アジア10カ国から200組の次世代クリエイターが集結! 『UNKNOWN ASIA ART EXCHANGE OSAKA 2017』

レポート
アート
2017.11.13
 UNKNOWN ASIA

UNKNOWN ASIA

画像を全て表示(13件)

今年で3回目を迎える、日本とアジアのクリエイターが集結するアートフェスタ『UNKNOWN ASIA ART EXCHANGE OSAKA 2017』が、11月3~5日に大阪·梅田ハービスホールにて開催された。本イベントには日本や中国、香港や台湾などアジア10カ国から、200組のクリエイターが集結。アート、デザイン、写真、イラストレーション、ファッションや映像、インスタレーションまで、そのクリエイションの幅は様々。クリエイターらは作品プレゼンや展示、販売だけでなく、各国から招待された審査員やレビュアー、コレクター、さらには来場者と交流を図り、投票により各賞やグランプリが決定。その後の活躍にも注目が高まるイベントとして、年々注目度が高まるアートフェスタだ。今回は表彰式の模様を中心にレポートをお届けする。

 UNKNOWN ASIA

UNKNOWN ASIA

 UNKNOWN ASIA

UNKNOWN ASIA

UNKNOWN ASIA ART EXCHANGE OSAKA 2017』は「大阪からアジアへ。アジアから大阪へ」を基に、2015年にスタート。これまでにタイやインドネシア、台湾などのアートフェアなどと連動し、回を重ねるごとに国内はもとより、アジア各国での認知力や注目度が高まってきた。その規模は年々スケールが大きくなり、今回参加したクリエイターの出身国は日本、中国、香港、台湾、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアなどの10カ国、200組が参加。各ブースにはクリエイターたちがそれぞれの作品を展示、来場者と直接会話を交わすことができるなど、“観る”だけで終わらない魅力がそこには詰まっていた。

イベントは各国から招待された有名アートディレクターやギャラリトがグランプリや各賞の審査に加わるだけでなく、協賛スポンサーや参画団体によるビジネスマッチングが期待されることも魅力のひとつ。各賞受賞作家は国内、海外での作品プレゼンテーションの機会が用意され、“展示”だけで終わらない、その後の活躍の場が広まるチャンスの場としても注目されている。

 UNKNOWN ASIA

UNKNOWN ASIA

また、イベント初日には、アート、クリエイティブ業界の牽引者によるVIPプレビューを実施。ギャラリスト、アートコレクター、アートディレクター、プロデューサー、編集者、広告代理店、プロダクション関係者50人以上がレビュアーとして、出展者と交流やビジネスマッチングを行った。レビューはそれぞれ1名以上の出展者を選出。選出した証として、名刺をブースに掲出することで、一般来場者はそれらの数でクリエイターの注目度を図ることができるなど、“今”のアートの動きを間近に体験することができる。

イベント当日、会場はたくさんの来場者で賑わっていた。各ブースでは作品を間近に見ながら、若きクリエイターたち同士が会話を交わし、互いに刺激を受け合う姿も印象的だった。作品をただ展示するだけでなく、ライブペインティングで時間を追うごとに進化する作品を見せる者、自らをモデルにしファッションとアートの融合を図るもの。リアルな質感のイラストには思わず食い入るように見入ってしまう瞬間もあり、ひとつひとつをじっくり見入っていると時間はあっという間に過ぎてしまった。

そしていよいよグランプリをはじめとする、受賞作品の表彰式が行われた。今年のグランプリは日本の河野ルルが選出された。彼女の作品は透明水彩で下書きなし、一発書きで描かれ、その色彩はポップでいて繊細な水彩の線が美しいものばかり。昨年から作家活動をスタートしたばかりという彼女、“次世代クリエイター”の名にふさわしい賞の受賞に「何か賞が欲しいな、それくらいしか考えていなかったけど、まさかこんなことになるとは夢にも思わなかった」と、声を震わせながら感謝の言葉を伝えた。

そして、協賛企業賞のうち「イープラス賞」には二宮千都子が選出された。彼女の作品は「見えないけれどそこにあるもの」に光をあてることをテーマに、表には見えないデジタルなプログラミング言語をアナログな絵画に取り組んだもの。作品は一見、英数字の羅列に見られるが、それらを並べ直してコンピューターで読み込むことで、新たな画像を形作るという。

普段はプログラマーとして働いているという彼女。受賞については「まさかの受賞に手が震えてしまいました。プログラムコードの面白さに注目してもらえてうれしい。これを機に今後はアート一本で活躍できるように活動を進めていきたい」とのこと。今後はイープラスが手掛ける、東京·渋谷にあるカフェ「LIVING ROOM CAFE&DINING」での展示など、彼女の作品とのコラボにも期待したい。

 UNKNOWN ASIA

UNKNOWN ASIA

200組のクリエイターによる作品たちについて、「新しいブーム、新しい分野を持ちこんだ人を多く感じた」と語る審査員もおり、これからの展開にますます期待が高まる『UNKNOWN ASIA ART EXCHANGE OSAKA』。今後の“次世代クリエイター”たちの更なる飛躍に注目したい。

レポート・文=黒田奈保子 撮影=森好弘

イベント情報
紀陽銀行 presents UNKNOWN ASIA ART EXCHANGE OSAKA 2016
開催期間:2017年 11月4日(土)~11月5日(日)
2017年11月4日(土)10:00~20:00
2017年11月5日(日)10:00~17:00
会 場 : ハービスホール
〒530-0001 大阪市北区梅田2-5-25 ハービスOSAKA B2F

 

シェア / 保存先を選択