ひめキュンが涙の卒業式ライブ、ひさびさの5人編成で「このグループが誇りです」
河野穂乃花を含むひめキュンフルーツ缶。(撮影:西槇太一)
メンバー全員卒業がアナウンスされていたひめキュンフルーツ缶の、現編成によるラストライブ「ひめキュンフルーツ缶"2010-2017"卒業~今までも、これからも~」が、彼女たちの地元である愛媛・松山サロンキティで開催された。会場には入りきれないほどのファンが駆けつけ、入口扉を開け放ったまま超満員の状態でライブが行われた。
開演後、白のタンクトップと赤い長ズボンという衣装を着た岡本真依、谷尾桜子、奥村真友里、菊原結里亜のメンバー4人が登場。「アンダンテ」でライブが始まると、彼女たちの歌声を掻き消さんばかりの歓声があちこちで轟く。その後も彼女たちは「それ冗談!これ本気!!」「ワタシダイイチキボウ」「ガールズドントクライ」を畳み掛け、フロアはどんどんヒートアップ。「すごい熱気だ!」と谷尾が驚きの表情を浮かべた。1stシングル「恋愛エネルギーの法則」が披露されると、フロアからはひときわ大きな歓声が。勇壮な「伊予魂乙女節」を経てバラード曲「絶望よ!こんにちは」に移ると、それまでのハイテンションなステージとは打って変わって観客はじっくりと彼女たちの歌声に耳を傾けていた。
その後のMCでは岡本と菊原が今年20歳を迎えたことを報告。ひめキュン結成7周年の日にメンバー全員で集まってワインを飲み、頑固で弱音を吐かない岡本がその席で悩みを打ち明けてくれたことがうれしかったと、菊原が明かした。さらに岡本は、谷尾が一番精神面で強くなったとコメント。7年の歳月の重さをしみじみと振り返った彼女たちは、メンバー全員で黒の衣装にチェンジして「モノクロビタミン」を歌い、「デッドギミック」で4本のマイクスタンドの前で奇抜なダンスを見せつけた。ラストスパートをかけるように「恋が止まらない」「キラーチューン」「You stay dream」をエネルギッシュに歌い、ライブ本編は終了した。
アンコールを求める「ひめキュン」コールが鳴り響く中、昨年1月の愛媛・ひめぎんホール公演でも着ていた矢絣の衣装にチェンジした4人が姿を見せた。彼女たちは本編以上にキラキラと輝く笑顔で「ネバーエバー」を歌い、「例えばのモンスター」では谷尾がフロアにダイブ。3曲を歌い終えると、ひめキュンの生みの親である伊賀千晃プロデューサーからメンバー4人に花束と卒業証書が渡された。伊賀氏は突き抜けるような高い声で、1人ひとりに対して感謝の言葉を読み上げていく。
その後メンバーは一旦ステージ袖に退場。暗転した舞台上に5人の人影がぼんやり見え、それが今年6月に卒業した河野穂乃花を含むメンバー5人だとわかると、会場に興奮が渦巻いた。最後に揃った5人は、それぞれ目に涙を浮かべながら「卒業の日」を切々と歌唱。「私たちは5人で1つです!」と岡本が言ったあとで、河野は「半年ぶりです、穂乃花です。直接(卒業を)言えなくてすいません。上から観てて、このグループでよかった、このグループが誇りです。多くの人に愛してもらって幸せでした!」と心境を吐露。ここでまた伊賀氏が河野に対しても卒業証書を読み上げ、ほかのメンバーに「泣いてるの?」とツッコミを入れられていた。
ここでメンバー1人ずつコメントをする流れに。奥村は「お婆ちゃんまでやると思ったけど……卒業は悔しい」、菊原は「13歳からやってきて、感情、青春のすべてを捧げた。ひめキュンは不器用だったけど、愛媛でやってきてよかった」、岡本は「世界中を見渡しても、こんなに愛されたグループはいない」、谷尾は「自分のことしか考えてないと伊賀社長に言われて、周りのことを考えるようになった。このメンバーが大好き」と思いの丈を述べた。
最後は11月に始動する新生ひめキュンフルーツ缶のメンバー7人をステージに招き、総勢11人で「ひめキュン参上!」を披露。全30曲、トータル3時間におよぶライブを終え、岡本が最後に「7年間愛してくれて、ありがとうー!」と感謝の言葉を発すると、この日のライブでセットリストに組み込まれなかった「バズワード」が終演後の場内に流れ、観客による大合唱が沸き起こった。
ライブ終了後の打ち上げ会場でのメンバーのコメント
谷尾桜子
ライブはいつも通りにやれたのがよかったですね。今日は我慢できなくて「絶望よ!こんにちは」で泣いてしまって。何度か涙腺に来ましたね。お客さんも温かかったし、関係者の方もたくさん来てくれて、愛にあふれていたなと。7年間やってきてよかったなと、心から思いますね。
岡本真依
来週またライブがありそうな気がしますね(笑)。アンコールあたりで「卒業するんだ、このメンバーで歌うことも踊ることもない、もう終わるんだ」と思ったら、涙が出てきて。でもライブ後の特典会のときにお客さんに「またね!」と言っちゃって(笑)。8人の時代にも感謝しているけど、穂乃花を含む5人で突っ走ってきたので、ひめキュンはこの5人だなと思いました。「卒業の日」でボロボロ来ちゃいました。4人になったときも、片隅に穂乃花を置いて、5人でやってるつもりでしたからね。最高に楽しくて、最高に幸せでした!
奥村真友里
全然、終わった感じがしなくて。もうライブをしないなんて考えられない。でもいい雰囲気で終われたから、よかったなと。終盤、体力的に死にそうだったけど、いつも通りひめキュンの楽しいライブをやれたと思います。5人でステージに出たときは、さすがに泣きそうになったけど、泣かなかったです。こらえました。自分は強がりだから、泣いてるところを見られたくなくて。まいまい(岡本)は最後まで、らしかったなと(笑)。
菊原結里亜
今日はすごく楽しかった。ただ、アンコールは……お客さんも泣いてるし、5人で出る前に円陣を組んで、そのときにまいまい(岡本)、さく(谷尾)、穂乃花が泣くから。あと、穂乃花の言葉でも泣きましたねえ。ただ、最後までしんみりしなかったから、それがひめキュンらしいかなって。今日「バズワード」をやらなかったんですけど、なぜなんでしょう? 多分、「You stay dream」が「ここからがんばろう」という前向きな歌詞だったから、今の私たちに合ってるのはそっちだったのかなと。でもライブが終わった後にお客さんが大合唱してる声が聞こえてきて、私もうれしくて。今日は間違いじゃなかったなと。自分に素直に、まっすぐやってきたことを伝えられたから。それがよかったですね。
河野穂乃花
めっちゃ緊張しました、半年ぶりですからね。上で観てたんですけど、こんなにすごいグループだったんだなって。今になって、より一層思いますね。私もどういう気持ちでステージ立とうと思ったけど、来てよかったですね。ファンの方にも挨拶できたし、あの曲(「卒業の日」)でみんなとステージに立てたので、ありがとう!という気持ちでいっぱいですね。
「ひめキュンフルーツ缶"2010-2017"卒業~今までも、これからも~」2017年10月29日 松山サロンキティ セットリスト
01. アンダンテ
02. それ冗談!これ本気!!
03. ワタシダイイチキボウ
04. ガールズドントクライ
05. ぐるぐる
06. iの奇蹟
07. 恋のプリズン
08. Seize the days!
09. 果てしなき旅
10. 恋愛エネルギー保存の法則
11. フリーノート
12. 伊予魂乙女節
13. 絶望よ!こんにちは
14. モノクロビタミン
15. デッドギミック
16. 飛びかうフール
17. モラトリアム
18. 絶望アロー
19. TEAR DROPS
20. 8分の1のブレス
21. ミスターA
22. ハルカナタ
23. 恋が止まらない
24. キラーチューン
25. You stay dream
<アンコール>
26. ネバーエバー
27. 青の少年
28. 例えばのモンスター
<ダブルアンコール>
29. 卒業の日
30. ひめキュン参上!