SPICEアニメ・ゲーム班オススメ!今だからこそ観たい!家で楽しめるアニメ三選 Vol.3

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2020.4.15
SPICEライター特選!オススメアニメ作品

SPICEライター特選!オススメアニメ作品

4月7日に発令された「緊急事態宣言」に伴い外出の自粛、自宅待機が続いていますが、そんな時こそお家で楽しめるアニメ作品を見るチャンスに変えていこう!ということで、SPICEアニメ・ゲームジャンルのライター・編集陣が総力を決して「今お家で楽しめるアニメ三選」をお届けします!(配信状況は執筆時のものです)


Vol.3選者:丸本大輔

フリーのライター兼編集者。アニメの制作スタッフや声優へのインタビューを中心に、SPICE、エキサイトレビューなどのWEBメディア、公式ムック本などの紙媒体で活動。4月からNHK Eテレで放送中の『銀河英雄伝説Die Neue These』では、オフィシャルライターを担当。最近はアニメだけでなく、VTuberの配信を観るのも日課になっている。

オススメ作品①
『SHIROBAKO』
(Netflix、Amazon Prime Video、dアニメストア他)

TVアニメ『SHIROBAKO』BD&DVD第5巻 発売中CM

2008年の『true tears』以降、毎年コンスタントに良質な作品を作り続けている富山のアニメ制作会社「P.A.WORKS」の代表作の一つ。上山高校アニメーション同好会の仲間と、また一緒にアニメを作るという夢を抱いて、アニメ制作会社「武蔵野アニメーション」に就職した宮森あおいを中心に、アニメ作りに携わる人々の姿を描いたオリジナル作品です。

2014年10月~2015年3月に全24話が放送されて以降、続編制作が期待されてきた人気作で、今年の2月29日にはファン待望の完全新作『劇場版SHIROBAKO』が公開されました(4月10日現在も上映中)。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大と公開時期が重なり、映画館の休館も相次いだため、興味はあったのにまだ観ることができてない人も多そう。筆者も、週替わり来場者特典のコンプを狙おうかというほど楽しみにしていましたが、まだ2回しか観られていません。
誰もが気軽に映画館へ行ける世界に戻った時、さらに多くの人と一緒に劇場版を観て盛り上がりたいという願いを込めて、ここではテレビシリーズを紹介します。

「アニメを作る人たちのアニメ」ということで、業界事情にも詳しいコア層向けの作品と誤解されることもありますが、実際は業界に関する知識が無くても気軽に楽しめるお仕事もの。働くこと。何かを作ること。夢をかなえようとすること。その楽しさや大変さを、人間関係や感情の面はリアルに、映像表現的には若干のファンタジーも加えながら描いています。

また、宮森の役職「制作進行」が、各セクションを繋ぎ、スケジュール管理もする何でも屋的ポジションのため、宮森視点で物語を追っていくと、制作開始から放送局への納品まで、テレビアニメ制作の舞台裏を自然と知ることができます。実際、本作の放送後、制作進行を希望してアニメ業界に飛び込んで来た人が増えたとか。

現在は、ほとんどのアニメが多くの企業やフリーのスタッフによる集団作業で作られているため登場人物が多く、群像劇としても楽しめる本作。筆者の推しキャラは、強気な性格ながら実は優しい姉御肌で、後輩の宮森や武蔵野アニメーションを支える金髪ツインテールの矢野エリカと、宮森と同じ夢を誓った親友の一人で、今は売れない新人声優として悪戦苦闘している坂木しずか。初見の人なら、必ず「ここで、矢野先輩!!」「ここで、ずかちゃん!!」と涙するシーンがあります。

いや、何回観ても泣きました。

オススメ作品②
「アイカツ!」
(dアニメストア、Amazon Prime Video、U-NEXT、あにてれ)

歴代シリーズプレイバック!『アイカツ!(2012年10月~) ver.』

2012年10月から2016年3月まで、全4シーズン178話が放送されたアイドルアニメ。生徒全員がアイドルの「スターライト学園」に編入した星宮いちごと、いちごに憧れてアイドルになった大空あかりを中心に、アイドルたちの熱いアイドル活動(略して「アイカツ」)を描いています。

女児をメインターゲットにした作品ですが、道具も使わず素手で崖上りするアイドルや、自称600歳の吸血鬼キャラのアイドル、本当に地下にこもって活動している地下アイドルといった個性的過ぎるキャラクター、王道スポ根的なストーリー、声優とは別に歌唱専門のアイドルを起用した本格的な楽曲などで、大人のアニメファンからも人気を集めた作品です。本作の完結後も「アイカツスターズ」などの後継作品が放送。3月末からは最新シリーズ『アイカツオンパレード』の新作エピソードのWEB配信がスタート。『アイカツ!』で初登場した時には小学生だった人気キャラの音城ノエルがメインキャラに抜擢され、我々古参ファンを歓喜させました。

生活に制限がかかり鬱々とした気分になりがちな今、ライバルでもある仲間たちと、時に競い合い、時に励まし合いながら、まっすぐにトップアイドルを目指していく少女たちの姿はまぶしく映りますが、元気もくれます。

特に第1~第2シーズンの主人公であるいちごは、「脇役やゲストも含めて、嫌なキャラが一人もいない」と言われた『アイカツ!』を象徴する存在。明るさと可愛さとポジティブさを擬人化したようなアイドルで、ファンや仲間だけでなく、ライバルさえも惹きつけてしまうほど。その魅力は、アイドルやアイドルアニメに興味がない人にも届くはず。

とりあえず、騙されたと思って50話まで観て!(『アイカツ!』ファンが布教する際の常套句)

オススメ作品③
『たまゆら』
(Amazon Prime Video、dアニメストア)

「たまゆら~卒業写真~」第1部 芽-きざし- ロングPV (c)2015佐藤順一・TYA / たまゆら~卒業写真~製作委員会

OVA『たまゆら』から始まり、テレビシリーズ第1期『たまゆら~hitotose~』と第2期『たまゆら~もあぐれっしぶ~』、劇場で期間限定上映された『たまゆら~卒業写真~』で完結。2010年11月~2016年4月までの約5年半をかけて、全34話が制作されたオリジナル作品で、『おジャ魔女どれみ』『ケロロ軍曹』『カレイドスター』『ARIA』など世代を超えて支持される作品を作り続けてきた名演出家の佐藤順一が監督だけでなく原案も担当しています。

主人公の沢渡楓は、父親の遺したレトロカメラで写真を撮るのが大好きな女の子。高校入学を機に、亡くなった父親も大好きだった思い出の町、広島県の竹原へ家族と一緒に転居。瀬戸内海沿いの美しく温かい町で、母や祖母、憧れのカメラマンをはじめとした大人たちに優しく見守られながら、再会した幼なじみの塙かおるや、新たに出会って親友になった岡崎のりえ、桜田麻音らと共に成長していきます。

青春時代の記憶や感情もすっかり薄れ、派手なエンタメに慣れた大人オタク(筆者)の感覚で観ると、驚くような大きな事件は起こりません。しかし、本人にとっては重大な出来事に直面し、時には悩みながらも少しずつ成長する高校生たちの心情を繊細に描写。高校入学から卒業までの3年間で、おぼろげだった楓たちの夢も確かな目標へ変化していきます。気がつくと自分も、作中の大人たちのような優しい眼差しで楓たちを見守り、卒業を見送っていました。春に始まり、春に終わる物語なので、時期的にも今にぴったり。先に挙げた『アイカツ!』と同じく、親子関係や友人関係の一つの理想の形が描かれた優しい物語ということも、今、オススメする理由です。

また、作中に登場する舞台のほとんどが実在したり、モデルがあったりするため、メイン舞台の竹原を訪れる聖地巡礼も非常に盛ん。筆者も何度も竹原へ行き、アニメのままの美しい町を散策したり、楓たちの行きつけのお好み焼き屋のモデル店(ほり川)で本場の味を堪能したりしました。新鮮な瀬戸内の海鮮もオススメ(特に牡蠣が最高!)。コロナ騒動収束後の聖地巡礼までセットで楽しんで欲しい作品です。


今回は、ネガティブな気持ちや空気になりがちな今、ポジティブな主人公たちの物語を楽しんで欲しいという思いで、この3本を選びました。

その他、同じ方向性の作品として取り上げたかったけれど、惜しくも選外にしたのが『カレイドスター』『ARIA』『ガンダムビルドファイターズ』。

方向性は違いますが、『STEINS;GATE』と『ひぐらしのなく頃に』は、記憶を無くして最初からもう一度観たい作品です。

あ、結局、3本だけ選ぶなんて無理でした。

文:丸本大輔

作品情報

『SHIROBAKO​』
 
話数:全24話
公式HP:http://shirobako-anime.com/
 
(C)「SHIROBAKO」製作委員
 
視聴サービス:Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXT、dアニメストア
※Amazon Prime Videoは、「dアニメストア for PRIME VIDEO」への加入により見放題視聴可能です

作品情報

『アイカツ!​』
 
話数:全101話
 
(C)BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO
 
視聴サービス:dアニメストア、Amazon Prime Video、U-NEXT、あにてれ
※Amazon Prime Videoは、「dアニメストア for PRIME VIDEO」への加入により見放題視聴可能です

作品情報

『たまゆら​』
 
話数:全12話(第1期 『hitotose』)
公式HP:http://tamayura.info/hitotose/
 
(C)2011佐藤順一・TYA / たまゆら製作委員会
 
視聴サービス:Amazon Prime Video、dアニメストア
※Amazon Prime Videoは、「dアニメストア for PRIME VIDEO」への加入により見放題視聴可能です
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