南沙良インタビュー「恐竜や巨大生物が大好きなんです」 特別展『恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造』の魅力とは?
特別展『恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造』展覧会 ナビゲーター・南沙良
特別展『恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造』が、2023年5月31日(水)から7月22日(土)まで、東京・上野の森美術館にて開催される(5月14日(日)まで、兵庫県立美術館にて開催中)。恐竜展といえば化石などが主役の展示が多いが、本展は恐竜など古代生物を描いた「パレオアート」の世界に着目した異色の展覧会だ。
本展の音声ガイドを務めたのは、恐竜など巨大生物好きを公言している、俳優の南沙良。念願だった恐竜関連の仕事に気合いが入る南に、本展の魅力などを聞いた。
昔から恐竜や巨大生物が好き
ーー今回、音声ガイドに初挑戦されました。最初に音声ガイドのオファーを受けたときは、どんなお気持ちでしたか?
私は昔から恐竜などの巨大生物が大好きなので、 素直に嬉しいなと思いました。
ーー恐竜関連のお仕事という意味でも、今回が初めてですよね。
はい、初めてです! 恐竜に関わるお仕事をずっとやってみたかったので、とても嬉しいです。
ーー本展は、恐竜の化石ではなく、恐竜の絵を集めた展覧会です。そのコンセプトについてはどう感じますか?
すごく珍しい展覧会だなと思いました。昔、図鑑で見た絵などが実物で見られることなんて、なかなかないですよね。ワクワクしましたし、実物を早く見に行きたいなと思いました。
ーー音声ガイドの収録の感想や工夫されたことを教えてください。
普段使わない難しい言葉が多く、正直、収録は苦戦しました。お芝居の場合は表情や体を使って表現することができますが、吹き替えや音声ガイドは声だけなので……。でも、作品を見ながらの収録だったので、いろいろ発見がありましたし、楽しみながら収録できたと思います。
工夫としては、声のトーンをなるべく一定にして、聞いてくださる方が聞きやすいようにしました。また観覧の邪魔にならないように心がけて収録しました。
ーー特に気に入った作品や面白いなと思った作品はありましたか?
まずはイグアノドンの絵(※ジョン・マーティン《イグアノドンの国》など)ですね。このおよそ200年の間に研究が進んで、姿が変わっていくというか、進化していくんですよ。今回の展示で初めて見ましたが、興味深いなと思いました。
それからロバート・ファレン《ジュラ紀の海の生き物―ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)》も好きでした。私は海棲爬虫類も好きで、ちょっと不気味なんですが、可愛いなと見入ってしまいました。また、チャールズ・R・ナイトが描いた《白亜紀―モンタナ》は巨大生物が生き生きと描かれているのに、色合いは淡くて、面白いなと思いました。美術作品としても見応えがあるのではないかなと思います。
ジョン・マーティン《イグアノドンの国》1837年 水彩・紙 30.2×42.6cm ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ、ウェリントン Gift of Mrs Mantell-Harding, 1961. Te Papa (1992-0035-1784)
巨大生物に憧れていた幼少期
ーーそもそも巨大生物を好きになったきっかけは?
特別なきっかけがあったわけではないんですけど、昔から巨大生物が好きでしたね。大きい生き物にとにかく憧れていたんです。図鑑を眺めたり、『ジュラシック・パーク』などの映画を観たりして、恐竜好きになっていきました。
ーー憧れていたと仰いましたね。「怖い」ではなく「格好いい」といった気持ちの方が強かったのですか?
はい。すごく格好いいなと思っていました。それにもしタイムスリップして、その巨大生物を目の前にしたら、自分はこんなにちっぽけなんだと思ったら.……。わー! と興奮しませんか?(笑)。
ーー南さんは特にモササウルス推しだとお聞きしました。どんなところがお好きなんですか?
やはり1番は大きさですね。それに私は海の生き物も好きなので、実在するか分からないですけど、メガロドンなんかも好きなんです。 海って未知の世界じゃないですか。だから私がモササウルスやメガロドンがいる海に放り込まれたら……と妄想してしまいます。食べられたくはないんですけど(笑)、間近で観察してみたいです。
ーー小さい頃から妄想を広げて楽しんでこられたんですね。
はい、ずっと考えてました。「この絵の中に自分がいたらどうなるんだろう」とか「私はこんなに小さくて、巨大生物たちはこんな大きいんだ」とか、いろいろ考えながら楽しんでいました。
ーー小さい頃は特にどんな図鑑がお好きだったんですか?
恐竜図鑑と、犬などの動物図鑑はずっと読んでましたね。
ーーちなみに今、南さんが図鑑を作るとしたらどんな図鑑を読んでみたいですか?
なんだろう……。「体に悪い食べ物図鑑」とか読んでみたいかも。すごい派手な色をしているお菓子が並んでいるような図鑑があったら、読んでみたいです(笑)。
恐竜グッズを持っているとテンションが上がる
ーーこれまで訪れた美術館や博物館で印象的だったものはありますか?
原美術館は子どもの頃によく家族で行きましたね。強烈な印象を残したのは、岡本太郎さんの美術館。まだ小さかったので「怖い」という印象で……。夢に作品が出てきて、うなされていました(笑)。岡本太郎さんの作品は好きなんですけどね。
最近の話だと、プライベートで福井県立恐竜博物館に行きました。すごく楽しかったです! 恐竜のカチューシャをつけて、楽しみました。
ーー子供の頃から恐竜がお好きだという南さん。大人になった今は、どういう風に恐竜を楽しんでいるんですか?
コレクター気質なのかもしれませんが、家にティラノサウルス、トリケラトプス、イグアノドンのフィギュアがあるので、それを眺めています。あとは恐竜のパジャマやスリッパ、洋服も持っていますし、持ち歩いているポーチは恐竜が描かれています。
ーーお仕事の現場にも恐竜のグッズを持っていくのですか?
はい! 可愛いので、恐竜が描かれたニットなどを着ていきますよ。恐竜のグッズはお気に入り。持っていると、ちょっとテンションが上がるんです。
ーーちなみに今回の展覧会グッズに関してはいかがですか?
フランスの人気絵本『リサとガスパール』とコラボしたグッズも可愛いですよね。リアルな恐竜が描かれたポーチも可愛いなと思いました。早速コレクションにしたいです(笑)。
ーー改めて今回の特別展はどんな人におすすめしたいですか? 最後に一言お願いします!
細かく描写されたものから、ポップなものまで、いろいろな絵画が展示されているので、きっとみなさんそれぞれがお気に入りの作品を見つけられると思います。先ほどお話ししたイグアノドンの絵などは素直に「200年でこんなに変化したんだな〜」と驚くでしょうし、恐竜の皮膚などはとても細やかに描かれているので、そういう表現も見ていて面白いはず。詳しい解説もありますので、恐竜がお好きな方はもちろんですが、恐竜に詳しくない方でも楽しめる展示になっていると思いますよ!
文=五月女菜穂 写真=オフィシャル提供
展覧会情報
会場:上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
主催:産経新聞社、フジテレビジョン、上野の森美術館
協賛:DNP大日本印刷、JR東日本
企画協力:小田隆(画家・京都精華大学教授)、徳川広和(古生物造形作家・株式会社ACTOW代表)、田村博(ジャズピアニスト・恐竜グッズ収集家)、エリック・ビュフトー(古生物学者・フランス国立科学研究センター名誉研究部長)
制作協力:ウィステリアート
展覧会公式サイト:https://kyoryu-zukan.jp/
展覧会情報
会期:2023年3月4日(土)~5月14日(日)
会場:兵庫県立美術館
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日
主催:兵庫県立美術館、産経新聞社、関西テレビ放送
協賛:DNP大日本印刷、公益財団法人伊藤文化財団
特別協力:公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部
企画協力:小田隆(画家・京都精華大学教授)、徳川広和(古生物造形作家・株式会社ACTOW代表)、田村博(ジャズピアニスト・恐竜グッズ収集家)、エリック・ビュフトー(古生物学者・フランス国立科学研究センター名誉研究部長)
制作協力:ウィステリアート