早霧せいなインタビュー 舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』ハーマイオニー役で感じた「ただ舞台に立つことが楽しい」という気持ち

インタビュー
舞台
2022.10.7
早霧せいな

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世界中のファンを熱狂させ、数々の演劇賞を受賞した舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』。日本オリジナルキャストで2022年7月8日(金)に開幕してからは、その壮大な世界観と舞台上で繰り広げられる魔法の数々が大きな話題を呼んでいる。(プレビュー公演は6月16日(木)開幕)現在もロングラン公演を続ける本作にハーマイオニー・グレンジャー役で出演中の早霧せいなに、公演を通して感じている手応え、そして出演しているからこそ感じる本作の魅力を聞いた。

――これだけ長いロングラン公演は初めての経験だと思いますが、プレビュー公演から約3カ月を経て、今、どんなお気持ちですか?

正直なところ、お稽古が始まるまでは不安でした。体力的なこともそうですし、(本作を演じることに)飽きてしまったらどうしようというメンタル的なことも、想像できなかったんです。ですが、稽古から数えて6カ月、全く飽きることなく楽しくやれています。それは、やっぱり脚本と演出のおかげだと思います。そして、一緒にやっているキャストの皆さんのおかげです。出自はバラバラですが、同じ目標を持って、同じ方向を見ていることを感じられるので、最初からチームワークができていましたし、相手へのリスペクトもありました。それはきっと、海外スタッフの皆さんが、私たちをそういうふうに導いてくださったんだと思います。本当に日々楽しく、やりがいを感じています。

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』

――ロングランだからこそ、気をつけていることはありますか?

ロングランだからということでもないですが、この作品は魔法が多いだけに、安全面で気をつけなければいけないことがたくさんあるんですよ。例えば、自分がセリフを言うとこれが発動するとか、ここに立たないと何かができないというような“きっかけ”がものすごくたくさんあって、それをシビアに守らなければ、お客さまにきちんと伝えられなくなってしまうんです。なので、通常の舞台に比べて、気を遣う部分が少し違います。ただ、そのお陰で、ピリッとした空気が常にあって、それが鮮度を保つのに良いのかもしれません。

――先ほど、「飽きずに楽しくやれているのは、脚本と演出のおかげだ」という言葉がありましたが、この作品の魅力として、やはりまずは戯曲の素晴らしさが挙げられる?

いつも舞台袖で最後のシーンを見守っているんですが、「今日もいい話だった!」ってお客さまと一緒にリアクションしてます(笑)。それくらい、いい話だとしみじみ感じていますね。今日はこのキャラクターのこのセリフが心に入ってきた、今日はこっちというように、心に響くセリフがその日によって変わるんですよ。それは、子どもから大人までどの世代にも響くセリフが散りばめられているからだと思います。大人が観たら、自分が思春期だった頃を思い出してタイムスリップできると思いますし、子どもたちはアルバスたちと同じ気持ちで世界にどっぷり入り込める。誰が観ても楽しめるので、飽きないですし、戯曲が良いってこういうことをいうんだと実感しています。

――ハリーとアルバスの親子愛も素敵ですよね。

そうですね。魔法で魔法界を救った子どもも、子育てではこんなにも苦労していると思うと、親近感が湧きますよね。ハリーは、(アルバスに)それは言っちゃいけないでしょっていう言葉をたくさん言ってしまうし、本当に子育てが下手(笑)。ですが、そんな支えたくなるようなところもハリーの魅力だと思います。

>(NEXT)世界的に人気の作品、人気のキャラクターを演じること

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