SUPER BEAVER『RUSH BALL 2021』ライブレポート ーーシンプルな言葉の数々に、喜怒哀楽の感情が爆ぜる
SUPER BEAVER 撮影=ハヤシマコ
『RUSH BALL 2021』SUPER BEAVER
夕陽の朱がより一層濃くなる時間に登場したのはSUPER BEAVER。今夏、多くのミュージシャンがそうだったように、彼らも出演予定だった多くの大型フェスが開催中止に。それでも絶賛全国ツアー中の彼らは着々とライブ力を高めていて、ライブ開始からのギアの上げ方はとにかく格別だった。
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渋谷龍太(Vo)が「本日はこの場所を選んだ貴方のために。お前を邪魔する全てのものに中指立てるためにやってきました」とギラついた視線を会場に送る。
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1曲目「さよなら絶望」は衝撃も衝動もまんま音に詰め込んだライブ感の大きなロックナンバー。コロナ禍だとか、日々の生活だとか、いろんなもので揉みくちゃになっていた濁った感情を開放するような歌詞に、涙腺が早々に崩壊してしまう……。
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観る者の思いを代弁する言葉は「突破口」にも。<今をやめない><威風堂々><正々堂々>、いまこの場所で『RUSH BALL』でライブを観ている観客の心を鼓舞するような言葉の数々はこの日のために作られた楽曲なんじゃないかとさえ思えてくる。
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「(フェスを)やると決めたからにはやれて良かった、やって良かったではなく、やらなくちゃいけなかったね、にしないといけない。そのためにこのステージに立っている。全身全霊で力を込めて、今日も思いっきしやりますんで!」
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「予感」「名前を呼ぶよ」とライブアンセムが続き、渋谷は血走りそうな強い眼力を見せ、全身を震わせ、拳をぎゅっと握り、歌い上げる。柳沢亮太(Gt)も上杉研太(Ba)も荒ぶる感情を音にする。芯を打つ藤原”33才”広明(Dr)のリズムがフロントの3人を豪快に後押ししていくし、続く「青い春」では4人の音だけじゃなく、観客の思いも一緒に昇華していく。
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最終曲「アイラヴユー」、「この場所で音楽ができることがうれしい」と、コロナ禍で音楽やライブがどれだけ尊いものか、どれだけ愛しいものかが改めてわかったと語った渋谷。その気持ちはこの場所に集まった誰しもが同じ。全6曲、感情をぶつけあったステージが終わると、心の奥のイガイガが抜けたような晴れ晴れしい気持ちが芽生えていた。
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取材・文=黒田奈保子 撮影=ハヤシマコ
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