戸田恵子×松尾貴史インタビュー~ニール・サイモンの名作『裸足で散歩』で舞台初共演「ほっこり気楽に見てもらいたい」

インタビュー
舞台
2022.9.14
戸田恵子、松尾貴史

戸田恵子、松尾貴史

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2022年9月~10月、東京ほか全国にて舞台『裸足で散歩』が上演される。

今作は、新婚夫婦と新居のアパートに暮らす変わり者の住民たちが繰り広げるニール・サイモンによるコメディの名作で、1963年にブロードウェイで初演。1967年にはニール・サイモン自身による脚色、舞台演出を担当したジーン・サックスの監督で、主演にロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダを迎えて映画化された。

時代を超えて世界中の人から愛されている今作について、真面目な新米弁護士のポール(加藤和樹)と結婚したばかりの明るく自由奔放な若妻のコリー(高田夏帆)の母、バンクス夫人を演じる戸田恵子と、新婚夫婦の新居のアパートに住む少し風変りな住人、ヴィクター・ヴェラスコを演じる松尾貴史に話を聞いた。

戸田はかつてコリー役を経験「新たな一歩を踏み出すきっかけになった作品」

――お2人は今作をこれまでに舞台や映画でご覧になったことはありましたか?

松尾:僕は子どものときに映画を、多分日曜洋画劇場か何かで親と一緒に見たという遠い記憶があります。戸田さんはもっと深いご縁があるんですよね。

戸田:私は80年代にこの作品のコリー役を長きに渡り舞台で演じさせていただきました。もう40年近く前ですけれども、下北沢のロングランシアターで上演しまして、それが私のストレートプレイデビューだったんです。

――戸田さんはこの作品にご出演されていたときに、どんな印象を持たれましたか。

戸田:台本をいただいたとき、台本の隙間が少ないな、と思ったんです。それがすごく印象に残っています。ミュージカルだと、歌のシークエンスのところがちょっと段が下がって上に空白があったり、セリフもそんな膨大にはないから、台本にほどよく隙間がある感じなのですが、この作品の台本はちょっと憎たらしいと思えるくらいセリフがみっしり入っていることにまず衝撃を受けました。初めてのストレートプレイということもあって、これまでそういう作品の経験がなかったので「これは戦いだな」と思いながら、この作品のよさとか偉大さとかを考えもせずに、ちょっと不貞腐れながらただひたすらに取り組んでいましたね(笑)。

戸田恵子

戸田恵子

――戸田さんにとっては忘れられない大事な作品でもあるのでしょうね。

戸田:そうなんですよ。結果的にその後再演もやり、初めての旅公演も回ることになりました。当時は劇団に所属していて外部出演という形だったので、劇団のお客さん以外の方々にたくさん見ていただく機会になって、その方たちが劇団の公演も見に来てくださったりといった嬉しい効果もありました。私自身、それから外部の舞台に出ることが多くなりましたので、新たな一歩を踏み出すきっかけになった作品でもあります。

――松尾さんは今作への出演が決まって台本をお読みになって、どのような印象を持たれましたか。

松尾:今回、翻訳を担当されたのが22歳の福田響志さんなんですが、言葉の持っているニュアンスとかフレッシュさみたいなものがこの作品のストーリーにうまい具合に絡んでいて、古い名作を読んでいるという感じではなく生き生きとした作品だと感じながら触れることができた、というのが正直なところです。

>(NEXT)舞台では初共演。「この人となら何やっても大丈夫」

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