松竹主催「こども歌舞伎スクール寺子屋」寺子屋女子生徒による「寺子屋乙女かぶき」発足 『本朝不思議之國 夢逢姫』2022年3月に上演
『夢逢姫』キービジュアル
2022年3月、寺子屋乙女かぶき『本朝不思議之國 夢逢姫』の上演が決定した。
松竹主催の「こども歌舞伎スクール寺子屋」は、歌舞伎子役の育成および歌舞伎を通した和の礼儀作法の習得という主旨のもと、2014 年に開校。2017 年には中学部門を発足し、女子生徒が所属する「女子舞踊コース」では、古典舞踊の実演および舞踊技術の習得を目標に、稽古を続けてきた。
2019年3月には、中学部門歌舞伎コース生徒(男子生徒)と共に成果披露公演を実施し、『藤娘』を披露するなど、寺子屋で学んだ伝統文化の啓蒙活動に励んでいる。
2020年9月上演 木挽町わかば座成果披露発表会『藤娘』
2020年9月上演 木挽町わかば座成果披露発表会『藤娘』
「寺子屋」で歌舞伎演技や日本舞踊を学んできた女子生徒たちのために、これまでの学びの成果を発揮する場を作るとともに、彼女たちの将来へとつなげていきたいという思いから、女子生徒へ向けた新たな試みとして、「寺子屋乙女かぶき」と銘打ち、寺子屋女子生徒のみによる新作「寺子屋乙女かぶき『本朝不思議之國 夢逢姫』」を上演する運びとなった。
「こども歌舞伎スクール寺子屋」第一期~第四期生の中から、オーディションを経て選抜された13名が出演する。
脚本は松竹芸文室の戸部和久、演出・振付を宗家藤間流八代目藤間勘十郎が担当する。戸部和久・藤間勘十郎のタッグは、2019 年3 月に初演された『贋作桃太郎 百桃かたり』で成果をあげており、今年8 月には第三回公演を開催。寺子屋オリジナル舞踊劇として、次期の生徒に受け継がれる作品となっている。
第三回『百桃かたり』舞台写真
『百桃かたり』は日本の昔話「桃太郎」を題材とした舞踊劇だったが、今回の『夢逢姫』の題材は「不思議の国のアリス」。
ルイス・キャロル作によるイギリスの人気児童小説であり、絵本やアニメのみならず、登場するキャラクターも人気の高い作品だ。幼い少女アリスが、ウサギを追いかけるうちに不思議の国に迷い込み、様々な出会いや冒険を経て成長する様子が描かれる。
その名の通り“不思議な”世界観や特徴的なかわいらしいキャラクターで長く親しまれているが、今回、このかわいらしいおとぎ話の世界観がどのように歌舞伎として描かれるのか…。少女を卒業しつつある「乙女」たちが、瑞々しい姿で舞台を彩る。
《『夢逢姫』演出・振付(寺子屋 日本舞踊部門統括講師)・藤間勘十郎コメント》
藤間勘十郎
この度、「寺子屋乙女かぶき」と題して『本朝不思議之國 夢逢姫』の演出・振付、苫舟として作曲をさせて頂きました。今は男性のみで上演されております歌舞伎に引き換えて、女性のみ、それも女子生徒のみで上演するという、まさに歴史を変える企画、作品だと思っております。しかし歌舞伎は男性が女性を演じる女方の芸です。それを更に女性が演じるということは、かなりの難易度があることではありますが、今でしか出すことのできない華や、初々しさ、可愛らしさを作品に重ねながら見ていただければ…そんな思いで、演出いたしました。スタッフも、普段歌舞伎公演を担当している一流の方々を揃え、歌舞伎座ギャラリーを一時夢の国と化し、皆々様をお待ちもうしております。どうぞ宜しくお願い致します。