矢沢永吉の初主催フェスで氣志團、MIYAVI、スカパラらが4時間30分の熱き競演! 2万人が集結した『ONE NIGHT SHOW 2019』
『ONE NIGHT SHOW2019』 PHOTO:ほりたよしか
矢沢永吉が初主催する音楽フェス『ONE NIGHT SHOW 2019』が7月6日(土)に千葉・幕張メッセで開催された。
同フェスには、氣志團、MIYAVI、東京スカパラダイスオーケストラ (Guest 奥田民生)、KREVAらが参加。矢沢と5組の熱き競演は、集まった20,000人のオーディエンスを酔わせた。
氣志團 PHOTO:ほりたよしか
1組目に登場したのは、氣志團。COMPLEXの「Be My Baby」のSEにのって登場し、1曲目は東京スカパラダイスオーケストラの30周年トリビュートに収録されたインスト・ナンバー「砂の丘~Shadow on the Hill~」をプレイ。続いて、矢沢永吉のカヴァー曲「Rockin' my heart」と、同イベントに寄せた選曲を続けて客席を沸かせる。
氣志團 PHOTO:ほりたよしか
「こんなイベントに出られて死んだ父親や、木更津の母親、僕に矢沢永吉を教えてくスナックのマスターに知らせてやりたい!」と、『ONE NIGHT SHOW 2019』に出演できたことへの喜びを興奮気味に叫ぶ。そして、披露したのが、CAROLの名曲「ファンキー・モンキー・ベイビー」だ。詰めかけた矢沢ファンを歓喜させ、場内が大変な盛り上がるをみせる中、最後は「緊張していて矢沢さんのことを永ちゃんと言っちゃってスミマセン」と猛省する一幕も。
MIYAVI PHOTO:ほりたよしか
MIYAVIは、真っ白なルーズ・フィットのスーツで16時55分にステージに姿を現した。3ピース編成とは思えないほどの破壊力ある演奏で、超絶テクをグイグイときかせる。4曲目の「Strong」では、ゲストでKREVAが参加。ギターとヴォーカルが火花を散らすような激しいぶつかり合いを見せ、客席を圧倒する。矢沢と誕生日が同じだというMIYAVIは、「勝手に親近感を感じてました。後ほど会えるのを楽しみにしています!」と話し、7月24日にリリースされるニューアルバム『No Sleep Till Tokyo』収録のタイトル曲を演奏し、35分のステージを駆け抜けた。
MIYAVI PHOTO:ほりたよしか
東京スカパラダイスオーケストラは、メンバー全員が白いスーツ姿でライブをスタート。アルコール飲料のCMにも使われたおなじみの曲「DOWN BEAT STOMP」で、まずは客席を掴み会場を一挙にスカパラ色に染めていく。「Paradise Has No Border」の後半には、奥田民生が登場。オール・ホワイトのスカパラに対し、奥田は赤いシャツにブラック・スーツ、サングラスとハットという出で立ち。ドラマ『探偵物語』の松田優作を彷彿させるスタイルで同曲のサビ・パートをギターで弾こうと試みるも音が出ず、急遽ヴォイスで「Da Da-Da Da Da!」と参加することに。このアクシデントに奥田は、松田優作風に「なんじゃ!こりゃ!」と叫んで場内から笑いを誘い、ユニコーンの「スターな男」に「美しく燃える森」と一気に聴かせていく。
東京スカパラダイスオーケストラ PHOTO:ほりたよしか
谷中敦はスカパラの30周年を振り返り、「みんなで何とか進んで行けるよう活動してきました」と、オーディエンスに感謝を伝える。最後はロシア民謡でおなじみの「ペドラーズ」を、ビートをきかせた超ハイ・スピードで演奏し、ステージを降りる。
東京スカパラダイスオーケストラ、奥田民生 PHOTO:ほりたよしか
東京スカパラダイスオーケストラ、奥田民生 PHOTO:ほりたよしか
トリ前はKREVA。1曲目の「パーティはIZUKO?」からテンションを上げていく。「盛り上がってるパーティはIZUKO?」と振ると、オーディエンスは大きく右腕を振り上げ、「ここだ!」と叫ぶ。冒頭からステージと客席を一体化させるパフォーマンスはさすが。ロックン・ロール系の観客が多い中、この日唯一のHIP HOP系アーティストで参加したKREVAにとっては、いわばアウェイ環境だ。
KREVA PHOTO:ほりたよしか
しかし、初めてHIP HOP/RAPを観るオーディエンスに対しても、「初回から最上級のラップを観られる皆さんはラッキー!今日から俺が"基準"です!」と「基準」になだれ込んでさらに会場を沸かす。ラスト・ナンバーでサビ部分になると、スクリーンに「Na Na Na!」と文字が映し出され、オーディエンスも拳を上げて大合唱。最後まで観客を虜にする、圧倒的なパフォーマンスを続けた。
KREVA PHOTO:ほりたよしか
KREVAのステージが終わると、場内からは「永ちゃん!永ちゃん!」の大コールが始まる。驚いたことに転換時間を経て矢沢が登場するまでの約20分、変わらぬパワーでコールが続いていた。
矢沢永吉 PHOTO:ほりたよしか
19時43分、いよいよ矢沢永吉が現れる時。テンションがすでにマックスとなった会場がボスを迎え入れる。ステージは、イベントタイトルでもある「ワン・ナイト・ショー」で始まり、広い幕張メッセの会場が20,000人の地響きで揺れる。矢沢はアップチューンを3曲続け、4曲目には「夏の夜はこの曲だよね」と、ミディアム・テンポのバラード「SEPTEMBER MOON」を披露する。スクリーンに南国の夕景が映し出されると、演奏もミニマムに抑え、矢沢は歌をじっくりと聴かせる。そして、「もうすぐ70歳になります。70過ぎてバリバリのロックシンガーは海外だとミック・ジャガーらがいるけど、日本にはまだいません」と一呼吸置いて、「俺やります!ヨロシク!」。これには会場から凄まじいまでの歓声があがり、「SOMEBODY'S NIGHT」「ラスト・シーン」と艷やかに歌っていく。
『ONE NIGHT SHOW2019』 PHOTO:ほりたよしか
ここで、羽鳥慎一アナと日本テレビ・水卜麻美アナがステージに登場。この日放送されていた『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)の中継が入る。隣の会場にいた番組司会の嵐・櫻井翔から、「長く続く秘訣は?」と問われると、矢沢は「こういう仲間たちとずっと一緒にやれる音楽の素晴らしさ!」と答え、「Ha〜Ha行くぞ!」と「止まらないHa〜Ha」へなだれ込む。全員がタオルを上に投げることで知られるこの定番中の定番曲では、スカパラのホーン隊、MIYAVIがギターで奥田民生、綾小路翔にKREVAがコーラスでジョインする豪華すぎる共演が実現。矢沢はゲストを送り出した後、ラストはバラード・ナンバー「YES MY LOVE」で締める。ステージを降りる際、少し客席を振り返り、軽く手を挙げて去っていく後ろ姿は、ゾクゾクするほど格好が良かった。
矢沢永吉 PHOTO:ほりたよしか
5組のミュージシャンが参加し、4時間30分に及んだ『ONE NIGHT SHOW 2019』は幕を閉じた。また、この日70歳を記念し、7年ぶりとなるオリジナル・アルバム『いつか、その日が来る日まで...』が9月4日にリリースされることも発表された。
矢沢永吉 PHOTO:ほりたよしか
セットリスト
リリース情報
初回限定盤B(DVD) 4,500円