ブロードウェイ・ミュージカル『The PROM』を地球ゴージャスが2021年に上演~葵わかな 三吉彩花ら出演
ブロードウェイ・ミュージカル『The PROM』が2021年春、日本人キャストにより東京と大阪で上演される。本作は2018年にブロードウェイで開幕、2019年にはトニー賞6部門にノミネートされ話題となった。さらに本年2020年12月にはメリル・ストリープ、ニコール・キッドマンという豪華な顔合わせでNetflixにて映像化もされる注目作品だ。
日本での初公演は、結成25周年を迎えた、岸谷五朗・寺脇康文による演劇ユニット「地球ゴージャス」が、新たなスタートに相応しく、ユニット初の海外作品として、葵わかな、三吉彩花ら豪華俳優陣を迎えて上演する。2019年にブロードウェイで本作を観劇した岸谷五朗が作品に惚れ込んだことが、今回の上演のきっかけとなった。
この物語は、LGBTQのティーンエイジャーが自分らしい生き方を貫く話だ。LGBTQの高校生エマが、同性のパートナーとプロムに参加することを表明したために、そのことを反対したPTAによりプロム自体が中止となり、インディアナの小さな町が大騒ぎに。これがメディアによって報道されアメリカ中の注目を集めると、落ち目のブロードウェイの俳優たちが彼女たちを応援するという名目で自分たちのイメージアップを図ろうと、その田舎町に乗り込んできて町をさらなる大混乱に陥らせる。突然現れた彼らに振り回されるエマだが、やがて自分のアイデンティティを見つけて行く……。現代社会が抱える問題をテーマにしつつ、同時にニューヨークの独りよがりなブロードウェイスターたちの成長をも綴っていく。「他人を受け入れる」こと、「寛容であること」の大切さがハッピーな興奮とともに感じられるハートフルなミュージカルなのだ。
主人公エマを演じるのは、NHK連続テレビ小説『わろてんか』でヒロインを務め、さらにミュージカル『ロミオとジュリエット』ではジュリエット、ミュージカル『アナスタシア』では主演・アーニャ役を演じたミュージカル界期待の星、葵わかな。その恋人アリッサには、モデルとして同世代の圧倒的な支持を集め、昨年のミュージカル映画での主演も記憶に新しい、三吉彩花がキャスティングされた。
さらに、二人を支えるキャスト陣も豪華だ。今作が初舞台であり演技初挑戦となる日本を代表するトップアーティスト大黒摩季、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ数々の受賞歴を持つ国内屈指の実力派女優・草刈民代、元劇団四季看板女優で退団後もミュージカル界にその存在感を残し続ける保坂知寿が、ブロードウェイスターのD.Dアレンをトリプルキャストで務める。更に、元宝塚劇団月組トップスター霧矢大夢。伸びる歌声が魅力的なLE VELVETSの佐賀龍彦と、観客を虜にする歌声と世界観を持つSkoop On SomebodyのボーカリストTAKEによるダブルキャストも興味深い。もちろん、岸谷五朗・寺脇康文も出演。
演出を手掛けるのは、地球ゴージャス主宰の岸谷五朗。近年翻訳作品の演出での評価も高く、満を持して自身のユニット初のブロードウェイミュージカルに挑む。
アメリカではブロードウェイスターたちの傍若無人な行動で劇場を大爆笑に巻き込んだ本作。地球ゴージャスのお家芸というべき華やかなエンタテインメントやコメディを、岸谷がいかに作品のテーマと両立させて創り上げていくのか、期待したい。
出演者たちから届いたコメントを以下に紹介する。
■葵わかなコメント
今回初めて地球ゴージャスに参加させていただけること、このお話に関われること、とても光栄に思います。
演出の岸谷さんはじめとする共演者のみなさんとお稽古させていただく中で、どんなエネルギーが生まれるのか、今からとてもワクワクしています。
私が演じるエマは、同性愛者の自分自身や恋人の幸せな時間を願って、行動を起こします。うまくいかずに傷つくこともあるけれど、それでも応援してくれる仲間と出会えたことで、希望を持つ事ができます。
この作品を通してエマの中で一貫していると感じたのは、いつでも自分を誇りに思っているという事です。
そんな風に、かっこいいくらいに優しいエマの思いに寄り添いながら、精一杯務めていきたいです。
公演は来年になりますが、ぜひ観に来ていただけたら嬉しいです。
■三吉彩花コメント
お話を伺った時、口が開いたまま暫く瞬きが出来ないくらい嬉しかった事を覚えています。
それも「The PROM」という性の多様性を題材にしたブロードウェイ作品。
プレッシャーを感じておりますが、生き生きとした三吉彩花を皆様にお見せできるように。そして男女という壁にとらわれず、ありのままの自分でいることの素晴らしさを皆様に伝えられるように、チームの力をお借りしながら精進して参ります!是非、楽しみにして頂けたら嬉しいです。
■岸谷五朗コメント
今年、10万人のお客様に観劇いただけなかった25周年祝祭公演。
あの無念を心に、地球ゴージャスが満身創痍の中お贈りする新作は初のBroadway Musical!
しかも!2019年度のトニー賞候補作品。
しかも!世界初の海外プロダクション公演。
しかも!Netflix版が完成した直後に日本での舞台公演!
2019年、実際にBroadwayで観劇してから日本で絶対に公演をしたいと思った作品です。コロナを吹き飛ばすには最高の演目、骨太なテーマに巧みな登場人物。Broadwayならではのコメディーセンスと最上級のダンス・ナンバー!
ゴージャスがゴージャスにBroadwayを料理する、大ミュージカルになるでしょう!乞うご期待下さい。
■寺脇康文コメント
今回のキーワードは、「リベンジ&チャレンジ!」そう、リベンジ。悔しかった。25周年祝祭公演が8公演しか出来ず、皆さんとの貴重な共有時間が奪われてしまった!その想いを胸に、皆さんでリベンジしましょう!
そして、チャレンジ。
地球ゴージャス初のブロードウェイ作品への挑戦!ゴージャスパワーとの化学反応へチャレンジします!
そして今回も、豪華キャストが集ってくれました。劇場でお待ちしております。皆さんと共に前へ!
公演情報
インディアナ州の高校に通うエマ(葵)は、卒業パーティ(プロム)に同性の恋人の同伴を求めたために、プロムが中止になってしまい、そのことを恨むクラスメイトからのいじめにあっていた。同じ頃、ブロードウェイではD.Dアレン(大黒/草刈/保坂)とバリー・グリックマン(岸谷)の新作ミュージカルが酷評される。かつて人気を誇ったが現在は旬を過ぎている2人はイメージ回復を図るため、同業の友人であるトレント・オリバー(寺脇)と、アンジー・ディクソン(霧矢)とともに、何か人助けができないか、社会運動のネタを探すうち、SNSでインディアナの田舎に住むレズビアンの高校生エマのことを知る。校長のホーキンス先生(佐賀/TAKE)はエマの味方だったが、プロム開催についてPTAとの話し合いをしている最中に、ニューヨークからやってきたD.D、バリー、アンジー、トレントが登場し、話し合いはめちゃくちゃになってしまう。エマの彼女は、実は、PTA会長の娘アリッサ(三吉)だった。クローゼットな彼女は、プロム事件が話題になりすぎていることでエマを責めるが、エマ自身は有名になりたいわけでもなく、ただアリッサと二人で静かに踊りたいだけだった……。