FABLED NUMBER バンドがさらに前進するために見出した“原点回帰”という葛藤の先の回答

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2018.6.25
FABLED NUMBER 撮影=山内洋枝

FABLED NUMBER 撮影=山内洋枝

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現在のラインナップが揃ったのは、2012年5月。以来、歴史に名を残すバンドになることを目標に掲げ、大阪の6人組、FABLED NUMBERはインディーズからのリリースとライブ活動を続けてきた。昨年(2017年)2月のメジャーデビューは、そんな活動の成果の一つだったと言ってもいいと思うが、メジャーデビューをきっかけにFABLED NUMBERが一気に活動のペースを上げたことは、その年、立て続けに『ILLUMINATE』と『THUNDER』という2枚のアルバムをリリースしたことからも明らかだった。その2枚のアルバムは“本格ロック・サウンド×ダンス・ミュージック”を身上とする彼らが自分たちの可能性をさらに追求した作品だったが、6月20日にリリースする1stシングル「I Bet My Life (or Death)」はそこから一転、原点回帰を思わせるものになっているところが興味深い。そう思って、N'Eita(Vo, Gt)とN'Taichi(Ba)にその理由を尋ねてみたところ、予想もしていなかった答えが返ってきた。今回の原点回帰は葛藤を乗り越えたところで、バンドがさらに前に進むために見出した答えだったという。「I Bet My Life (or Death)」というタイトルからは、新たなバンドの覚悟が窺えるが、EitaとTaichiの言葉からそこに込めた想いを、ぜひ受け取っていただきたい。

――FABLED NUMBERは昨年、メジャーデビューしていきなり『ILLUMINATE』というアルバムをリリースして、その9ヵ月後には『THUNDER』というアルバムをリリースしました。1年にアルバムを2枚って、なかなかのハイペースですよね。

Taichi:みんな、そう言うんですよ。

――あ、自分たちではそういう気持ちはなかった?

Taichi:周りと比べると、確かに早いなとは思いましたけど、出せる機会があるならっていうのもあったし、“プロモーションが途切れないからこの時期だね”って、それを専門にしているレコード会社の人が言うのであればっていう(笑)。でも、“うわ、もう新作が来たんか!”って思ってもらうことが今の僕たちには必要だとも思うし。

――その中で、どんな手応えがありましたか?

Taichi:Eita言うたれ。

Eita:自分たちが本来、こういうふうにしたかったことが、インディーズの頃からあったんですよ。たとえば、MVを作る時も“もうちょっと丁寧にやりたかったな”みたいな、そういうことを、いろいろな視点を持ってやってみることができたのは良かったし。英語の歌詞だけにこだわらずに日本語をもっと入れたいとか、そのうえでさらにダンスミュージックの要素を強めにやりたいとか、こっちから提案したことを基にプロモーションも進めてもらえたので。そういう意味では、向こうから言われるのではなく、自分たちがやりたことを、さっき言ったリリースのタイミング以外はやらせてもらえたし、レコーディングの環境も格段に良くなったし。なおかつ、ラジオも含め、いろいろなプロモーションも自分たちが“こういうふうに見せたい”っていうことは、メンバー6人で話しながら進められた1年だったと思いますね。で、『THUNDER』というアルバムを、11月にリリースして、ツアーを回っていく中で心境の変化が生まれて、今回のシングルにつながるわけなんですけど。

――心境の変化ですか?

Taichi:心境の変化と言うか、変化に至るまでに『THUNDER』のツアー中、事務所、マネージャー、レコード会社のディレクターを交えて、話し合う機会があったんですよ。次にシングルを出して、どういう立ち位置、ジャンルとかバンドのイメージとか、もっと言えば、曲調はアッパーなのか、そうじゃないのかとか。もう1回、そこをほんまに見つめ直そうっていう話し合いがあって。

Eita:その中で、“どういうバンドって説明したらいいかがわかりにくい”って話が出たんですよ。大阪と名古屋に宣伝の人がいて、僕らのことをすごく気に入ってくれているんですけど、気に入ってくれているポイントがちょっとずつ違って。大きく捉えたら、“いいバンドだから、もっと広めたい”という気持ちはみんな一緒なんですけど、どこに売り込んだらいいのか?っていう話になったんですよ。それで、“バラバラの意見が出る状況よりも、ここに行こう!っていうのを、みんなで決めよう”ってなったんですけど。その時にメンバー6人は、もう激しいことはしないって考えていたんです。ライブパフォーマンスも、その時の言葉遣い、メンバーの見た目、キャラクターもラウドバンドとしてやってきたけど、とりあえずそれはもういいかって。話し合いの中で、“むしろ、そういうリードトラックを作ろうよ”ってなっていって。要するにメンバーから持っていった考えとは逆方向の、たとえば「Move」とか、「YES」とか、英語の歌詞のアッパーでエレクトロの要素が入っている激しいFABLED NUMBERに魅力を感じているお客さんのところに行こうよって。

Taichi:そういうアイディアがレコード会社の人から出て。

Eita:そういう曲なら、宣伝の人も、ぱっと聴いてもらって、“どういうコーナーで売りたいですか?”ってなったとき、“こういうバンドと一緒に売ってもらえたらいいと思います”って具体的に説明できるようになると思うって。僕ら6人の中では、もうちょっと大人と言うか、年齢層の高いところに向けていきたかったんですけど、僕らが選ぶわけにはいかないじゃないですか。もちろん、選ぶこともできるんですけど、これまでやってきたキャリアがある以上……。

Taichi:ライブのお客さんは、若年層がほとんどなんですよ。いわゆるライブキッズと言われる、モッシュやダイブをする子たちがとにかく多い。だから『THUNDER』を出した時も、ほんまに自分たちが考えるダンスミュージックを、海外の音楽にも引けを取らないようなものを作って、それでやっていこうと思ったんですけど、ライブをしている時にちょっとしたずれを感じたんですよ、僕ら自身が。“みんなやっぱり若いし、エネルギーがあるから、ほんまはもっとバッチバチに来てほしいんちゃうかな”って思う瞬間が多々あった。それを当然、傍で見ているチーム内の人間も感じていて。だから、今回のシングルはチーム内の起爆剤でもあるんです。そんなことを考えて曲を書いたことはこれまでなかったから、メジャーレーベルならではと言うか、そこに身を置いた俺らが出した一つの答えなのかな。好きなようにやってきて、出したいものを出してきて、メジャーに入ってもそうしてきた。でも、2枚アルバムを出して、次に進む前に大きな話し合いをした時に、ほんまにやりたいことをやるために、今やらなアカンことが見えたっていうところですよね。

――でも、今回の「I Bet My Life (or Death)」も、FABLED NUMBERが元々持っていたタイプの曲ですよね。

Taichi:そうです、そうです。だから当然、今回も自分たちがやりたいことを詰めています。それに曲自体は元々あったんですよ。ちょっと前に作って、取っておいた土台が。

FABLED NUMBER/N'Eita(Gt/Vo) 撮影=山内洋枝

FABLED NUMBER/N'Eita(Gt/Vo) 撮影=山内洋枝

わかりやすすぎるとダサい。わかりにくすぎるとなんか小賢しい。でも、合唱があることで“この曲、聴き込みたい”と思うきっかけになると思う。

――やりたいことがいろいろある中で、今回のようにテーマを決めて曲を作る経験っていかがでしたか?

Taichi:そこに至るまでに方向の転換がありましたからね。実は、すでにかっこいいミドルテンポの曲が何曲か仕上がっていたんですよ。そこから“新しいものをやらなアカンのか”って葛藤は正直、ありましたね。その中でアッパーな曲を作っていた時代のボイスレコーダーを開いて、いろいろ聴いていたら“これ、ええやん!”っていうのが出てきたんです。それをアレンジしなおしたら、元々その当時、好きだったものを全部詰め込んでいたから“やっぱ、これかっこいいわ”ってなって。だから、僕は原点回帰した感じと言うか、もちろん、いろいろな技術を身に着けて、もう1回そこに立ち戻ったと言うか。まぁ、言うたら、進化を経た自分んらの中の最新型ですね。

――そういう意味では、自信作だと?

Taichi:完全に満足している状態で前に進んでいます。

――『ILLUMINATE』に収録されていた「夜の鼓動」のリミックスバージョンを含む今回の3曲は、3曲ともキャッチーなフレーズを散りばめながら、バンドが一丸となった上でリスナーを巻き込んでいけるようなものになっていますが、たとえば、「I Bet My Life (or Death)」だったら、どんなところに今おっしゃった進化や最新型のFABLED NUMBERが表われていますか?

Taichi:メンバーの意識がまず違うと思うんですけど、具体的に言うと、いきなりマックス値のサビから曲が始まるっていうのを初めてやったところですね。それはチームの意見を汲んで、リードトラックでアッパーなものを作ると決めたからこそできた、一番わかりやすい試みですね。

――サビから始まる曲って、これまでありませんでしたっけ?

Taichi:4小節ぐらいめっちゃかっこいいイントロを挟んでサビからボーンっいうのはあったんですけど、鳴った瞬間、ドーンって歌と同時に始まるっていうのはなかったですね。ボーカルのキーがこれだけ高いっていうのも大きな要素なんですけど、リスナー目線で考えて、わかりやすくそれを頭から出したったらええやん。それもサビからって、めっちゃわかりやすい。ヌルっとせんと、ほんまストレートに、右ストレートを放つと言うか、頭からそういう意識で作っていきました。これまでは、かっこいいイントロを作りたいと言うか、何かひとクセ入れたれっていう気持ちが強かったんですけどね(笑)。

Eita:そのあと、一番キーとなる合唱が入ってくるんですけど、そこがばっちり立つような流れになっていると思うんですよ。今ってシンガロングさせようっていうバンドも多いし、それが必要だとも思うし、曲が広まったら自然と歌ってもらえると思うので。合唱を入れることで、歌いやすくなると思うんですよね。だから、そこの“かっこよくわかりやすい”っていうラインを絶妙に行けたらなって考えながら作りました。以前から、どの曲に関しても思ってましたけど、どこまで英語にして、どこから一緒に歌えるものにできるか、そのラインはいろいろ試しながら探っていきました。

――合唱と言えば、Aメロがリードボーカルの掛け合いになっているところも新しい。

Taichi:それもアッパーの一言です。お客さんありきで考えました。

Eita:たとえば、フェスでこの曲をやったとき、知っている人は歌うと思うんですけど、そこで初めて耳にする人は“あ、そういう一体感を生もうとするのね”となると思うんです。そのときに曲がかっこいいことって、やっぱり大事だと思うんですよ。そこが絶妙じゃないと、なんかダサい合唱だとね……みたいなのあるじゃないですか(笑)。わかりやすすぎるとダサい。でも、わかりにくすぎると、なんか小賢しい。でも、曲が広まるときに合唱があることで“この曲、聴き込みたい”と思うきっかけになると思うから、Aメロから入れて、Bメロでしっかり歌う。そしてサビで思いっきりアッパーに行った後に掛け合いの合唱が来るっていう。展開としては、自分たちっぽいし、わかりやすし、アッパーやし、みたいな。あらかじめやろうと考えていたテーマどおりにできたから、みんなめっちゃ納得していると思います。だから、自分たちで演奏してても気持ちいい。

――良かった。気持ちいい曲になって。

Eita:だから、ちゃんと広めていきたいんです。

――他にアレンジの聴きどころは、どんなところですか?

Taichi:サビ前のピアノのヌケですかね。あれは最強のフレーズですよ。音の当たりもそうだし、メロもそうだし、出している音域もそうだし。やばいすね。

Eita:かっこいいです。

Taichi:そいう普通のバンドじゃ絶対出されへんようなサウンドをどの曲にも盛り込んでいるので、それがダンスミュージック調じゃなかったとしても、FABLED NUMBERになるってことをしっかり証明したいっていうのがアレンジ面では強かったですね。

――サビの歌の裏で、ゴガガガって鳴っているのはギターですか?

Taichi:シンセとギターですね。

Eita:あれもかっこいいですね。

Taichi:ブリッジミュートを掛けたギターリフがめっちゃ好きで。

――ああ、なるほど。

Taichi:洋楽畑(の人間)やから、この曲もけっこうそうなんですけど、今回、チューニングをCまで下げて、そこまで低くしたっていうのも初めてやったんですけど。ひたすら激しくしたいっていう気持ちの表われなんです。アレンジも攻撃的にしようっていうのがあって、そうなったんですけど、シンセとギターのユニゾンがめっちゃ相性がいいんですよ。圧も出るし、ソリッドにすればするほど、そこに絶対強いやつが生まれるというね。


――ライブの盛り上がりが目に浮かぶ曲になりましたね。そして、2曲目の「Windshield」も、アンセミックかつアッパーな曲ではあるんですけど、「I Bet My Life (or Death)」よりもダンサブルで。

Taichi:アッパー感を、得意のEDM調の曲で「I Bet My Life (or Death)」とはテイストを変えてやったというイメージですね。

――メンバー全員でシンガロングしているサビは、ライブでもみんなで歌えるものになっていますね。そして、3曲目は「夜の鼓動」のリミックスですが、リミックスを入れようっていうのは、どんなところからのアイディアだったんですか?

Eita:今までの曲でリミックスをやってみたらかっこいんじゃないかっていうスタッフからのアイディアだったんですよ。表題曲を一番推したいんだから、「Windshield」に加えて、もう1曲、新曲を入れるよりも得意なダンスミュージックを遺憾なく発揮するほうがいいと思ったので、リミックスいいですねってなりました。

――ああ。新曲をもう1曲入れて、曲の印象がばらけるよりは、と。リミックスする時のテーマなんてあったんでしょうか?

Taichi:これ、ライブでも使えるんですよ。DJ的なポジションのメンバーがいるから、照明としっかりリンクさせて、ライブでやったら画的にもかっこいいと思います。そういう時間を作って、より一体感を生んでからその後にメンバーでアッパーな曲をバーンとやる。そんなふうに演出面で使えるものにしたいっていうのもありました。既存の曲で、盛り上がり必至の曲だから、それのリミックスでみんなが一緒に飛び跳ねて、歌ってっていうのを、メンバー全員いなくてもできるんですよっていう。

――じゃあ、今回の3曲は3曲ともライブで盛り上がれることをテーマにもしているわけですね。

Taichi:もちろん、それは考えました。って言うか、盛り上がることをだけを重視しました。

FABLED NUMBER/N'Taichi(Ba/Cho) 撮影=山内洋枝

FABLED NUMBER/N'Taichi(Ba/Cho) 撮影=山内洋枝

今やったら一番当たることは何か?というところから考えて、自分たちの中で180度、方向を変えたわけですから。覚悟も覚悟ですよ。

――そういうシングルを今回、作ったことで、今後バンドが進むべき方向性というのは見えてきたところもあるんですか?

Eita:とりあえずは「I Bet My Life (or Death)」を、ライブで全力でやって、これを聴き込んできたお客さんにもそこで力を発揮してもらって、こんなにすごいんだぞという盛り上がりを一緒に作って、広めていきたいです。それがバンドのステップアップに一番つながると全員が思ってます。CD屋さんで展開してもらう場所もそうだし、ライブするスタイルもそうだし、全部をこの曲を中心に動かしていかなアカン。この6月からは特にね。その覚悟を決めないと、ここまで振り切れなかったと言うか、元々やろうとしていたところから、こっちにわざわざ切り替えた意味もなくなっちゃうんで。だから当然、ライブもこの曲を一番立たせるぐらいのセットリストでやるから、“この曲を聴くためにFABLED NUMBERのライブに来た! やってくれ! 俺、行けるぞ!”みたいな人が増えてほしいし、この曲から入ってきてもらって、僕らのダンスミュージックが将来、求められるようになったらいいなと思うんです。アッパーなFABLED NUMBERに対して、“俺の気持ちをアゲてくれるのは、こいつらしかおらん”ぐらいになるんやったらそれでもいい。今の覚悟は、「I Bet My Life (or Death)」が俺たちだとしか思ってないです。

――タイトルは、覚悟の表れでもあるわけですね。

Taichi:そう書いておいてください。聴いてもらう人を増やさないことには、バンド自体の調子が下がってしまいますからね。そうなったら思っていることができなくなる。だから、今やったら一番当たることは何か?というところから考えて、自分たちの中で180度、方向を変えたわけですから、覚悟も覚悟ですよ。もちろん、これが起爆剤になってくれると信じていますしね。

――リリース後の東名阪ツアーは……。

Taichi:『FABLED NUMBERのメジャー初シングルを盛大にお祝いしまSHOW!! 』と題してやります。敢えてライブハウス規模でやることに狙いがあって、モッシュ、ダイブでむちゃくちゃになる。もう、汗だくのライブにしようと思って、激しいセットリストで臨もうと考えています。

取材・文=山口智男 撮影=山内洋枝

 

リリース情報

1st Single「I Bet My Life (or Death)」
2018年6月20日発売

【初回限定盤】(CD+DVD):CRCP-10397  ¥2,037+税
初回盤

初回盤

【通常盤】(CD):CRCP-10398  ¥1,111+税
通常盤

通常盤


<CD>
1. I Bet My Life (or Death)
2. Windshield
3. 夜の鼓動 (The night beat remix)
<DVD>
2nd album”THUNDER”release tour 2017-2018 FINAL
2018年3月20日(火)代官山UNIT ONEMAN LIVE
・The Lights
・Move
・AAO
・Don't let me go
・YES
・Like a Thunder
・The King

ライブ情報

1st SINGLE”I Bet My Life (or Death)”release tour
~FABLED NUMBERのメジャー初シングルを盛大にお祝いしまSHOW!!~
6/22(金) 下北沢ReG   OPEN 18:00 / START 18:30  w/ SHADOWS / SWANKY DANK
7/26(木) 名古屋APOLLO BASE OPEN 18:30 / START 19:00  w/ Xmas Eileen / SWANKY DANK
8/3(金) 大阪アメリカ村DROP OPEN 18:00 / START 18:30 w/ KNOCK OUT MONKEY

<チケット料金>
前売り¥3,000-(ドリンク別)※3箇所共通

イベント情報

FABLED NUMBER アコースティックミニライブ&特典会
■6/26(火)  VILLAGE VANGUARDアメリカ村店
19:00〜ライブスタート
■7/10(火) VILLAGE VANGUARD名古屋中央店
19:30〜ライブスタート
※観覧自由(特典会参加券をお持ちの方優先でご案内いたします。)
※イベント詳細はこちら:http://www.crownrecord.co.jp/artist/fablednumber/pdf/vv.pdf 
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