いびつな“半同居”生活にほのかな光がさす 山田裕貴×松本まりか『夜、鳥たちが啼く』予告編を公開

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2022.9.14
 (C)2022 クロックワークス

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12月9日(金)公開の映画『夜、鳥たちが啼く』から、予告編が解禁された。

作家・佐藤泰志が関東近郊を舞台に描いた短編小説『夜、鳥たちが啼く』(所収「⼤きなハードルと⼩さなハードル」河出⽂庫刊)を映画化した作品。『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』などの高田亮氏が脚本、『愛なのに』『女子高生に殺されたい』などの城定秀夫監督がメガホンをとった作品だ。

内に秘めた破壊衝動と葛藤する売れない小説家の主人公・慎一を演じるのは『東京リベンジャーズ』『燃えよ剣』『余命10年』などの山田裕貴。離婚を機に息子とともに慎一のもとに身を寄せるヒロイン・裕子を、松本まりかが演じている。

(C)2022 クロックワークス

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若くして小説家デビューするも、その後は鳴かず飛ばず、同棲中だった恋人にも去られ、鬱屈とした日々を送る慎一(山田裕貴)。そんな彼のもとに、友人の元妻、裕子(松本まりか)が、幼い息子アキラを連れて引っ越してくる。慎一が恋人と暮らしていた一軒家を、離婚して行き場を失った2人に提供し、自身は離れのプレハブで寝起きするという、いびつな「半同居」生活。自分自身への苛立ちから身勝手に他者を傷つけてきた慎一は、そんな自らの無様な姿を、夜ごと終わりのない物語へと綴ってゆく。書いては止まり、原稿を破り捨て、また書き始める。それはまるで自傷行為のようでもあった。一方の裕子はアキラが眠りにつくと、行きずりの出会いを求めて夜の街へと出かけてゆく。親として人として強くあらねばと言う思いと、埋めがたい孤独との間でバランスを保とうと彼女もまた苦しんでいた。そして、父親に去られ深く傷ついたアキラは唯一母親以外の身近な存在となった慎一を慕い始める。慎一と裕子はお互い深入りしないよう距離を保ちながら、3人で過ごす表面的には穏やかな日々を重ねてゆく。だが2人とも、未だ前に進む一歩を踏み出せずにいた。

 
 

解禁された予告編は、山田演じる人生をあきらめかけた小説家・慎一の家に、松本演じる愛をあきらめかけたシングルマザー・裕子が引っ越してくる場面からスタート。慎一が元恋人・文子(中村ゆりか)との別れ際にボロボロになりながら泣き叫ぶ慎一姿や、裕子に「向こうはあいつと住んでいたところだから」と気持ちを明かすシーンなども公開されている。また、裕子が「アキラを寝かせて一人でいられないの」と孤独な心の内を明かす場面や、離婚届に判を押して相手の女性を睨みつけるシーン、さらに、ひとり息子のアキラが眠りについた後に行きずりの出会いを求めて夜の街へと出かけ、寂しさを紛らわせる姿も映し出される。そんな裕子をプレハブ小屋から覗きながら、見て見ぬふりをする慎一。さらに、慎一と裕子が互いを求めるシーンや、「このままやってみたらどう?結婚もしてないのに、家庭内別居」と慎一が提案する一幕など、半同居生活にわずかな光がさすかのような様子も描き出されている。

『夜、鳥たちが啼く』は12月9日(金)新宿ピカデリーほか全国公開。

作品情報

映画『夜、鳥たちが啼く』
(2022年/日本/115分/ビスタ/DCP5.1ch)
出演:⼭⽥裕貴、松本まりか
森優理斗、中村ゆりか、カトウシンスケ/藤田朋子/宇野祥平、吉田浩太、縄田カノン、加治将樹
監督:城定秀夫 脚本:⾼⽥亮
原作:佐藤泰志「夜、⿃たちが啼く」(所収「⼤きなハードルと⼩さなハードル」河出⽂庫刊)
製作・配給:クロックワークス
映倫:R15
公式サイト:https://yorutori-movie.com/
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