古楽アンサンブル アントネッロが『没後 500 年 レオナルド・ダ・ヴィンチ 音楽の謎解き』を上演 食やワインを楽しめるマルシェも同日開催

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クラシック
2019.9.30
古楽アンサンブル アントネッロ(左から)濱田 芳通 石川 かおり 西山 まりえ

古楽アンサンブル アントネッロ(左から)濱田 芳通 石川 かおり 西山 まりえ

2019 年 10 月 12 日(土)、神奈川県立音楽堂において古楽アンサンブル アントネッロによる 『没後 500 年 レオナルド・ダ・ヴィンチ 音楽の謎解き』が開催される。午後のひとときを出演者の楽しい話といっしょに本格的なクラシック音楽を楽しむ『音楽堂アフタヌーン・コンサート』シリーズで、今回は音楽だけでなく、美術、歴史好きも楽しめるコンサートが届けられる。

古楽とは、クラシック音楽が作曲された時代の楽器や演奏法に忠実に、古い音楽を現代に生き生きと蘇らせる探究を続けるジャンル。アントネッロは、古楽のアンサンブルとして常に先端を走り、海外からも高い評価を受けており、今回500 年に一度のプロジェクトに挑戦する。

テーマは、今年没後 500 年を迎えるレオナルド・ダ・ヴィンチ。美術をはじめ自然科学などあらゆる学術分野で縦横無尽に活躍しただけでなく、ミラノ公の御前でヴァイオリンの祖先リラ・ダ・ブラッチョを奏で、自ら設計したその楽器を献上、さらにオペラをプロデュースするなど音楽の才能も発揮していたことが、数々の資料から垣間見える。

アントネッロは、クラシック音楽のコンサートではなかなかみることのできないルネサンス期当時を復元した楽器(古楽器)を使って、レオナルド・ダ・ヴィンチ自身が作曲した曲もふくめた当時の音楽や歌、さらにレオナルドが生きた時代のスタイルで踊る「ルネサンスダンス」も交え、9 名の出演者でルネサンス時代の世界を再現する。ふだんクラシックを聴かない人にも聴きやすい、街角で吟遊詩人が奏でていたような古楽器独特のやさしい音色とあわせ、アントネッロのリーダー、濱田芳通による楽器やその時代の芸術スタイルなどについての解説つきで楽しめる。

また音楽堂ホワイエでは、同じ日に食やワインを楽しめるマルシェも開催される。地元のイタリアンレストランや福祉作業所による食べ物やワイン、ドリンクがその場で味わえるイートインのほか、レオナルド・ダ・ヴィンチが生まれたイタリア・トスカーナ地方のヴィンチ村のワイナリーで製造するワインの試飲コーナー、神奈川県立図書館の収蔵図書から、ルネサンスやイタリアをテーマにした書籍を紹介するコーナー、アントネッロのメンバーも含めたルネサンスやイタリアをテーマにしたミニパフォーマンスなどを予定している。 誰でも入場無料、出入り自由とのことなのでチェックしてみよう。

■コンサート出演者プロフィール

●古楽アンサンブル アントネッロ
 1994 年の結成以来、<作品が生まれた時のスピリット>を大切に、躍動感、生命力が備わった音楽の持つ根源的な魅力を明確にする。これまでリリースされた CD は、いずれも各メディアから 常に最先端の古楽グループとして高い評価を受ける。演奏は海外からも注目され、海外レーベルからリリースした CD は全ヨーロッパで絶賛された。クラシック音楽の既成概念の枠を超えて純粋 に『音楽性』を求めるその企画、作品は音楽誌のみならず各メディアで数多く取り上げられ、クラシック音楽ファン以外からも注目と共感を集めている。ホテルオークラ賞はじめ受賞多数。アントネッロは音楽家レオナルド・ダ・ヴィンチを早い時期から取り上げており、2007 年東京国立博物館 特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」では、ダ・ヴィンチの絵画<受胎告知>をバックに 演奏するなど、各地にて関連演奏会を行っている。

濱田 芳通(リコーダー/コルネット/音楽監督)
我が国初の私立音楽大学、東洋音楽大学(現東京音楽大学)の創立者を曾祖父に持ち、音楽一家の四代目として東京に生まれる。桐朋学園大学古楽器科卒業後、スイス政府給費留学生としてバーゼル・スコラ・カントールムに留学。コンチェルト・パラティーノ、アンサンブル<ラ・フェニーチェ>のコンサート及び録音に参加するなど、ヨーロッパ各地で活躍する。近年、オペラ創世記の作品を中心に上演するプロジェクト<オペラ・フレスカ>を立ち上げ、これまでに G.カッチーニ作曲「エウリディーチェ」を本邦初演、本年 8 月にはレオナルド・ダ・ヴィンチが総合プロデュースしたとされるオペラ「オルフェオ物語」を蘇演予定など、精力的な活動を行っている。著書「歌の心を究むべし」(アルテスパブリッシング)。古楽アンサンブル<アントネッロ>代表。

石川 かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
山梨大学教育学部在学中、故大橋敏成氏の指導のもとにヴィオラ・ダ・ガンバを始める。同大学卒業後、バーゼル・スコラ・カントールムに留学。ヴィオラ・ダ・ガンバ をジョルディ・サヴァール、パオロ・パンドルフォ、平尾雅子、フィーデルをランダル・クック、アンサンブルをクリストフ・コワン、ホプキンソン・スミス、コンラー ト・シュタイマンの各氏に師事。また、ヴィーラント・クイケン、ロレンツ・ドゥフ トシュミットの各氏にレッスンを受ける。エンリコ・ガッティ、ウィリアム・ドンゴワの各氏等と共演する等、通奏低音奏者及びソリストとして活躍中。2009 年、CD 「ユーモラス・トビー(ドバイアス・ヒューム作品集)」を発売。武蔵野音楽大学非常 勤講師。

西山 まりえ(ヴァージナル/ルネサンス・ハープ)
チェンバロとヒストリカル・ハープ、2 種の古楽器を自在に操る希有なプレーヤーとして世界的に知られ、数多くのコンサート、音楽祭や録音に参加。国内レーベルへの録音も多く、その多くが「レコード芸術」誌特選盤や朝日新聞推薦盤に選ばれる等高く評価されている。東京音楽大学ピアノ科卒業、同大学研究科修了後、ミラノ市立音楽院、バーゼル・スコラ・カントールムに留学。第 11 回山梨古楽コンクール・チェンバロ部門 第 1 位(第 23 回同コンクール審査員)および栃木[蔵の街]音楽祭賞受賞。古楽ワークショップ「信州アーリーミュージック村」芸術監督。2017 年より武蔵野音楽大学チェンバロ科非常勤講師。レコード芸術「読者が選ぶピープル 2007」、 HMV「2008 年 度期待のアーティスト5名」に選出される。

 

天野 寿彦(リラ・ダ・ブラッチョ)
ヴァージニア州立ウイリアム・アンド・メアリー大学卒業後、東京藝術大学音楽学部を経て、同大学 大学院修士課程を修了。バッハ・コレギウム・ジャパン、アントネッロなど国内主要古楽アンサンブルの公演、録音、TV 収録に参加。ヴァイオリンを若松夏美、A.ベイエの各氏に師事。バルバスト (仏)の古楽講習会に A.ベイエ氏の助手として招聘を受ける。近年はヴィオラ・ダ・ガンバの平尾雅 子氏らと共に年2、3回の自主企画公演を行う他、ルネサンス期の弦楽器リラ・ダ・ブラッチョの研 究、演奏も手がける。サイモン・スタンディジと仲間たち主宰。アルル音楽教室、アイゼナハ音楽院 バロックヴァイオリン科講師。

濱元 智行(パーカッション)
大学時代にガムランと出会い、バリ島への渡航を重ね研鑽を積む。現在、「架空の南の島のお祭り音楽」をテーマに国内外で話題の「滞空時間」、バリ・ガムラン古典「SIDHA KARYA」、立岩潤三・大石竜輔とのパーカッション・トリオ「Barbe et Lunettes」、YOSHIMI(BOREDOMS, OOIOO)ヨシダダイキチ(シタール奏者)秋田ゴールドマン(SOIL & "PIMP" SESSIONS)とのユニット 「SAICO BAB」などで活躍中。

阿部 雅子(ソプラノ)
国立音楽大学後期博士課程声楽領域修了、博士号(音楽)取得。ヘンデル《メサイア》(外山雄三指揮)、ベートーヴェン《第九》(同指揮)、モンテヴェルディ《ポッペーアの戴冠》、モーツァルト《イ ドメネオ》、ロータ《かしこいリス》(日本初演)、アントネッロ《エソポのハブラス》などに出演。イタリア初期バロックの音楽を中心に活動する傍ら、N響団友会との共演や、イタリアで開催された AMI Festival(2012)、NYの国連イベント日本歌曲コンサート(2014)への出演など、幅広く活躍の場を広げている。2018 年 7 月に OMF レーベルから「Ego flos campi わたしは野の花」(レコー ド芸術誌/準特選盤)をリリース。

中嶋 克彦(テノール)
福岡教育大学音楽科卒業。東京藝術大学大学院修士課程オペラ科修了。同大学院博士課程オペラ科修了、博士号取得。2012 年より文化庁在外派遣研修員としてドイツに1年間留学、マインツ音楽大学 のバロック声楽コースにて研鑽を積んだ。第 50 回東京藝術大学大学院オペラ定期モーツァルト『コ シ・ファン・トゥッテ』のフェルランド役でオペラデビュー。その後、チマローザ『秘密の結婚』(パオ リーノ)、モーツァルト『魔笛』(タミーノ)、ロッシーニ『セビリャの理髪師』(アルマヴィーヴァ伯)、ヴェルディ『椿姫』(アルフレード)『ファルスタッフ』(フェントン)など、また新国立劇場においては、R.シュトラウス『サロメ』、ビゼー『カルメン』、プーランク『カルメル会修道女の対話』などに出演するほか、コンサートや宗教曲のソリストとしても定評があり、清々しい美声と確かな歌唱力で好評を博している。

●カメラータ・エテルナ(ルネサンスダンス)

聖和 笙
クラシック・バレエを 故 小川亜矢子氏に学び、日本においてロジャース夫妻のルネサンスダンス講習、キャサリン・トゥロシー氏のバロック・ダンス講習を受講。多くのルネサンスならびにバロック・ダンス公演に参加。ヨーロッパのダンスに感銘を受け、イタリアでルネサンスダンス、フランスでバロック・ダンスを学び、2017 年にはヴェルサイユ宮殿オペラ・ロワイヤル・ホワイエで踊る。15 世紀から 18 世紀のヨーロッパ宮廷におけるダンスの研究を行い、バロック・ダンス・カンパニー 「テアトル・ド・ヴェルサイユ」、ルネサンス・ダンス・カンパニー「カメラータ・エテルナ」を主宰。舞踏会、講習会を開催し、様々なイベントにも参加している。

和泉 百合
清泉女子大学文学部文化史学科卒業。 15 世紀のフィレンツェを中心として活躍した画僧、フラ・アンジェリコの作品における精神性の読解を試み、中世からルネサンスの図像学、神学の研究を行う。女優として第 17 回池袋演劇祭で日本映画俳優協会賞を受賞した。その後、ルネサンス時代のダンスに興味を持ち、聖和笙氏に師事。氏が主宰する「カメラータ・エテルナ」、「テアトル・ド・ヴェルサイユ」に参加。

公演情報

ダ・ヴィンチ没後500 年 連携企画 音楽堂アフタヌーン・コンサート〔秋〕
古楽アンサンブル アントネッロ 『没後 500 年 レオナルド・ダ・ヴィンチ 音楽の謎解き』
 
 
■日時:2019 年 10 月 12 日(土)14:00 開演 13:30 開場
■会場:神奈川県立音楽堂
■曲目:レオナルド・ダ・ヴィンチ/愛だけがそれを思い出させてくれる ロレンツォ・デ・メディチ/ラウラ 、ドメニコ・ダ・ピアチェンツァ?/バッロ《恋人》 ジョスカン・デ・プレ/スカラメッラは戦争に行く ヤコブ・アルカデルト/マルゴはぶどう畑を耕すよ 他 ■出演 <アントネッロ(古楽アンサンブル)>  濱田 芳通(リコーダー/コルネット)  石川 かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)  西山 まりえ(ヴァージナル/ルネサンス・ハープ)  天野 寿彦(リラ・ダ・ブラッチョ)  濱元 智行(パーカッション)  阿部 雅子(ソプラノ)  中嶋 克彦(テノール)
<カメラータ・エテルナ(ルネサンスダンス)> 聖和 笙 和泉 百合
■入場料金:[ 全席指定(税込)] 一般:3,500 円 学生(24 歳以下):2,500 円 *車椅子席有り(付添 1 名無料)*未就学児童の入場は、ご遠慮ください。託児サービス有り。

イベント情報

イタリア&ルネサンスマルシェ  横浜・紅葉ケ丘五館連携事業
『紅葉ケ丘まいらん 2019・秋』参加
 
■日時:2019 年 10 月 12 日(土)10:00~17:00
■入場無料/出入り自由
■会場:神奈川県立音楽堂ホワイエ
■内容
●地元イタリアンレストランや神奈川県内の福祉作業所による手作りパン、お菓子、イタリアンフード、 ドリンク、ワイン等の販売とイートインコーナー
●イタリア・トスカーナ、ヴィンチ村のワイン「レオナルド」試飲コーナー(数量限定)
 ●神奈川県立図書館の所蔵図書から「イタリア」「ルネサンス」「芸術」をテーマにしたブックコーナー
●ミニパフォーマンス ※時間変更の可能性もあり 11:00~11:30「イタリアをテーマにしたミニパフォーマンス」  出演:岡村正子(ソプラノ) 米山水浦( ヴィオラ・ダ・ガンバ) Sayumi(パーカッション、鍵盤ハーモニカ他) 12:30~12:50「音楽家レオナルド・ダ・ヴィンチ」  出演:天野寿彦(リラ・ダ・ブラッチョ)&乙顔有希(歌/ゴシック・ハープ)
●前川建築見学ツアー in 音楽堂(要事前予約)10:00~11:00
*コンサートへはがないと御入場いただけません。
 
●開場/開演にあわせて JR「桜木町」駅バスターミナルから無料バスを運行 〔10 月12日(土)発車時刻〕  ① 11:45 ②12:00 ③12:15 ④12:30 ⑤12:45 ⑥13:00 ⑦13:15 ⑧13:30 ⑨13:45 ◎乗車口横に「神奈川県立音楽堂」の掲示のある横浜市営バスです。
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