米朝一門、桂雀三郎が大阪で恒例の独演会!

インタビュー
2015.11.9

一年の集大成として、「必ず満足させます(笑)!」

ワクワクそわそわ、何かと気ぜわしい年の瀬に笑いでほっと一息ついてみてはいかがだろう。今秋、アクセス便利な大阪駅前サンケイホールブリーゼで、米朝一門落語会シリーズ2015『桂雀三郎独演会』が開催。「一年の勉強会は、すべてこの会のためにやっている!」と雀三郎が一年の集大成に挑む恒例の人気企画だ。

桂枝雀の二番弟子で柔和な笑顔が印象的な桂雀三郎。平均よりやや広めの額に、後ろ髪を一つに束ねたヘアスタイルがトレードマークだ。若い頃にはパントマイムの経験もあり、桂雀三郎withまんぷくブラザーズとして『ヨーデル食べ放題』などのヒット曲も持つ10年選手の歌手でもある。多彩な魅力は落語に還元され、巧みな身体表現にネタの臨場感は増し、落語会とミニライブがセットという会も少なくない。枝雀師匠譲りの爆笑派として名を馳せる、上方落語を代表する落語家のひとりだ。

さて、気になる演目は雀三郎の「遊山船」「崇徳院」「愛宕山」に、雀五郎「転失気」、紅雀「向う付け」を加えた全5演目。ミニライブこそないものの、「愛宕山」では歌も披露する。

雀三郎が大阪で意気込みを語った記者会見の模様を、リライトしてお届けする。

―――今年の独演会の見どころは?

僕の演目だけ紹介させてもらうと、全体として彩りよく楽しんで頂くために、季節感は無視した構成です(笑)。まず一席目はご陽気に「遊山船」、これは真夏の話やね。独演会が毎年11月なので、まだこのネタを見たことないという人もいるので。次の「崇徳院」は大変有名ですし、自分も気に入って前からやっているネタ。最後は春のネタ「愛宕山」で華やかに終わろうという作戦です(笑)。

―――歌も聴き所の「愛宕山」は、サンケイホールブリーゼ独演会では初出しです。

やってなかったのか。昔若いときに京都でやらせてもらって、それで懲りたのかな(笑)。山登りの場面では米朝師匠から、「ほんまに汗かいて、どないすんねん。芸で魅せたらええねん」と言われました。枝雀師匠もそうでしたが、僕らはほんまに息切らして汗だくでやってしまう。芸風の違いでしょうね。この前から自分の中でも、ビンビンに固まってきてるネタなのでやらせてもらいます。歌はアクセントになるからいいですよね。ある程度上手に歌わないと決まらない。丁寧に歌おうと思います。上手くいけば笑いの取れる場面でもあるので。

―――そんなシリーズの冠にもなっている桂米朝師匠が、3月に他界されました。

誤解されたら困るんですが、心境としてはあんまり悲しくない。ほんまに凄い人やったから、生きていても“雲の上の人”。映像や書籍もたくさん残っていますし、何も変わらない。僕の中では、亡くなってはらへんという感じです。

―――とくに心に残っている米朝師匠とのエピソードは。

その都度いろんなこと教わりました。印象に残っているのは、とにかくネタは1日1本ペースで片っ端から覚えるだけ覚えろと。それはある意味正しい。最後は人間性やとも言われました。ほんまにそうやなと思います。以来、清く正しく美しくあろうと努めてきました(笑)。同期もどんどん減っていく中で、焦りもあります。元気なうちにやるべきことは、やらなアカン。運よく生き残った者の責任もあると思う。無念やったやろな、と思う人も大勢いますからね。

―――今後やってみたいネタは?

新作にも興味はある一方、これまで1,2回やってそのままというネタもある。その辺にも力を入れ直さないといけないなと。例えば「百年目」とか、自分が若いころには到底できないネタやと思ってましたけど、年齢を重ねる中である程度納得できるところまで固まってきたので。また、枝雀師匠が得意だった「日和ちがい」。最近やる人がめっきり減ったけど、あれは師匠のような個性がないとしんどい。ネタはそこまで面白くないので。とはいえ滅びる前に、一門のネタとして語り継いでいかなあかんなと思う。

―――最後にお誘いのメッセージをお願いします。

60代も半ばを過ぎて、日常生活では「よっこらしょ」と声に出すこともあるけど(笑)、落語における体力は衰えてない。今年も、いかに笑ってもらうか。自分なりのギャグ、テンポ、話の持っていき方を試行錯誤して日頃の勉強会で試してる。何度も試すことで見えてくるものがあるので。独演会はそれらの成果を披露する場所。全部新作落語とはいかないが、その都度ギャグを考えるのは好きなので。必ず満足して笑って帰ってもらえる、楽しい会にしたいですね!

イベント情報
米朝一門落語会シリーズ2015『桂雀三郎独演会』

■日時:2015年11月28日(土)14:00開演(13:30開場)
会場:サンケイホールブリーゼ
出演:桂雀三郎、桂紅雀、桂雀五郎

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