新国立劇場、プッチーニの名作オペラ『蝶々夫人』を12月に上演 蝶々夫人役は中村恵理

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2021.9.27
新国立劇場『蝶々夫人』より   撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より   撮影:寺司正彦

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2021年12月5日(日)~12月12日(日)新国立劇場 オペラパレスにて、2021/2022 シーズンオペラ『蝶々夫人』が上演される。

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

本作は、明治時代の長崎を舞台にし、「ある晴れた日に」などの名曲で蝶々さんの愛と哀しい運命が綴られるプッチーニのオペラ。世界中で観客の涙を誘っている人気作中の人気作で、新国立劇場でも最も多く上演され、開場以来、高校生のためのオペラ鑑賞教室を含め、上演回数は110余回、18万人の観客が鑑賞している。

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

アメリカ士官ピンカートンに一途な愛を捧げる蝶々さんの悲劇が、栗山民也演出により、国と国の関係が落とす影を感じさせる、鋭く雄弁なドラマとして迫る本作。誰もが知る悲劇が、現代を映し出す風景でもある舞台となって一層深い共感を呼び、涙なしでは見られない、心揺さぶるドラマはオペラ初心者にもお薦めで、日本人ならば一度は劇場で観てみたい名作とも称されている。

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

注目の蝶々夫人役は、世界のプリマドンナに成長した中村恵理。ドラマティックな表現と繊細なテクニックで国内外の観客を魅了し、国内のコンサートでも聴衆の心を掴んできた中村が、一段と成熟し、待望の蝶々夫人役でオペラパレスへカムバックする。新国立劇場へは、コロナ下の映像配信でも大反響を呼んだ『トゥーランドット』(2019年)リュー以来の登場。中村にとって蝶々夫人役は、演奏会形式での経験はあるものの、舞台上演としては今回がロールデビュー。まさに満を持しての蝶々夫人役となっている。

中村恵理

中村恵理

共演には、ピンカートンにルチアーノ・ガンチ、シャープレスにアンドレア・ボルギーニとヨーロッパで活躍中の歌手を招聘。スズキには確かなテクニックと伸びやかな演技が持ち味の新世代のメゾ但馬由香が出演、ゴローは糸賀修平が出演するなど、若手実力派も活躍。共演者たちからも聴衆からも信頼の厚い下野竜也の指揮も、クラシックファンには見逃せないポイントだ。

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

新国立劇場『蝶々夫人』より    撮影:寺司正彦

 
【あらすじ】
<第1幕>明治時代の長崎。日本滞在中、現地妻を娶ろうというアメリカ海軍士官ピンカートンは、仲介人ゴローに新居を案内され、使用人を紹介される。結婚も家もいつでも契約破棄できると豪語するピンカートン。結婚を心待ちにしている花嫁を知るアメリカ総領事シャープレスは、ピンカートンの軽薄さを心配する。花嫁行列がやってきて、美しい花嫁、蝶々さんが現れる。「私は世界一幸せ」と嬉しそうに語る蝶々さんは15歳。
裕福な武士の家の生まれだが父が切腹して亡くなり、今は芸者として生きている。結婚式が慎ましやかに行われている最中、叔父の僧侶ボンゾがきて、キリスト教に改宗した蝶々さんに絶縁を言い渡す。式は終わり、2人は甘い夜を迎える。

<第2幕>ピンカートンがアメリカに帰国して3年。「駒鳥が巣を作る頃に帰る」との言葉を信じる蝶々さんは、彼の帰りを待ち続けている。シャープレスとゴローは再婚を勧めるが、蝶々さんは断る。というのも、ピンカートンとの間に子供が生まれていたのだ。帰国後ピンカートンがアメリカで本当の結婚をしたことを知るシャープレスは言葉もない。そしてついにピンカートンの船が入港。
蝶々さんとスズキは部屋を花で満たして夫の到着を待つが、いつまでたってもやってこない。スズキの勧めで蝶々さんが奥の部屋で休んでいると、ピンカートン、シャープレス、そしてピンカートンの妻ケートが訪れる。スズキの応対で蝶々さんの思いを知ったピンカートンは、堪らず立ち去る。
目覚めた蝶々さんはケートを見てすべてを悟り、子供をアメリカで育てたいというケートの言葉を受け入れる。父の形見の短刀に刻まれた言葉「名誉をもって生きられないものは名誉をもって死ぬ」ことを決意した蝶々さんは、子供に別れを告げ、自決。「蝶々さん!」と叫ぶピンカートンの声がむなしく響く。

 

公演情報

新国立劇場 2021/2022 シーズンオペラ
G. プッチーニ
『蝶々夫人』
Giacomo PUCCINI / Madama Butterfly
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
 
日程:2021年12月5日(日)~12月12日(日)
会場:新国立劇場 オペラパレス
予定上演時間:約2時間35分(休憩含む)
 
スタッフ:
【指揮】下野竜也
【演出】栗山民也
【美術】島 次郎
【衣裳】前田文子
【照明】勝柴次朗
【再演演出】澤田康子
【舞台監督】斉藤美穂
 
キャスト:
【蝶々夫人】中村恵理
【ピンカートン】ルチアーノ・ガンチ
【シャープレス】アンドレア・ボルギーニ
【スズキ】但馬由香
【ゴロー】糸賀修平
【ボンゾ】島村武男
【神官】上野裕之
【ヤマドリ】吉川健一
【ケート】佐藤路子
 
【合唱指揮】冨平恭平
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

料金】 S:22,000円 ・ A:16,500円 ・ B:11,000円 ・ C:6,600円 ・ D:3,300円・ Z:1,650円
【前売開始】 2021年11月6日(土)

 
※新型コロナウイルス感染症拡大予防対策を講じた新時代の生活様式に基づき、演出の一部を変更して上演します。
※招聘キャスト、指揮者につきましては、出入国制限の状況により変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
 
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