話題のルーシー・カークウッド作品『チャイメリカ』に田中圭の出演が決定
田中圭
話題のイギリス人若手女流劇作家ルーシー・カークウッドによる社会派現代戯曲『チャイメリカ Chimerica』が、2019年2月に世田谷パブリックシアターで栗山民也の演出により上演される(世田谷パブリックシアター&パソナグループ共同制作)。本作に、映像や舞台など多方面で幅広い活躍を見せる実力派・田中圭が出演することが明らかとなった。
栗山民也 (撮影:白鳥真太郎)
『チャイメリカ Chimerica』は、1984年生まれの英国の若手劇作家ルーシー・カークウッドにより劇作、2013年5月にロンドンのアルメイダ劇場で初演、2014年の英国ローレンス・オリヴィエ賞において最優秀ニュープレイ賞(ルーシー・カークウッド)、ベスト演出賞、ベスト照明賞、ベスト音響賞、ベスト舞台装置賞の5部門を受賞する快挙を成し遂げた。ユーモアにあふれた軽快な会話劇でありながら、重大な歴史的悲劇を背景に、空間・時代を行き来する複雑な構造を備えた社会派戯曲だ。
2013 年ニューヨークマンハッタンのギャラリーでの写真展。1989 年の天安門事件に居合わせたアメリカ人ジョー・スコフィールドがとらえた一枚の写真が人々の目を引いている。
白いシャツを着て、買い物袋を二つ下げた中国人の男が隊列を組む戦車の前に立っているそれはヒロイズムの写真である
それは抗議の写真である
それはある国を別のある国がとらえた写真である
『チャイメリカ Chimerica』は、1989年の天安門事件で戦車の正面に立ちはだかった非武装の男を近くのホテルから撮影していた米国人フォトジャーナリストが、男のその後を追跡調査しつつ、現代アメリカの問題を浮き彫りにしていく。タイトルは、2007年に歴史家ファーガソンが当時の米中相互依存関係を表した地政学的造語(チャイナ+アメリカ)に基づく。
作者ルーシー・カークウッド(Lucy Kirkwood)は1984年ロンドン生まれ、現在34歳の気鋭の女流劇作家。他の作品としては『チルドレン』が最も有名であり、2016年ロンドン初演、2017年にブロードウェイ進出、今年2018年のトニー賞演劇部門にもノミネートされた。同作品も『チャイメリカ Chimerica』同様に栗山民也演出により、今年2018年9月に世田谷パブリックシアターで上演が予定されている(製作はパルコ)。日本でもカークウッド旋風が巻き起こりそうだ。
出演者・田中圭コメント
幾度かご一緒している共演者と、はじめましての共演者の皆様、そしてはじめましての演出・栗山民也さんです。
信頼している先輩方に相談したら、栗山作品にはぜひ参加したほうがいいとアドバイスをうけるほどの方、挑戦することを決めました!
栗山さんの世界を観たことはあるのですが、飛び込むのは初めてです。最高の共演者と面白い戯曲と。楽しみになりすぎてます。
みんな巻き込んで思いっきり深く飛び込めればなと思っています。頑張ります。
栗山民也(くりやまたみや)*東京都町田市出身。75年早稲田大学演劇学科卒業、80年サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』で演出家デビュー。その後、井上ひさし『日本人のへそ』『國語元年』『闇に咲く花』『黙阿彌オペラ』などを演出、演出家として注目を集める。96年『GHETTO ゲットー』(ジョシュア・ソボル作)の演出で紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞、芸術選奨新人賞を受賞。98年新国立劇場芸術参与、99年『エヴァ・帰りのない旅』(ダイアン・サミュエルズ作)で毎日芸術賞、第1回千田是也賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞受賞、2000年新国立劇場演劇部門芸術監督、02年、第1回朝日舞台芸術賞舞台芸術賞受賞、『喪服の似合うエレクトラ』(ユージン・オニール作)で朝日舞台芸術賞グランプリ受賞。近年の主な演出作品に『頭痛肩こり樋口一葉』『私はだれでしょう』 (こまつ座)、『アドルフに告ぐ』『母と惑星について、および自転する女たちの記録』『DISGRACED』『フェードル』など。