『RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM』オフィシャルレポートーーくるり、ヤバTら5組が真冬の京セラドームを熱気の渦に
『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM』 撮影=渡邉一生
FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM 2021.12.25(SAT)京セラドーム大阪
『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM』
2021年12月25日(土)から28日(火)の4日間、京セラドーム大阪にて『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM』が開催。ラジオ局・FM802が主催する年末恒例のロックフェスで、2年ぶりの開催となる今年は例年のインテックス大阪から場所を移し、1ステージの新しいスタイルで全40組がライブを繰り広げる。
『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM』
会場は違えど、神社や出店といった『RADIO CRAZY』らしい賑やかな要素はしっかり健在で、転換時もゲームに興じたり写真を撮ったりと、ライブキッズたち思い思いに楽しんでいる様子。
『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM』
たくさんのルールはありながらも、それらをしっかり守り、音楽が鳴らされる場を守ろう、つなげようというオーディエンスたちの姿は頼もしい限りだ。今回は、初日から大いに盛り上がりをみせた、25日(土)前半の模様を早速レポートする。
■OKAMOTO'S
OKAMOTO'S 撮影=渡邉一生
京セラドーム大阪にて、4日間にわたって開催される『FM802 RADIO CRAZY THE GRAND SLAM』。その初日、DJの大抜卓人から「FM802のイベントには欠かせないバンド」と紹介され登場したのはトップバッター、OKAMOTO'Sだ。
OKAMOTO'S
アコギを抱えたギターボーカルのオカモトショウを筆頭に、ステージにメンバーが現れ「Sprite」でライブをスタート。4日間の宴の成功を祈るように、コウキのギターが鳴り響く。そして、「大阪! 行けるか!?」という声を合図に、「BROTHER」のサイケデリックなロックンロールグルーヴが力強くうねる。そして「Dance To Moonlight」のディスコなグルーヴがフロアを熱く揺らす。「OKAMOTO'Sは2009年にトップバッターとして出演して以来、『レディクレ』皆勤です」
OKAMOTO'S
ボーカルのショウがそう言うと、「(OKAMOTO'Sにとって)今日が今年の演奏納めなので、初日のトップバッターに選んでもらって嬉しかったです」とベースのハマ・オカモトが続ける。
OKAMOTO'S
最後に、ラップ調の歌い回しもクールな「90’S TOKYO BOYS」を鳴らし、2021年のOKAMOTO'Sの集大成と呼ぶにふさわしい、ピタリと息の合ったロックンロールサウンドを轟かせ、イベントの幕開けを盛大に飾った。
■Saucy Dog
Saucy Dog 撮影=田浦ボン
ステージ転換時のリハーサルではメンバー自身が登場。リハであるにも関わらず、場内から自然と拍手も沸き起こるほど盛り上がりを見せていたのは、Saucy Dog。本番は1人ずつ順番にステージに登場すると、「シンデレラボーイ」で演奏がスタート。石原慎也(Vo.Gt)のナイーブで伸びやかな歌と、秋澤和貴(Ba)、せとゆいか(Dr.Cho)が作り出す力強いリズムが、オーディエンスの心をがっちりと掴んでいく。さらに、「雀ノ欠伸」を皮切りに、「ナイトクロージング」などの疾走感あふれるナンバーが続けて披露されると、たちまち場内は手拍子と笑顔の坩堝に。
Saucy Dog
「メリークリスマス! Saucy Dogは大阪で結成したバンド。京セラドームは広いけど、みんなと心の距離がもっと近くなれたら!」と、せとゆいかが心意気を語ると「あぁ、もう。」を筆頭に、「ゴーストバスター」「バンドワゴンに乗って」と軽快なロックチューンを叩き鳴らし、フロアの熱気を一気に上昇させていく。
Saucy Dog
「僕は18歳からの3年間、京セラドームのコンサートスタッフをしてました。いつか立ちたいと思ってたステージに立てて感激してます!」
Saucy Dog
石原がそう語った後に披露されたナンバーは、「東京」。夢と現実の差に葛藤していた時期に作ったというその曲に、じっくりと耳を傾けるオーディエンスの姿が印象的だった。
■ハンブレッダーズ
ハンブレッダーズ 撮影=渡邉一生
オープニングナンバー「銀河高速」の演奏がスタートした途端、でらし(Ba.Cho)が楽しそうに飛び跳ね、サポートギターのうきがサイドステージに躍り出る。この日のハンブレッダーズは、ステージに降り立った瞬間からメンバー全員がフルスロットルだ。
ハンブレッダーズ
ギターボーカルのムツムロ アキラが、『レディクレ』と「京セラドーム」という、豪華なステージに立つ喜びを告げた後は、どっしりとしたバンドサンドを轟かせる「ファイナルボーイフレンド」で、そのまっすぐな思いを力強く歌い上げる。
ハンブレッダーズ
「今年のクリスマスはテレビで『ホーム・アローン』を観てチキンを食べる予定でしたが、3日前に今日の出演が決まりました(笑)」
ハンブレッダーズ
12月22日(水)に急遽、25日の追加選手として急遽決まった出演への思いを、飾らない言葉で嬉しそうに語るムツムロ。ラスト曲「ライブハウスで会おうぜ」まで気迫と笑顔に満ちた熱演を繰り広げ、ライブバンドとしてのプライドと底力をしっかりと見せつけてくれた。
■ヤバイTシャツ屋さん
ヤバイTシャツ屋さん 撮影=田浦ボン
観客を前にしてのリハーサル中から、新曲づくしの全力演奏とゆるいMCを繰り広げ、ロック界きってのパーティーバンドの本領を発揮していたヤバイTシャツ屋さん。リハーサルで新曲を立て続けに披露しながら、「知らん曲ばっかりだったと思います。安心してください、本編はYouTubeで視聴回数上位の曲しかやりません(笑)」と宣言するギターボーカルのこやまたくや。
ヤバイTシャツ屋さん
そんなこやまの言葉通り、本編は人気ナンバー「Tank-top of the world」でスタート。待ってましたとばかりに、一気にヒートアップしたフロアをさらに煽るように、「ハッピーウェディング前ソング」や「無線LANばり便利」などのお馴染みのライブチューンを連発。案の定、楽しそうに手を上げ、リズムに合わせて身体を動かす大勢のオーディエンスの姿が目の前に広がっていく。
ヤバイTシャツ屋さん
メンバー同士のゆるい「クリスマス関連のダジャレ」トークをはさんだ後は、「京セラドームということで、音のホームランを打ちに来ました!」というこやまの声を合図に、「泡 Our Music」や「ヤバみ」など、熱量高めのロックチューンを続けて披露。
ヤバイTシャツ屋さん
最後に「あつまれ!パーティーピーポー」が披露されると、手拍子とダンスで場内が一体に。年末を彩る華やかなロックフェスにふさわしいハッピーな一時となった。
■くるり
くるり 撮影=渡邉一生
轟音と力強いロックンロールで突っ走ったイベント前半の空気から、一転。クリスマスの日にふさわしい穏やかなナンバー「最後のメリークリスマス」で始まったのは、くるりだ。ベートーベンの美しい調べも飲み込んだ「最後のメリークリスマス」で幕を明けた後、「メリークリスマス」と、岸田繁(Vo.Gt)がぽつりとつぶやくように挨拶。静と動が混ざり合う「ブレーメン」がスタートすると、次々と表情を変える起伏に富んだ濃密な歌とリズム。オーディエンスはそれぞれ、身体を揺らしたり聴き入ったりしながら自由に楽しんでいるのが見える。場内は激しくも美しいくるりワールドに、ゆっくりと包み込まれていく。
くるり
場内が温かな空気に満たされた「ロックンロール」、ナイーブな歌声とピアノリフとバンドサウンドが美しく絡み合う名曲「ばらの花」など、新旧ファンの心を揺さぶるナンバーを続けた後、最後に披露されたのは、「琥珀色の街、上海蟹の朝」。情熱とクールネスが共存するソウルファンクなナンバーに、オーディエンスたちはさりげなく身体を揺らせている。
くるり
一見、牧歌的で穏やかだけど、実は実験度の高い濃密な楽曲の数々。あくまでも淡々と歌い奏でながら、しっかりと聴き手の心を揺さぶるくるり。彼らの静かな情熱はやはり唯一無二だ。
くるり
なお、この日のライブ音源は、1月10日(月・祝)にFM802で放送されるスペシャルプログラム『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM HIGHLIGHTS』で聴くことができる。
文=早川加奈子、後藤愛 写真=FM802提供(渡邉一生、田浦ボン)
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セットリスト
イベント情報
OA情報
●放送日時=2022年1月10日(月・祝)
第1部 18:00〜21:00 浅井博章×加藤真樹子
第2部 21:00〜23:48 落合健太郎×田中乃絵
第3部 24:00〜深夜3:00 土井コマキ×板東さえか
※放送ラインナップは後日ホームページで公開予定
詳細:https://funky802.com/pages/pickup_detail/6560/