岸谷五朗「旗揚げの証人になるがごとく、劇場に足を運んでいただけると嬉しいです」~PRIME VINsTAGE『ジャコメッティのように』が開幕
PRIME VINsTAGE『ジャコメッティのように』取材会より (左から)純名里沙、岸谷五朗、渡部豪太 撮影:引地信彦
2026年7月17日(金)シアター・アルファ東京にて、PRIME VINsTAGE『ジャコメッティのように』が開幕した。初日先駆けて行われた取材会より舞台写真&コメントが届いたので紹介する。
俳優として演劇の世界に足を踏み入れてから早40年となる岸谷五朗。自身が主宰・作・演出を手掛ける「地球ゴージャス」は2024年公演で30周年を迎えるなど、岸谷は俳優・作り手として走り続けている。
岸谷は、心の奥底にずっと「地球ゴージャス」の今があるのは小劇場での創作活動を経て、大劇場へステップアップできたからこそ、という想いを持ち続けてた。そんな小劇場への熱い思い、そして「地球ゴージャス」とは違った表現を生み出すべく、年代を超えて最高に価値のあるものを創り出すという意味を込めて“PRIME VINsTAGE”と題し、新たな作品作りに挑む。
PRIME VINsTAGE『ジャコメッティのように』舞台写真 撮影:引地信彦
PRIME VINsTAGE『ジャコメッティのように』舞台写真 撮影:引地信彦
旗揚げ公演となる『ジャコメッティのように』では、岸谷が長く心を惹かれてきた芸術家アルベルト・ジャコメッティの生涯と彼を取り巻く人間模様をモチーフにオリジナル作品を上演。果てなき探究に取り憑かれた「芸術家」と彼を愛し支える「妻」、その狂気と魅力に呑み込まれていく「友人」。三人の奇妙で魅力的な関係は、芸術、愛、そして“生きることの意味”を観客に問いかける。
出演者は、渡部豪太、純名里沙。さらに、舞踏カンパニー“大駱駝艦”から小田直哉、石井エリカ、そして岸谷五朗と個性豊かな顔触れがそろった。
ジャコメッティの精神に導かれながら描かれる、可笑しくも切なく美しい人間讃歌が、俳優たちの息遣いまでも感じる濃密な劇場空間で立ち上がる。
PRIME VINsTAGE『ジャコメッティのように』舞台写真 撮影:引地信彦
PRIME VINsTAGE『ジャコメッティのように』舞台写真 撮影:引地信彦
なお、本公演は8月2日(日)まで東京・シアター・アルファ東京にて上演。その後、8月13日(木)~20日(木)大阪・ABCホールで行われる。
岸谷五朗(作・演出/ジャコメッティ役/幸一郎役)コメント
20代の頃にたくさんの小劇場にお世話になりました。芝居がしたくてしょうがなかった頃に、それを受け止めてくれたのが小劇場でした。地球ゴージャスを結成し大きな劇場を追いかけていった結果、いつか小劇場に戻れると思っていたらなかなか戻る機会がありませんでした…。小劇場でやりたいなと思いながら時間が過ぎていく中、60歳を過ぎた今、ようやくこれまでたくさんの劇場で培ってきたことを小劇場でお客様に届けることが出来るんじゃないかと思い、PRIME VINsTAGEを思い切って旗揚げしました。そこに渡部さんと純名さんが協力してくださって、大駱駝艦の2人も加わり、5人ぽっちで頑張っております。
物心ついたときに出会った彫刻がジャコメッティの作品でした。ピカソやゴッホが一体何なのかも分からない頃にジャコメッティの作品に魅了され、歳を重ね、いつかジャコメッティとその周りを取り巻く人たちの魅力あふれる人生を描きたいなと思っていました。今回この旗揚げ公演に持ってこれたことを幸せに思います。
色々な演劇の種類があり、この作品も数個のうちの一つですが、そこに我々のエネルギーを集結させています。新たな演劇になることを祈って、そして全国のお客様にお見せできるように、できれば海を渡って海外のお客様にもお見せできるように、まずはこの旗揚げ公演を大成功に収めたいと思っています。ぜひ旗揚げの証人になるがごとく、劇場に足を運んでいただけると嬉しいです。
渡部豪太(ヤナイハラ役/幸三役)コメント
台本を読んで、まずセリフ量が膨大だなと思いました(笑)。岸谷さんから「3人芝居だからセリフは多いよ」と聞いていて、覚悟して準備していたのですが、いざ台本を読んでみたら本当にセリフが多くてびっくりしました。台本には演出家・岸谷五朗さんの葛藤のようなものが随所に描かれていて、芸術というものに携わっている岸谷さんとジャコメッティが交錯していく過程が少し垣間見え、読んでいてゾクゾクしました。また、実際に岸谷さんの演出を受けてみて、とにかくバイタリティのある演出家さんだなと思いました。ずっと動きまわっていらっしゃるので60歳とは思えないです(笑)。
このキャパシティの劇場で芝居をするのは初めてで、岸谷さんとご一緒できることも信じられないです。だからこそ新しい世界が見えるんじゃないかなと思っています。劇がお客様を迎えに行っているような、飛び出していくような美術や舞台装置だなと感じながら稽古をしていました。リッチな空間だと思います。
こんなリッチな演劇を恵比寿のど真ん中で、客席の数が0ひとつ足りないんじゃないかと思うくらいのキャパシティで上演するので、もうヴィンテージです! 観ることの出来るお客様が限られてしまっているので、まだをお持ちでない方は急いで手に入れていただき、岸谷さんの新たな船出を目撃しに我々に会いに来てください。
純名里沙(アネット役/道子役)コメント
まずは出演のオファーをいただけたことが嬉しくて感激しました。しかも3人しかいない中に紅一点で入れていただいて本当に感謝しております。
「これは、愛の物語だよ」と岸谷さんがおっしゃっていて、まさに読めば読むほど、稽古をすればするほど、この台本の愛の深さを感じられて、とても温かい台本をいただけたなと思います。そして、岸谷さん自身も本当に温かく愛のある演出家さんで、キャスティングしてくださったときからすごく私を信じてくださっているのを感じられて、その期待に応えられる自分でいたいなとエンジンをかけながら稽古を重ねてきました。
この劇場はお客さんとの距離が近く、とても贅沢な空間です。作品に飲み込まれるように没入することができますし、すべての席がスペシャルシートなんじゃないかなと思います。
こんな豪華で、こんな濃密で、こんな体験ができる小劇場は他にあるのか、というくらい贅沢な作りになっております。私たち役者が目の前で演技しますので、ぜひとも見逃さないでいただきたいなと心から思っております。ぜひ劇場へ足をお運びください。