ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B’wayミュージカル非公式ガイド【2019年11月編】

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2019.10.30

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イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出による『ウエスト・サイド・ストーリー』リバイバルという大作のみを残し、今月で秋の新作ミュージカルがひと通り出揃うブロードウェイ。秋の新作はそもそも期間限定公演だったり、客入りが悪くて年を越せなかったりすることが多いため、最大の開幕ラッシュである春に照準を合わせると、年1回の渡航では観逃がしがちだ。今年もその状況に変わりはなさそうで、『フリースタイル・ラブ・シュプリーム』は1月まで、『アメリカン・ユートピア』は2月までと最初から決まっているし、『パーシー・ジャクソン』は目下のところ大爆死中。『ムーラン・ルージュ!』と『ティナ』は安泰と見ているが、今月オープンの『ジャグド・リトル・ピル』はどうなのだろうか? 「私が行くまで待ってて」と念を送りつつ、そろそろ次の渡航計画を立てたい今日この頃だ。

Q.気を付けたいマナーは?

ブロードウェイの客層は基本的に、奔放なアメリカ人と玉石混交の観光客から成っているので、日本ほどマナーにうるさくはない印象。開演中に喋る、食べる、前に乗り出す、携帯を鳴らす、写真を撮るなどはわりと日常茶飯事なので(もちろん禁止はされているし、客同士で注意しあう光景はよく見かける)、お行儀の良い我々日本人は普段通りにしていれば、目くじらを立てられることはないだろう。逆に、拍手歓声指笛が大好きな人々に混じると大人しすぎて浮いてしまう可能性はあるが、無理して盛り上がる必要もないと思っている。

服装についても、本当に色々な人がいるので、めかしこみたければめかしこんでもいいし、Tシャツにサンダルで行っても追い帰されることはないという感じ。ただし、演目によっては身なりの良い紳士淑女しかいないこともあり、ミュージカルだとヴィヴィアン・ボーモント劇場の演目に要注意だ。オペラハウスやジュリアード音楽院と同じリンカーン・センター内にあるせいか、どの演目がかかっている時に行っても、わりとみんなちゃんとしていた記憶。渡辺謙の『王様と私』も、そんな上品な雰囲気の中で上演されていた作品のひとつだ。

ザ・劇場街からはちょっと離れたところにあるリンカーン・センター

ザ・劇場街からはちょっと離れたところにあるリンカーン・センター

基本的に日本と同じマナーで臨めば問題ないと思っている中で、気を付けたいことが二つほど。一つは単純に、外国人は概して体格がいいので、前を通る人が「Excuse me」と言って来た時には身を縮めるだけではなく立ちましょうということ。そしてもう一つは、寝ないようにしましょうということ…。日本人はもともと居眠りしやすい民族(筆者調べ)である上に、日米間は時差がエグいので観劇中に眠くなりがち。防ぎようのない時もあることは身を持って経験済みだが、せめて舟だけは漕がないよう、万全の対策を施して臨みたい。

【今シーズンの新作】

■11月に始まる作品

『Jagged Little Pill』11月3日プレビュー開始/12月5日開幕
アラニス・モリセットの同名アルバムをミュージカル化。『ピピン』の演出家の最新作。
https://jaggedlittlepill.com/

 

■既に上演中の作品

『David Byrne’s American Utopia』
ミュージカルではなく「一生に一度の」「シアトリカルなコンサート」とのこと。果たして。
https://americanutopiabroadway.com/

『Freestyle Love Supreme』
『ハミルトン』のT・カイルとLM・ミランダがプロデュースする即興(!)ミュージカル。
https://freestylelovesupreme.com/

『The Lightning Thief』
ファンタジー小説「パーシー・ジャクソン」シリーズが原作。ツアーを経てBW入り。
https://www.lightningthiefmusical.com/

『ムーラン・ルージュ!』
バズ・ラーマン監督映画をアレックス・ティンバースが演出する話題作。人気沸騰中!
https://moulinrougemusical.com/

『Tina:ザ・ティナ・ターナー・ミュージカル』プレビュー中/11月7日開幕
ロンドンでの好評を受けてBW入り。オリヴィエ賞ノミネートの主演女優が続投!
https://tinaonbroadway.com/

【ロングラン作品】

■日本で既に上演された/されている作品

『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/

『シカゴ』
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。出来は割とキャスト次第。
https://chicagothemusical.com/

『ライオンキング』
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/

『オクラホマ!』
1943年初演の名作を21世紀の解釈でリバイバル。2019年トニー賞。来年1月19日まで。
https://oklahomabroadway.com/

『オペラ座の怪人』
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/

『ウィキッド』
開幕から15年が経ち、ようやくチケットに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/

■日本未上演の作品

『Ain’t Too Proud』
『ジャージー・ボーイズ』チームが描くテンプテーションズの軌跡。振付とキャストが最高。
https://www.ainttooproudmusical.com/

『ビートルジュース』
ティム・バートン監督映画の舞台化。原作を知らないとノリについていけない可能性高し。
https://beetlejuicebroadway.com/

『ブック・オブ・モルモン』
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/

『カム・フロム・アウェイ』
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/

『ディア・エヴァン・ハンセン』
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/

『アナと雪の女王』
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、生レリゴーは最高。日本での上演が決定!
https://frozenthemusical.com/

『Hadestown』
『グレコメ』の演出家が現代的に描くギリシャ神話。2019年のトニー賞で8冠を達成。
https://www.hadestown.com/

『ハミルトン』
開幕5年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/

『ミーン・ガールズ』
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/

『トッツィー』
主演俳優を筆頭に大変チャーミングな舞台。東宝出資中につき、日本版妄想も進む。
https://tootsiemusical.com/
 
『ウェイトレス』
同名映画の舞台化。完全に女子向け。来年1月5日でのクローズが決定。
https://waitressthemusical.com
 

【11月のミュージカルイベント】

劇場街から徒歩圏内にある世界最大級のデパート「メイシーズ」の主催により、毎年感謝祭の日に行われる「メイシーズ・サンクスギビング・デー・パレード」。アメリカ国内に数ある感謝祭パレードの中でも特に規模が大きいことで知られ、毎年NBCとCBSで生中継されるほどの“国民的イベント”だ。またニューヨークらしく、毎年いくつかの新作ブロードウェイ作品からキャストが参列したり、メイシーズ前でパフォーマンスを行うことでも有名。果たして、今年11月28日のパレードに姿を現す作品は――? 続報に注意したいとともに、もし当日ニューヨークにいるならぜひとも生で体感したいイベントだ。

https://www.macys.com/social/parade/

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