Takuya IDE×RiRiKA 歌あり、芝居あり……“届けることのプロ”である2人が魅せた本気のステージ

レポート
音楽
2018.7.6
Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

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Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』
2018.6.30 渋谷duo MUSIC EXCHANGE

Takuya IDEとRiRiKAが、6月30日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEにてツーマンライブ『DELIVER』を開催した。

俳優、タレントとしても幼少時より一線で走り続け、昨今は日本語ラップの新たなる旗手として存在感を放つTakuya IDE。宝塚歌劇団花組の娘役として活躍し、現在は歌手、女優として輝きを放つRiRiKA。接点がなさそうに思う2人だが、この日のゲストである俳優・菊田大輔も含め、実は2017年に、スマートフォン専用ロールプレイングゲームを原作とした舞台『Fate/Grand Order THE STAGE-神聖円卓領域キャメロット-』にて共演経験がある。そこで意気投合したことから、今回のスペシャルライブへの道が拓かれたわけだ。次々と起こる化学反応はとても刺激的で、その余韻はしばらく残りそうだ。

Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

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“DELIVER(配達する)”というライブタイトルそのまま、配達員に扮した菊田が振り切ったキャラクターで会場の空気を温め、まずはストーリーパートからスタート。元彼への未練を引きずる女性をRiRiKAが、その彼女が住む部屋に突如現れた元住人の霊をTakuya IDEが演じ、合間には歌をはさむという、通常のツーマンライブでは見られない新鮮な構成だ。Takuya IDEのオリジナル曲「Yesterday」や「Super Star」、「コンプレックス」ではTakuya IDEのラップにRiRiKAが歌声を絡ませる。ダークファンタジー&シアトリカルな世界観をまとう「Sweet Nightmare」では、歌劇出身のRiRiKAが本領を発揮し、Takuya IDEはカラスやオオカミの鳴き声で器用に彩ったり。カバー曲「異邦人」ではRiRiKAの歌う横でTakuya IDEが歌詞をジェスチャーで表現したり、「キッスは目にして」では劇中でなんと4役(!!)を務めた菊田も交え楽しくツイストダンスしたり。

Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

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また、「好きなことだからつらいっていうこともあるけどな」「ゲーム業界の中にゲームを信じていないやつがいて。疲れて擦り切れちゃった」というTakuya IDE演じるプロゲーマーであった霊のセリフは、表現者の真情、光だけではなく影をリアルに映すもの。希望を失ってこの世を去った者からの「生きろよ!」という最後の言葉に、熱演するRiRiKAの頬には光るものが。歌やラップで自己表現をするいっぽう、役者でもある2人だからこそできる無比の複合型エンターテインメント、これだけでも相当な価値がある。

Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

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菊田も含め3人の楽しいトークをはさみ、「こんなに私が素直になれるチームはありません! 私は消えますが、ここからは2人の美しいアーティストのステージです!」という菊田の前フリから、今度はライブパートへ。

RiRiKAの1曲目は、透明感ある高音が映えるバラード「素晴らしいことに出逢うため」。愛することと愛されることに真っ直ぐ向き合った「My Dearest」の切なさをたたえた歌声でも、オーディエンスをどんどん惹き込んでいく。「頑張っていればこうしてみなさんに歌を届けられる」と素敵な笑顔を見せる彼女は、その歌声で燦然と世の中を照らすことができる、太陽のような人だ。続く2曲はカバー曲だったが、「ロマンスの神様」では菊田がパフォーマーとなりさんざん盛り上げ、オーディエンスが大きくクラップする中、驚異のハイトーンで沸かせたり。歌い出しのロングトーンから魅せた「Hero」では、パワフルな歌声で希望を描いたり。一見とてもかわいらしい彼女だが、本当にかっこいい!と思った。

Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

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Takuya IDEは、熊井吾郎(DJ&MPC)とドラマーの楠瀬拓哉(元Hysteric Blue)と共に、「Silent」でライブスタート。想いを込め発する言葉は、バシバシと刺さる。「俺の音楽は言葉を伝える音楽、俺はデリバリーし続ける!」と宣言し、「DAY 1」へ。「たった一度の人生、誰も成し遂げられなかったことを自分で成し遂げたいと思わないか?」という問いかけに始まり、<俺の過去に無駄はない> <俺の人生は俺が決める> <俺の未来をお前が決めんな>というリフレイン、なんという気迫! 「ビビった? 怖かった?(笑) ここからは、ハジけて騒いでちょうだい!」という言葉が導いた「YOU-TRICK」では、Takuya IDEが軽快なビートに合わせ自由奔放に躍動すれば、熊井と楠瀬はかけ合いバトル。<カモナマイハウス> <行くよyour house>というコール&レスポンスが巻き起こった「カモナ」、オーディエンスの<Lucky Day>コールもタイミングばっちりにきまった「Lucky Day」と、高揚が止まらない。

Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

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Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

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そこに現れたのはRiRiKA。ここからは、2人のコラボパートだ。カバー「狙いうち」で、RiRiKAが挑発的な歌とパフォーマンスでドキっとさせれば、Takuya IDEはオリジナリティ満載なラップで応酬。ものすごい熱気の中、「いやぁ」と言い出すタイミングまで息が合いすぎて、思わず「老夫婦か!」と笑い合う2人の姿も微笑ましい。Takuya IDEが「やっぱり歌がうまいって素敵!」とRiRiKAを称賛すると、「ラップは自分が聴いてこなかった音楽だけど、言葉を届けたいという想いは一緒」とRiRiKAが言い、「すげぇいいこと言う! ラッパーは自分で歌詞を書くことに意味があるけど、りりちゃんみたいに人の歌も自分のものとして届けられるのも、かっこいいこと」と返すTakuya IDE。そう、両者には絶対的なリスペクトがあるのだ。

Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

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パーカッシヴなリズムにテンションが上がりまくり、オーディエンスも全力コールした「TGT」。Takuya IDE とRiRiKAのハモリが耳に心地いいサマーチューン「This year’s summer」とTakuya IDEのオリジナルソングを2人で歌ってみると、Takuya IDEが「いいメロディで歌いやがって!」とRiRiKAをまたもや称賛。切れ味鋭いTakuya IDEのラップとRiRiKAの包容力ある美しい歌声は、とんでもなく相性がいい。そして、ラストはストーリーパートでも歌った、楠瀬作曲による叙情感たっぷりな新曲「DELIVER」。2人で気持ち重ねながら向き合ったり、フロアのひとりひとりに届けようとしながら、歌とラップに想いのすべてを託す2人。間違いなく、最高のコラボレーションである。

Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

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Takuya IDE ツーマンLIVE with RiRiKA『DELIVER』

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「芝居、アーティスト、どっちも本気。なんのプロかっていえば、届けることのプロ」と胸を張った2人。歌に芝居にそれぞれの魂を込めたエンターテインメントショウに、心が動かされっぱなしだった。お互いの表現欲求がぶつかり、融和し、掛け算にもなる“DELIVER”は、この1日ではもったいなさすぎる。ぜひ、シリーズ化を期待したい。


文=杉江優花 撮影=阿部稔哉

未掲載カット含む全ライブ写真は【 コチラ 】

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