『オー! マイキー』の石橋義正が挑む実験空間

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2015.10.5

タデウシュ・カントルのオマージュとなる、禅のパフォーマンス。

『死の教室』(1975年)などの一連の作品で、世界中の演劇界にセンセーションをもたらしたポーランドのアーティスト、タデウシュ・カントル。今年で生誕100年を迎え、各地で記念の展覧会やイベントが行われる中、『オー! マイキー』『ミロクローゼ』などで知られる京都の映像作家・演出家の石橋義正も、カントルへのオマージュとなる新作パフォーマンスを上演する。

本作のテーマは「禅」。観客全員で座禅を組み、精神を「空(ZERO)」の状態に近づけようとする中、苦悩に囚われた様々な人々が舞台に現れる。服を破り捨てる女性、怒りを歌にする中年男、積み木を積み続けては破壊する人工知能…。これらのアクシデントが過ぎ去った後、再び静かに座禅を組む観客たちの記憶の中に残るのは何か、あるいは「空」となって何もかも忘れ去ってしまうのか?

石橋流のブラックなユーモアとポップなビジュアルで、カントル演劇の「ハプニング」や「記憶のスナップショット」などの手法を体感する実験的な空間。映画『乱暴と待機』やNODA・MAPの舞台などで活躍し、現在はパリを拠点にしている女優の美波が出演するのも見どころだろう。また公演期間中となる10/10~11/15には、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)にて「死の劇場─カントルへのオマージュ」という展覧会も開催。石橋も映像作品を出品しているので、彼が影響を受けたカントルの理解を深めるのも合わせて、ぜひ上演前後に訪れておきたい。

公演情報
『ZERO ZONE 人工知能は陸橋で積み木をつむデスか』​
 
日時:10月17日(土)・18日(日) 17日=19:00~ 18日=14:00~/17:00~
※17日はポストパフォーマンストーク付。
場所:京都芸術センター・講堂
料金:一般3,000円 25歳以下2,500円
構成・演出:石橋義正
ビジュアルデザイン:江村耕市
装置製作:安藤英由樹
照明デザイン:藤本隆行
出演:美波、藤井b泉、宮原由紀夫、皆川まゆむ、山中雅博、天根静也
 
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