で10回か15回ぐらい、その曲だけしかやらない日があるから。
松田:聴いててもあの曲どうなってるかわからない。ミュージシャン的に見て「これ怖い」って(笑)、本当にすごいなと思ったもん。休符を演奏する感じが、とにかく一番難しいんだと思う。それに比べたらフロンティアは「まだ簡単なことやってるな」って。
堀江:いやいやいや、どっちもどっちだと思うな。今回のやつもどうやって練習してんのかわからないもん。
TAGAMI:ははは。もうひたすらっすよ(笑)。
堀江:曲がそんな風に聴こえないじゃん。忠章くんはドラム以外もやってるの?
福田:コーラスもやってます。
堀江:で、TAGAMIくんは歌だけ?
TAGAMI:歌だけ。あと最近は他の人の調整というか。
堀江:ライブアレンジしてるの?
TAGAMI:してますね。CDはあくまで二人で録ってるんですけど、もうライブはみんなのものだっていう気持ちがあるから。で、いつもなんですけど、「ああ、このバンドでレコーディングしたい」って思っちゃうんです。ツアー前なんですけど、ツアー後にもう一回録り直したら絶対にいいんだろうなって。
――バンドリーダーとしてのTAGAMIさんの役割も昔とは変わってきてるわけですね。
TAGAMI:単純に人数も増えましたしね。全員が珍獣なんでかなり……すげえ面白いっす(笑)。「天才だ!」って思うんで。
――続けてきてみんなを天才だと思えるレベルまで来たってことじゃないですか?
TAGAMI:そうですね。やっぱりみんなのことを好きですから。好きな人とやらせてもらってるんで、「いいなぁ」とか毎回確認するというか。
松田:僕も含めて後ろを支えてる3人は、それぞれリーダーを務めるバンドを持ってるけど、それが結構フロンティアに還元できてると思う。というか、「リーダーじゃなくていいんだ」みたいな(笑)。単純に楽しく演奏することに集中して、クオリティを上げるってことだけやればいいから。行程とか物販の心配とかしなくていいのがフロンティアなんで(笑)。
NEIL AND IRAIZA・松田“チャーベ”岳二 撮影=風間大洋
――再びFRONTIER BACKYARDの新作の話に戻るんですけど、ほんとにこの明快さってすごいなと思います。影がないというか。
TAGAMI:そうですね。そういう意味で「健全な音楽を作ろう」って言ってたんですよ。逆に例えば、ちょっと「これやるとウケる」とか、今まではやってたんですけど、それを止めようと。何度も言いますけど、いま二人で音出せることが嬉しいから、極論をいえば「出なくてもいいや」って初めて思えたというか。
松田:そういうのって絶対伝わるんだよね。そういう気はする。もちろん、狙って作ったものでも、いいものは絶対いいと思うんだけど、TAGAMIくんと忠章くんの今のモード――これがやりたいからやるっていうことは、なんかわかる、絶対伝わる。で、その前1年ぐらいのストーリーがあって、そこからすごい良いものができたのは、堀江くんがいうところの熱量だと思う。
堀江:熱量はすごい大事ですよ。……なんか、リリースの話とか戦略の話をするミュージシャンが多くなっちゃったけど、昔なんて一切そんな話なんてしなかったし。
松田:ほんとだよね! 「ヤバいの出来たから出したい!」って思うのが一番強い。
堀江:好きなものを最大限やる環境と、好きなことをやれる時間を確保できるだけで、相当いいと思うけどね。……相当いいっていうか、俺とチャーベくんがいつもしてきてることっていうか。そればっかやってダメになってる、ダメになることもあるけど(笑)。
――ダメになる?(笑)
松田:昔、堀江くんの電話番号に電話したら「現在使われておりません」ってなったからね(笑)。
一同:ははは!
松田:メールはわかるから別にコトは足りるんだけど、電話番号知らないっていうのはちょっと(笑)。
――まぁ堀江さんはこういうと嫌かもしれないですけど、ロックンローラーですね。
TAGAMI:ロックンローラーです(笑)。
堀江:でも携帯持ってんだよねぇー。
松田:持ってていいんだよ。持っててもらわないと困るんだよ(笑)。
堀江:でも楽しいことやるのはいいなぁ……楽しいこと少なくなってきてる? いっぱいある?
松田:うーん……まぁ、楽しいことをやるためにしんどいことをやってるって感じだよね?
堀江:それが大人だよね。
福田:すげえいい話ですね(笑)。
TAGAMI:CDを初めて出したときの楽しさなんて、もう絶対ないじゃないですか。音は別として。親に送ってみたりとか、そういうのはもう多分ないし、「またCD出しちゃった!」みたいな、そんなことで敏感だったら毎回進めないじゃないですか。……もちろん嬉しいですけど(笑)。
――でもこういう刺激的な先輩がいることは大きくないですか?
TAGAMI:いやいやすーごい。今日もちょっと話しただけで楽しい。そこがいいんですよね。
堀江:そんなに変わんないですよ、始まりは。ニールとSCAFULLは同じだよね? 時間軸の部分では。うちらが上も下もいない感じなのかな。
松田:まぁね。
堀江:あんまり意識しなかった。よくみんな先輩/後輩とかいうんだけど、全然なくて。ないというか、今は芸人ぽく置き換えすぎちゃっててさ、なんかよく「〇〇兄さんが~」とかどうのこうの言うけどさ、テレビの芸人のパターンと一緒。俺は叩きのめすからね(笑)。
――ちなみに今度のツアー、NEIL AND IRAIZAはどこでの対バンですか?
田上:東名阪です。自分らのツアーも楽しみなんですけど、ほんとにニールが観たい(笑)。
堀江:2マンなの?
松田:今知ったの?
TAGAMI・福田:ははは!
堀江:3つぐらい出るのかと思った。チャーベくんはダブルヘッダー?
TAGAMI:最初、チャーベくんに「ダブルヘッダーになっちゃうんですけどお誘いしていいですか?」って聞きました。でも、自分たちのライブが終わったあとに観たいよね(笑)。俺たちの企画だしいいんじゃないかな?
松田:(堀江が)帰るしね。待ち時間長いと帰るよ。
TAGAMI:あ、そっか。待ち時間長いと「もういっか、飲み行こうよ!」ってなっちゃいそうですね(笑)。
取材・文=石角友香 撮影=風間大洋
FRONTIER BACKYARD / NEIL AND IRAIZA 撮影=風間大洋
仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
w/ASPARAGUS/フルカワユタカ
大船渡 KESEN ROCK FREAKS
w/ASPARAGUS/the band apart/フルカワユタカ
宮古 KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
w/ASPARAGUS/the band apart/フルカワユタカ
北海道 BESSIE HALL
w/ASPARAGUS/フルカワユタカ
青森 aomori SUBLIME
w/フルカワユタカ DJ 櫛引 雄太
石巻BLUE RESISTANCE
w/フルカワユタカ
宇都宮 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
w/フルカワユタカ/CALENDARS DJ Shun Nishiya(Someday's Gone / INK)
東京 TSUTAYA O-WEST
w/NEIL AND IRAIZA DJ KINK(BLUE BOYS CLUB)
大阪 Shangri-La
w/NEIL AND IRAIZA DJ Yuta Furukawa (Special Favorite Music, KONCOSサポート)
名古屋 RAD HALL
w/NEIL AND IRAIZA DJ 野垣内 悠(Synchronized Rockers/kiddle)