初日に40歳の誕生日を迎えた小栗 旬、演出の吉田鋼太郎よりコメント到着 彩の国シェイクスピア・シリーズ最後の作品『ジョン王』が開幕
『ジョン王』小栗 旬 撮影:宮川舞子
2022年12月26日(月)Bunkamuraシアターコクーンにて、吉田鋼太郎による演出、小栗 旬の主演舞台、彩の国シェイクスピア・シリーズ『ジョン王』が最終舞台稽古を終え、初日を迎えた。この度、舞台写真と吉田鋼太郎&小栗 旬のコメントが届いた。
1998年のスタート以来、芸術監督・蜷川幸雄のもとでシェイクスピア全37戯曲の完全上演を目指し、国内外に次々と話題作を発表してきた彩の国シェイクスピア・シリーズ。その芸術監督を引き継いだ吉田鋼太郎によって、シリーズ真の完結を迎える作品となる『ジョン王』。上演される機会が非常に少なく“幻の歴史劇”と呼ばれるほどの本作を、今の日本の観客にいかに届けるべきか腐心したという吉田がテーマと捉えたのは、本作が全編に渡り描いている“国と国との戦争”。本来であれば2020年6月に上演される予定であった『ジョン王』は世界を襲った災厄により延期となり、奇しくも“戦争”が強く意識されることになった2022年の年末に開幕するという偶然を必然と捉え、本作の演出構想を一変させたという。
今秋に再演されたシリーズ第36弾の『ヘンリー八世』とは全く異なる世界観を演出し、吉田の演出手腕の幅広さと、強いメッセージを感じる作品となった。
主役となる私生児役を演じるのは、主演を勤め上げたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が最終回を迎えたばかりの小栗旬。26日、舞台の初日が自身40歳の誕生日となった小栗は、10代から舞台に立ち続けた彼だからこその多彩な表現で、ひとりの青年が出生の真実を知り王族となって戦争に足を踏み入れていく様子を演じる。
(左より)玉置玲央、吉田鋼太郎 撮影:宮川舞子
1993年に吉田鋼太郎も演じたこの役はシェイクスピア作品の見せ場である独白が多い難役だが、小栗は16年ぶりのシリーズ参加というブランクを感じさせない緩急のあるセリフ回しで言葉を的確に客席へ届ける。セリフだけでなく、殺陣や、とある演出でも観客を魅了し物語へ引き込んでいく。
(左より)中村京蔵、吉原光夫 撮影:宮川舞子
ジョン王役の吉原光夫は本作がシェイクスピア作品初挑戦となるが、ミュージカルで培った華々しい存在感がタイトルロールにぴたりとはまるだけでなく、こまやかな芝居が人間的魅力にあふれ、一国の主の傲慢と虚勢と弱さをあぶりだしていく。
(左より)吉原光夫、吉田鋼太郎 撮影:宮川舞子
吉田はフランス王役としても出演。シェイクスピアの言葉ひとつひとつを真に理解しようと心を砕き口にするそのセリフからは、観客が受け取るべき真実が見えてくる。
(中央より)植本純米、白石隼也 撮影:宮川舞子
高橋 努 撮影:宮川舞子
約400年前に描かれた本作と現代を結びつける構造を加え、かつて若者がメッセージを込めて歌ったフォークソングが流れる、吉田の用意した演劇的な仕掛けに観客は心を揺さぶられてエンディングを迎えるだろう。
上演時間は1幕80分、休憩20分、2幕80分の3時間予定。
本公演は、12月26日(月)~1月22日(日)まで渋谷・Bunkamuraシアターコクーンにて上演。その後1月26日(木)~29日(日)愛知・御園座、2月3日(金)~12日(日)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、2月17日(金)~24日(金)埼玉・埼玉会館にて上演される。
(左より)小栗 旬、吉原光夫 撮影:宮川舞子
イングランド王ジョン(吉原光夫)の下へ、先王リチャード1世の私生児だと名乗る口の達者な男が現れる。ジョンの母エリナー皇太后はその私生児・フィリップ・ザ・バスタード(小栗 旬)を親族と認め従えることを決める。
そこへフランス王フィリップ2世(吉田鋼太郎)からの使者がやってくる。ジョンは、正当な王位継承者である幼きアーサーに代わってイングランド王となっていたが、「王位をアーサーに譲り、領地を引き渡すよう」に要求しにきたのだ。それを拒んだジョン王は、私生児を従えてフランスと戦うために挙兵する。
まんまと王族の仲間入りをした私生児は、権力者たちの愚かなふるまいを鼻で笑いながらも、戦争へと巻き込まれていく。
アーサーの存在が疎ましいジョン王は、腹心の臣下であるヒューバートに、恐ろしく非情な命を下す。この決断が、ジョン王と私生児の運命を大きく狂わせるのだった。
権力者の思惑に振り回され、世界は混迷を極めていく——
■吉田鋼太郎 コメント
いよいよ彩の国シェイクスピア・シリーズ最後の作品『ジョン王』が開幕いたします。
主演に小栗旬くん、ジョン王役に吉原光夫さんを迎え、非常に中身の濃い作品となっております。
また、滅多に上演されることのないレアな作品でもあります。この機会をお見逃しなく。
様々な衝撃を、色々な想いを、皆さんの胸に送り込むことが出来るのではないかと思っております。
ぜひ楽しみにしていらしてください。
今回はリラックス・パフォーマンスという新しい試みも行います。芝居の中身はいつも通りに、幅広く、色々な方に観ていただけたら幸いです。
色々なサポートも用意されているようなので、ぜひ利用してみてください。
■主演:小栗 旬 コメント
今ゲネプロを終えて、なんと口にしていいかまだまとまらないけれど、とにかく高カロリーな芝居です。
「何を見せられているんだろう」と戸惑う瞬間もあるかもしれません。
僕たちはとことん真面目に、今あるこの世界の中で『ジョン王』という物語を上演したらどうなるだろう、どうすべきだろう、と皆で向き合って創った作品なので楽しんでもらえたら嬉しいです。
また、今回はリラックス・パフォーマンス公演もあります。
初めての試みで、俳優陣にとってもどんなことになるのかドキドキする部分もありますが、普段は演劇を観に行くことに躊躇してしまう方々にも、気楽に一つの娯楽として楽しんでいただける機会になれば、とても良いことだなと思っています。
公演情報
『ジョン王』
<スタッフ>
作:W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子
上演台本・演出:吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)
制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ
企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会
1幕:80分/休憩20分/2幕:80分 計:3時間予定
※開場は開演の45分前予定
<東京公演>
日程:2022年12月26日(月)~2023年1月22日(日)
会場:Bunkamuraシアターコクーン
主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ
お問合せ:ホリプロセンター 03-3490-4949(平日 11:00-18:00/土日祝 休)
<愛知公演>
日程:2023年1月26日(木)~29日(日)
会場:御園座
主催:御園座/中日新聞社
お問合せ:御園座 052-222-8222(平日10:00-18:00)
https://www.misonoza.co.jp
※東京公演とは出演者・配役が一部異なります。
日程:2023年2月3日(金)~12日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
主催:梅田芸術劇場/ABCテレビ
お問い合わせ:梅田芸術劇場 06-6377-3888(10:00~18:00)
※東京公演とは出演者・配役が一部異なります。
日程:2023年2月17日(金)〜24日(金)
会場:埼玉会館 大ホール
主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
お問合せ:SAFセンター 0570-064-939
(休館日を除く10:00〜19:00 ※10/7より月曜・休館日を除く10:00~17:00)
※東京公演とは出演者・配役が一部異なります。
中村京蔵 玉置玲央 白石隼也 高橋 努 植本純米 櫻井章喜
間宮啓行 廣田高志 塚本幸男 飯田邦博 坪内 守 水口テツ 鈴木彰紀 堀 源起 阿部丈二 山本直寛 續木淳平 大西達之介 松本こうせい 酒井禅功/佐藤 凌(Wキャスト)
劇場HP= https://www.saf.or.jp/
ホリプロステージ= https://horipro-stage.jp/stage/kingjohn2022/
彩の国シェイクスピア・シリーズ公式Twitter= https://twitter.com/Shakespeare_sss