BBHF『RUSH BALL 2021』ライブレポート ーー新体制で示した圧倒的バンド力
BBHF 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2021』BBHF
すっかり陽も落ちて、灼熱の暑さがやわらいだ18時35分。マジックアワーの薄ピンク色の空が泉大津フェニックスを包み込んだ。ATMC1日目のトリ前に登場したのは、元Galileo Galileiのメンバーで2018年に結成されたバンド・BBHF。サポートメンバーにオカザキ(Ba)、藤澤有沙(Key)を迎えた5人編成で登場。リハの段階から、夜の入り口に吸い込まれていきそうな良質なサウンドを響かせていた。
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ライブは今年5月に配信リリースしたばかりのシングル「黒い翼の間を」からスタート。尾崎和樹(Dr)の力強いバスドラ、尾崎雄貴(Vo.Gt)の歌声を支えるDAIKI(Gt)のギターが全身にしっかり届いてくる。
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続いては同期音楽も使いながら、ギターリフが純粋にカッコ良い「僕らの生活」をプレイ。どこか淡々としながらも、手元から繰り出されるサウンドの分厚さと、ハッキリと伸びやかな雄貴の声で紡がれるグッドメロディに、客席も身体を揺らす。
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「BBHFです。よろしくお願いします。僕が前にやっていたGalileo GalileiでOPをやった『あの花。』というアニメが10周年ということで、ガリレオの曲をやりたいと思います」という雄貴のMCから、2011年に公開され大ヒットした人気アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のオープニングテーマ「青い栞」を披露。このMCを聞きつけて、ライブにジョインするオーディエンスも。『あの花』ファンはもちろん、ガリレオ時代からのファンには嬉しいプレゼントだ。サビでは一斉に手が挙がる。メンバー1人ずつにピンスポが当たるドラマチックな照明の演出と、ブルーとイエローのライトが混ざり合う清涼感がたまらない。
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激しいビートと照明が呼応した「シンプル」では、集中力高い演奏でオーディエンスを魅了する。新体制になった彼らの意志の強さと力強さが現れているようだ。<君が思ってるより 僕らはずっとシンプル>という歌詞がどこか胸に刺さる。シンプルに音楽を伝え、オーディエンスが受け取る。そのやり取りが生で感じられる喜びが、音とともに泉大津の大きな空に溶けていくようだ。
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最後に、爆発力もありながら、優しさと温かさを感じられる「なにもしらない」でステージを締める。抜群の安定感、そしてバンド力。新体制のBBHFが積み重ねる音楽がこれからも楽しみだ。
取材・文=久保田瑛理 撮影=渡邉一生
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