幻灯劇場が野村善文とタッグを組み、第四回せんだい短編戯曲賞大賞作品『ミルユメコリオ』を上演
京都を拠点に活動する幻灯劇場が、2019年8月9日(金)から12日(月・祝)にかけて、京都市東山青少年活動センターで『ミルユメコリオ』を上演する。
この作品は幻灯劇場を主宰する劇作家の藤井颯太郎が劇団を旗揚げするにあたって書き下ろし、2016年に第四回せんだい短編戯曲賞大賞を史上最年少(当時20歳)で受賞したものだ。今回は受賞後初の同作品のリクリエーションとなり、フィラデルフィアを中心に活動するセノグラファー・野村善文氏とタッグを組む。
幻灯劇場は「祈り」と「遊び」をテーマに創作をする演劇集団で、映像作家や俳優、ダンサー、写真家などジャンルを超えた作家が集まり、関西の若手劇団として注目されている。2018年に日本の演劇シーンで活躍する人材を育てることを目的として京都に新設されたプログラム『Under30』に採択され、2021年までの3年間で京都府立文化芸術会館などと協働しながら作品を発表していく予定だ。
主宰・藤井颯太郎のコメント
この作品は18歳の冬、劇団の旗揚げの為に書きあげた作品です。そのころの僕には漠然とした『東京』への憎悪がありました。滋賀県の⽥んぼの真ん中で育ち、ミュージカル俳優を⽬指していた僕は「東京へ⾏かなきゃプロになれないよ」と⾔われて育ちました。「東京へ⾏かなきゃ演劇続けられないから」と⾔い残して上京した演劇仲間がプロになり、疲弊し、戻ってきた地元で演劇と関わらない⽣活を送る姿も⾒てきました。東京は夢を叶える場所であると同時に夢がついえる場所でもありました。そうやって、⼤切な⼈を奪っていく『東京』への憎悪 は年々積もっていき、この作品は書かれました。『少⼥が東京と出会い、夢を叶え、夢がついえていくまで』の物語です。夢を叶えることも、夢を潰えることもできないまま、24歳の僕は演出します。
【藤井颯太郎プロフィール】
劇作家・演出家・俳優 2002年、6歳の時宝塚の演出家中村暁の作品『Legend』で初舞台を踏む。 2013年、宝塚北⾼校演劇科へ在学中、幻灯劇場を旗上げ。18歳の時に書いた戯曲『ミルユメコリオ』 で第四回せんだい短編戯曲賞を史上最年少受賞。2017年⽂化庁⽂化交流事業の⼀環で⼤韓⺠国演劇祭 へ招致され『56db』を製作し、⼆カ国四都市で上演。 ジャポニズム2018伊藤郁⼥×森⼭未來『Isitworthtosaveus?』にシナリオで参加。主な受賞: 『ファントムペインに⾎は流れるか』第⼆回ハイスクールOMS戯曲賞佳作受賞、 『名作マイフェアレディと原作ピグマリオン』第⼀回⾼校⽣劇評グランプリ優秀賞受賞 、『⻁と娘』京都学⽣演劇祭⼤賞受賞、『⽣贄』⼤阪短編学⽣演劇祭観客賞⼀席、『DADA』全国学⽣演劇祭⼆位、『56db』名古屋学⽣演劇祭審査員推薦枠選出、『ミルユメコリオ』第四回せんだい短編戯曲賞受賞。現在、2019年4⽉からラジオKissFMKOBE「STORYFORTWO」にレギュラー出演中 毎週⼟曜⽇21時55分から放送。
平均年齢79.4歳。少⼦⾼齢化が来るとこまで来てしまった町・オワリ。 町にただ⼀⼈残る10代の少⼥・夢⼦は、⺟親と花屋を営みながら⾏⽅不明になった⽗親が帰ってくるのを待っている。⽣物学者の⽗は、ミルメコリオを探しに⾏ったアフリカで姿を消したと聞かされ育った夢⼦だが、本当のところ⽗は、⾃分と⺟親を捨て東京の⼥と蒸発したのだという真実を知っていた。店を継がされ ⾝動きができなくなる前に、夢⼦は東京へ⽗親を探しにいく。
公演情報
■野村善⽂⽒公式ページ:https://yoshinomura.com