森崎ウィン「覚悟はもうちゃんとできている」~ブロードウェイミュージカル『ピピン』インタビュー

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2022.6.24
森崎ウィン

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2019年に初演されたブロードウェイミュージカル『ピピン』日本版が、主演ピピン役に新たに森崎ウィンを迎え、2022年8月から9月にかけて東京・大阪にて再演される。

ボブ・フォッシー(ミュージカル『シカゴ』、映画版『キャバレー』)による演出と振付で1972年に初演された本作は、紀元8世紀後半のローマ帝国を舞台に、若き王子ピピンが「特別な何か」を探し求めて旅に出る物語。

この日本版でも演出を手掛けるダイアン・パウルスによって、ボブ・フォッシーのスタイルを踏襲したダンスと、シルク・ドゥ・ソレイユ出身のアーティストが手掛けたサーカスアクロバットが加わった斬新な新演出版が、2013年に上演され、トニー賞でミュージカル部門最優秀リバイバル賞ほか4部門を受賞した。

今回ピピンを演じる森崎ウィンに話を聞いた。

『ピピン』を観たら、世界が変わります!

ーーピピンに出演が決まったときはどう思われましたか?

『ピピン』という作品に出合ったのは、深夜に見たCMでした。僕はブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2(2020年)が控えていたので、ミュージカルのことを知りたいなと思っていたんですけど、そのCMを見て、面白そうだなと思って、自分でを買って観に行きました。そしたら受けた衝撃が大きすぎて! 「こんなに素敵な作品がなぜ深夜のCMなんだ!?」と思ったくらい。

ーー(笑)。

Crystal Kayさんも、(日本初演でピピン役を演じた)城田優さんも、みなさん本当に素敵で。作品と、そのエンターテインメント性に心が全部持っていかれました。その後自分が出演することが決定したので、「そんなことってある!?」と思いつつ「ぜひやらせてください!」と。それから『SHOWTIME』(2021年)で(城田)優くんとご一緒して。「けっこう大変だからがんばって。でもウィンウィン(森崎)なら大丈夫だよ」と言ってくださいました。ビビッてはいるのですが、ここまできてますし、作品が素敵なので、自分がやれることをとことんやっていこうと思っています。

ーーピピン役を演じるにあたって、どうしたいと思われていますか?

僕にとってすごくチャレンジングな作品ですし、これをやり切ったらきっと無敵……とまでは言いませんが、大きく成長できる作品になるんじゃないかなと思います。成長するときって大体へし折られることが多いんですけど、そういうときは僕、これ語弊があるかもしれませんが、けっこうMなんですよね(笑)。とはいえ壁にぶち当たることはわかっているので、そのための精神力も体力も肉体的なものも含め準備したい。だからつまり『ピピン』が決まった日から、やらなきゃいけないことはもう始まっていた気がします。そういう意味では、決まった頃よりも今のほうがよっぽど落ち着いているというか。覚悟がもうちゃんとできているし現実味がある、という感覚です。

ーー多くの方が日本初演からの続投キャストですが、再演から参加することはどんなふうに感じていらっしゃいますか?

正直怖いです。ただ、『ピピン』の場合はそんなこと言っている暇はないとも思います。それに、カンパニーにとっては新しい人が入ることでの刺激も生まれると思う。だから……楽しみです!(笑)

ーー城田さんと共演した『SHOWTIME』では、『ピピン』の楽曲「コーナー・オブ・ザ・スカイ」の歌唱もありましたが、どんなお気持ちでしたか?

楽しかったです。作品としてはそのためにやっているわけじゃないのですが、僕の中ではバトンを渡されたみたいな気持ちにもなりました。でも楽曲以前に、『SHOWTIME』という作品は、城田さんが演出も手掛けていらっしゃるので、城田さんがどうつくって、どんな気持ちを持って、どんな趣で立っていらっしゃるのかを間近で勉強できて、そこで得られたものが大きかったです。エンターテイナーとして本当に素敵な方で、稽古場の居方も、みんなのモチベーションの上げ方も、この方がセンターに立って座長としてやられるってこういうことなんだな、ということをすごく感じたんですね。あのとき、『SHOWTIME』に出られたことには感謝しています。

ーー『ピピン』についてはお話しされましたか?

具体的にお話しする機会はなかったんですけど、「稽古に入ってやばかったら電話して!」と言ってくださいました(笑)。

森崎ウィン・城田優(初代ピピン役)歌唱映像 コーナー・オブ・ザ・スカイ(2021年「SHOWTIME」より)

>(NEXT)“役者としての森崎ウィン”はピピンと通ずる部分がある

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