石井竜也コンサートツアー2018「-陣 JIN-」開幕へ ～「日本人で良かったと思えるようなものを伝えていきたい」

2018年4月19日（木）から東京・明治座にて、歌手・石井竜也の初座長公演「石井竜也コンサートツアー2018『-陣 JIN-』」が初日を迎える。初日前日、同劇場にて公開ゲネプロ（最終通し稽古）が行われ、その直前に行われた囲み取材の場で石井が心境を語った。

本公演は、ネオジャパネスク『ヒューマン』をコンセプトに、石井の感性が生み出す独特な世界観で繰り広げられるエンターテイメント性豊かなコンサート。「将軍たちの午後」と題した芝居と、和をテーマにした「天龍降臨」と題した二部構成のコンサートとなっている。囲み会見で「（明治座という）歌舞伎や日本の文化を継承している場所で、どう振る舞ったらいいかわからないんです」と苦笑するも、「でも興味はありましたので、石井竜也らしい演出でお見せしたい」と意気込んだ。

公演の前半の芝居について「石井竜也が考える戦国時代ということで、戦国時代から500年間鎖国していたらどんな日本になっていたのかという“イフ”の世界を、演劇のような、アニメのような、キャラクター（ショー）のような荒唐無稽な内容にしました」と語った石井。「2年くらい前に今回の公演に関する話をいただいたときは、どのように形にすればいいのか、それをやることで失礼なことにならないか、などいろいろ考えました。また時代劇という形にせずにどうやったら今の人々にもこの想いを伝えることができるのか。日本人で良かったと思えるような、日本の美学を忘れないようなものにしたい。それを1年くらい考えていましたね」と企画段階での苦労を語った。

今回舞台で着用している甲冑や衣裳は石井のデザインによるもの。随所に彼がこだわりを見せた甲冑はその武将のキャラクターに合わせ、金属の塊やネジがたくさん付いたようなデザインとなり、第2部で着る衣裳もスーツを着物のようにアレンジしたものなど、バラエティに富んでおり、目にも楽しい仕上がりとなっている。だが甲冑についてはいささか問題があるようで「これを一時間くらい着ていると（暑さ、重さで）ボーッとなってきて、何かが降臨してくるような感覚になり、意識が朦朧としてくるんです」と笑わせていた。

第2部のコンサートでは、この日発売になったアルバム「龍」に収録されている楽曲や米米CLUBのヒット曲を披露する。石井は「これまでに発表した様々なアルバムの中でたびたび和テイストの楽曲を作ってきました。それらを集めると40曲くらいになったので、まとめてアルバムにしたんです」と解説。ちなみに「龍」というタイトルは石井の祖父の名前に由来する。孫である石井が産まれたときに「龍」の字を付けたかったが、簡単な「竜」の字になってしまったといういきさつを踏まえ、石井は「祖父が願った“龍”の名をこのアルバムタイトルにしようと思ったんです」と嬉しそうに語っていた。

春から夏、お盆の頃までの長丁場となる本公演。「今年、59歳になりますが、身体が動くまでやっていきたい」と気合いを入れる石井だった。

取材・文・撮影＝こむらさき