棚橋弘至が『ミケランジェロと理想の身体』展で身体美を披露! プロレス×美術鑑賞、異色コラボの取材会をレポート

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2018.8.28

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新日本プロレスの棚橋弘至が、8月27日、上野・国立西洋美術館で開催中の展覧会『ミケランジェロと理想の身体』(会期:~9月24日まで)に登場。オフィシャル・サポーターとして、ミケランジェロの大理石彫刻《ダヴィデ=アポロ》の前で取材に応じた。

身体美がつなぐ、ミケランジェロとプロレス

今月12日に3年ぶり3度目の「G1 CLIMAX28」覇者となった棚橋。取材会に登場すると、報道陣からは拍手とともに「おめでとうございます!」の声が上がった。

さらさらストレートの髪のイメージがある棚橋だが、この日はウェーブヘア。本展覧会の会場を巡る中で、ヨーロッパの像には直毛がほとんどいないと気がつき、「少しでも(《ダヴィデ=アポロ》の)イメージに近づけるように、いつもより多めに」巻いたとのこと。

棚橋弘至と《ダヴィデ=アポロ》(ミケランジェロ・ブオナローティ、1530年頃、フィレンツェ、バルジェッロ国立美術館蔵

棚橋弘至と《ダヴィデ=アポロ》(ミケランジェロ・ブオナローティ、1530年頃、フィレンツェ、バルジェッロ国立美術館蔵

9月24日まで開催される展覧会『ミケランジェロと理想の身体』は、古代ギリシア・ローマとルネサンスの作品70点を通し、理想の男性美、身体美をとらえようという試み。

司会をつとめたアートテラー・とに~によれば、世界に40点ほどしかないミケランジェロの大理石彫刻のうち2点が来日するのは「奇跡のようなこと」だという。そのうちの1点、ミケランジェロ円熟期の傑作《ダヴィデ=アポロ》を背に棚橋は、サポーターに選ばれたときの心境を次のように振り返る。

「あらゆるスポーツの中でプロレス、しかも棚橋を選んだという目のつけどころ。これはナイス・チョイス! プロレスと美術は繋がりがないものと思っていましたが、『肉体美』というところでつながるじゃん! と。うれしかったですね」

等身大の棚橋が載った展覧会のチラシ 裏面は《ダヴィデ=アポロ》

等身大の棚橋が載った展覧会のチラシ 裏面は《ダヴィデ=アポロ》

プロレスと絡めた美術鑑賞

以下、会見と囲み取材でのコメントをあわせて紹介する。

——《ダヴィデ=アポロ》の身体をプロレスラー目線でみると、どんな印象を受けますか?

鍛えがいがある(笑)。筋肉は鍛えることで、等しく大きくなるものです。でもその形や付き方が人それぞれでなので、一人ひとり必ず違った身体の形になります。《ダヴィデ=アポロ》の場合、西洋人特有のタイプで、大胸筋がやや上め(高い位置)についている身体です。鍛えたらものすごくいい身体になります。

——《ダヴィデ=アポロ》が、プロレスの対戦相手だったら?

隙が多いです。これはもう「足をとってください」みたいなポーズですし(一同、爆笑)。サッととってドラゴン・スクリューで一発です。……、こういう見方でも大丈夫ですか?(笑)

プロレスの対戦相手としては「隙だらけ」

プロレスの対戦相手としては「隙だらけ」

「足をサッととって、ドラゴン・スクリューで一発」のイメージ

「足をサッととって、ドラゴン・スクリューで一発」のイメージ

——アートは、色々な見方があっていいと思います!

彫刻作品は、作品に対して正面の一方向からだけじゃなく、あらゆる角度から見れるんですよね。周りをぐるぐる回りながら、角度を変えて見られる。そこも面白いところですね。プロレスと似ている。リングって360度の方向から見られますから(どう見られるかの)参考になります。

《ダヴィデ=アポロ》のベストアングルを探す棚橋(右) 「ここからなら、ウエストが細く見えるし大腿四頭筋も見える」

《ダヴィデ=アポロ》のベストアングルを探す棚橋(右) 「ここからなら、ウエストが細く見えるし大腿四頭筋も見える」

——格闘技の世界と美術の世界に、共通点を感じることはありましたか?

昔、猪木さんが「プロレスは格闘芸術」という言い方をされていました。筋肉は、プロレスの魅力のひとつとしてあるんですね。僕が新日本プロレスに入門した時に、すでにコーチは引退されていた山本小鉄さんに「いいか、棚橋。プロレスのチケット代の半分は筋肉だと思え」って言われたんです。しっかりとしたコンディションを作り、筋肉を大きくして……と。その言いつけを守ってきたら、僕はここにたどり着きました。

理想の身体をイメージして

——ミケランジェロの美意識に、共感するポイントはありますか?

肉体作りは、つきつめていくと解剖学になるんです。ミケランジェロは大理石像を作る上で、筋肉の付き方をしっかりと理解して作っているから、鑑賞した時にも説得力があるんじゃないかなと思いました。

——ミケランジェロは、死体の解剖もしたという話があります。

やっぱり。すでにトレーニングをしている方も、これから筋肉をつけたい方も、筋肉をどう鍛えて、どうつけたらいいかという話の前に、どういう筋肉があるのかを理解しないといけないんです。それがわかると、「今この筋肉を使っているな」とイメージをしながら動かすことができるようになる。フィットネスの目線でも、この展覧会にあるような彫刻をみることは、すごく大事ですね。

——その身体美をキープする上で心掛けていることはありますか?

「こういう体になるんだ!」という目標となるような、「理想の体のイメージ」をもつことは大事ですね。この展覧会は『ミケランジェロと理想の身体』というタイトルですが、僕も自分の中で、いつまでも自分の理想の肉体像を追い求めていきたいです。

9月劇場公開映画『パパはわるものチャンピオン』で演じる"ゴキブリマスク"のポーズも特別に披露

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大いに盛り上がった会見は「自分の体を理解するということは、これから健康に生きていけるかどうかを考える上で、すごく大事。それに、いつもとは違った文化や価値観に触れるのも、とてもいいことだと思います。プロレスファンの方が『ミケランジェロと理想の身体』に。また、僕がこの展覧会サポーターをしたことがきっかけになり、美術館は来るけれどプロレス会場は行ったことがない方がプロレスに。まったく違うものの交流のきっかけになれば」と来場者へのメッセージで締めくくった。

取材・文・撮影=塚田史香

イベント情報

ミケランジェロと理想の身体
【会期】2018年6月19日(火)~9月24日(月・休)
【会場】国立西洋美術館(東京・上野公園)
東京都台東区上野公園7-7
【開館時間】午前9時30分~午後5時30分(金、土曜日は午後9時まで) ※入館は閉館の30分前まで
【休館日】月曜日 ※ただし、9月17日(月・祝)、9月24日(月・休)は開館
【観覧料】一般:1600円、大学生:1200円、高校生:800円 ※中学生以下:無料
【公式HP】https://artexhibition.jp/michelangelo2018/
【公式twitter】@miche_body
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