ラルビ×森山未來「プルートゥ」再び、土屋太鳳「宇宙みたい」な初舞台

レポート
舞台
2018.1.6
「シアターコクーン・オンレパートリー2018 手塚治虫生誕90周年記念 鉄腕アトム『地上最大のロボット』より『プルートゥ PLUTO』」フォトコールより。

「シアターコクーン・オンレパートリー2018 手塚治虫生誕90周年記念 鉄腕アトム『地上最大のロボット』より『プルートゥ PLUTO』」フォトコールより。

「プルートゥ PLUTO」が、明日1月6日に東京・Bunkamura シアターコクーンで開幕。初日公演に先駆け、本日1月5日にフォトコールと取材会が行われた。

浦沢直樹とストーリー共同制作者・長崎尚志の2人が手がけた「PLUTO」は、手塚治虫「鉄腕アトム」のエピソード「地上最大のロボット」をもとにしたマンガ。2003年から09年まで「ビッグコミックオリジナル」(小学館)にて連載され、15年には「テ ヅカ TeZukA」でタッグを組んだ森山未來主演、シディ・ラルビ・シェルカウイ演出・振付により舞台化された。

3年ぶりの上演となる今作には、アトム役の森山、お茶の水博士役の吉見一豊、天馬博士役の柄本明といった初演キャストに加え、ウラン役とヘレナ役を務める土屋太鳳、ゲジヒト役の大東駿介、アブラー役の吹越満が初参加。また初演に続き、演出・振付をラルビ、上演台本を谷賢一が手がける。

人間とロボットが共存する時代、世界最強と言われるロボットが次々と破壊される事件が起こる。高性能刑事ロボットのゲジヒトは、自身を含めた7体のロボットが犯人の標的だと確信。ゲジヒトは日本に渡り、限りなく人間に近い存在であるロボット・アトムと共に謎を追うことになるが……。

フォトコールで公開されたのは、アトムとゲジヒト、アトムの妹・ウランが出会うシーンをはじめ、人間を殺害した唯一のロボット・ブラウ1589についてお茶の水博士が語る場面や、世界最高峰の頭脳を持つ科学者・アブラーの登場シーン、昏睡状態に陥ったアトムを天馬博士が見守る場面など。マンガの枠線を彷彿とさせる舞台美術や、原作本の映像をブロックに投影させる演出、高い身体能力を生かしたダンサーたちによる軽やかなパフォーマンスなど、シンプルながらもキャスト陣の豊かな身体を駆使したラルビの演出は今回も健在だ。さらに本日のフォトコールには、日本公演のみに特別出演するロボット・Pepperも登場した。

フォトコール後に行われた取材会には、演出・振付のラルビ、キャストの森山、土屋、大東、吉見、吹越、柄本が出席。ラルビは「初演から3年の間に我々も成長しましたし、世界の情勢も大きく変化しました。この作品を再演できることの喜びを感じながら、素晴らしいキャストと魔法のような時間を過ごしています」と感触を語り、「マンガという日本の文化を世界に発信していけたら」と海外公演に向けて抱負を述べた。

続く森山は「再演と言うよりも、『プルートゥ PLUTO』という作品を再構築してブラッシュアップするイメージで作ってきました。初演とはまた違った衝撃が得られる作品になっているので、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います」とアピール。また今作が初舞台となる土屋は「舞台はすごいです……宇宙みたいでした。緊張で幽体離脱しそうです」とはにかみながら、「自分の人生の節目になるだろうと感じているので、その気持ちをしっかりと噛みしめながらがんばっていきたいです」と意気込みを語った。

初演を観劇していたという大東は「『こんなことができたらいいな』と圧倒された作品に出演できて幸せ」と喜びを語り、「稽古を通して、自分自身の身体についてどれだけ理解していなかったのかを痛感しました。今年の目標は自分の身体と仲よくなることです(笑)」とコメント。また初演から続投の吉見は「再演とは思えない大変さを感じています」と苦労を話すと

、同じく初演に続き出演の柄本は「世界も混沌としているので、そういった意味で非常にタイムリーな作品じゃないかと思います」と分析する。さらに初参加となる吹越は「皆さんの足を引っ張らないように、自分の役を追求していきたい」とストイックな姿勢を見せた。

さらにここでは、Pepperが取材会に飛び入り参加。3年前の上演版にも出演経験のあるPepperは「またこの舞台に立てて光栄です。前回よりパワーアップした演技を皆さんにお届けしたいと思います」と挨拶した。なおPepperが出演するのは、明日1月6日19:00開演回、17日14:00 / 19:00開演回の3公演のみとなっている。

本作の東京公演は1月28日まで。その後、2月にイギリス、オランダ、ベルギーを巡る欧州ツアーが行われ、3月には大阪・森ノ宮ピロティホールにて凱旋公演が実施される。

「シアターコクーン・オンレパートリー2018 手塚治虫生誕90周年記念 鉄腕アトム『地上最大のロボット』より『プルートゥ PLUTO』」

2018年1月6日(土)~28日(日)
東京都 Bunkamura シアターコクーン

2018年2月8日(木)~11日(日・祝)
イギリス Barbican Theatre

2018年2月15日(木)~17日(土)
オランダ Stadsschouwburg De Harmonie

2018年2月22日(木)~24日(土)
ベルギー deSingel Red Hall

2018年3月9日(金)~14日(水)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

原作:『PLUTO』(浦沢直樹×手塚治虫 長崎尚志プロデュース 監修/手塚眞 協力/手塚プロダクション)
演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
上演台本:谷賢一
出演:森山未來、土屋太鳳、大東駿介、吉見一豊、吹越満、柄本明 / 上月一臣、大植真太郎、池島優、大宮大奨、渋谷亘宏、AYUMI、湯浅永麻、森井淳、笹本龍史

(c)原作:『PLUTO』(浦沢直樹×手塚治虫 長崎尚志プロデュース 監修/手塚眞 協力/手塚プロダクション 小学館) イラスト(c)浦沢直樹 スタジオ・ナッツ 長崎尚志 手塚プロダクション/小学館

ステージナタリー
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