フランスを拠点に活動するカンパニーXYと振付家ラシッド・ウランダンが初タッグ『Möbius/メビウス』開幕
撮影:川並京介
2022年10月21日(金)世田谷パブリックシアターにて、カンパニーXY with ラシッド・ウランダン『Möbius/メビウス』が開幕した。
カンパニーXYは、フランスを拠点とし世界中で注目を集める現代サーカスのカンパニー。
「早く行きたいなら一人で。遠くにいきたいなら皆で」を合言葉に“集団で行うアクロバット”にこだわった彼らの作品は、高度なアクロバット技術とチームワークによって身体のみで美しい情景を作り出し、世界各地で喝采を浴びており、2017年に世田谷パブリックシアターで上演した『夜はこれから』以来5年ぶり、待望の再来日となる。
2019年9月に発表された『Möbius/メビウス』は、フランスのコンテンポラリー・ダンス界の最前線で活躍し、2021年にフランス国立シャイヨー劇場のディレクターにも就任した振付家、ラシッド・ウランダンと、カンパニーXYが初タッグを組んだ作品としても話題となった。
舞台美術が一切ない舞台上で、19名のアーティストが空を舞うムクドリの群れのように、抜群のチームワークで連なり、飛び、空中で身体をひるがえしながら、滑らかに美しい光景を描きだしていく。
お互いを信頼し、身体を預け、飛び込み、完璧にシンクロナイズするその姿は、ディスタンスが当たり前となった今の時代に、人と人が手をつなぎ共に生きる素晴らしさを思い出させてくれる、人生賛歌のようでもある。
撮影:川並京介
撮影:川並京介
現代サーカスは、「アートとスポーツの間」と呼ばれ、スポーツを越える身体能力の高さと、研ぎ澄まされた身体の動きだけで多彩な表現を繰り出すその芸術性の高さから、世界中で注目されている。まさにその代表とも言える本作『Möbius/メビウス』は、人の身体が生み出す造形の美しさ、身体表現の限りない可能性と豊かさを存分に楽しめる作品となる。
ラシッド・ウランダン(振付・コラボレーションアーティスト)コメント
XYとの共同作業は、そのダイナミクスな振付と重力に逆らう彼らのスキルから見られるように、驚くべき探求の旅であったことが証明されています。グループが達成しためまいがするほどの高さは、振付の境界線を押し広げ、空を飛ぶムクドリの群れと同じくらい謎めいた作品を生み出したのです。ムクドリの驚くべき空中での動きはとても調和しているように見えますが、その機能はまだ解明されていません。私たちのコラボレーションの核心は、永遠に変化し続ける”空中バレエ”の神秘にあるのです。