新国立劇場バレエ団、英国らしい演劇的要素が盛り込まれたピーター・ライト版『白鳥の湖』を上演

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2023.3.15
『白鳥の湖』

『白鳥の湖』

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2023年6月10日(土)~6月18日(日)新国立劇場 オペラパレスにて、新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』が上演される。

本作は2021/2022 シーズンのオープニングで好評を得た、ピーター・ライトによるプロダクションの再演。このプロダクションは英国らしい演劇的要素が盛り込まれた重厚な作品となっており、英国でも長年上演され愛され続けている。

撮影:鹿摩隆司

撮影:鹿摩隆司

クラシック・バレエのアイコニックな作品として有名な『白鳥の湖』。王子と姫の恋、それを邪魔する悪役、そして情景を美しく表現するコール・ド・バレエというクラシック・バレエの基本要素が凝縮され、バレエ団としての真価が問われる作品。白鳥のオデットと黒鳥のオディールの二役をひとりのダンサーが踊るのも『白鳥の湖』の大きな特徴で、主役ダンサーの性格の違う二役を踊り分けるテクニックと表現力は注目だ。

撮影:鹿摩隆司

撮影:鹿摩隆司

また、チャイコフスキーの叙情的な音楽は「情景」「四羽の白鳥の踊り」など有名な曲も多く、耳にしたことがある方も多いはず。そうしたクラシック・バレエの王道の魅力に加えて、ピーター・ライト版では演劇的な要素が加わり、まるでシェイクスピア劇のようなドラマティックさが際立つ。フィリップ・プロウズによる重厚感のある美術・衣裳も、観客をその世界観へ誘ってくれる。

撮影:鹿摩隆司

撮影:鹿摩隆司

ピーター・ライト版ではプロローグ冒頭、王の葬儀のシーンから物語がスタートする。このように、王子をはじめとするキャラクターたちの置かれた状況や設定が論理的に示され、それぞれの心理描写も緻密に表現されている。3幕の宮廷の舞踏会、王子の花嫁候補たちの踊りも独特な演出のひとつ。民族舞踊の群舞だけでなく、3人の花嫁候補がヴァリエーションを踊り、各々が国を代表してやってきたというストーリーがしっかりと見える演出となっている。

撮影:鹿摩隆司

撮影:鹿摩隆司

その他、4幕のそれぞれが意思をもった白鳥たちのドラマティックな群舞や衝撃的なラストなど、見どころはもりだくさん。厚みのあるストーリー展開を楽しもう。

【あらすじ】
先王である父の死後、王子ジークフリードは新たな王として戴冠し、結婚することが求められていた。彼はそれまでの自由を失うことを恐れ、愛してもいない結婚相手を選ぶことにためらいを感じていた。ジークフリード 21 歳の誕生日の夜、彼に弓矢のプレゼントを贈るために宮廷の友人たちが集った。友人でもある侍従ベンノがジークフリードの気晴らしのために催した宴の真最中に、王妃である母が現れる。宮廷がまだ喪に服している中での大騒ぎにショックを受けた王妃は、翌日には花嫁を選ばなくてはいけないと王子に告げ、意気消沈した彼をその場に残して立ち去る。ベンノはジークフリードを元気づけようと、友人たちと未来の王位継承を祝って乾杯のダンスを踊る。友人たちが帰っていった後、白鳥の一群が空を渡っていく。ベンノはジークフリードにプレゼントの弓矢を試すよう促し、二人は白鳥たちを追っていく。
湖岸に着いたジークフリード王子は、ベンノに白鳥を探しに行かせる。一人残った王子は、そこに魔術師ロットバルト男爵の邪悪な存在を感じとる。突然一羽の白鳥が舞い降りてくる。
そして王子が驚き見つめるなか、美しい乙女に姿を変える。その若い娘こそオデット姫であった。オデットと彼女の仲間たちはロットバルトによって白鳥の姿に変えられ、夜の間だけは人間の姿に戻れるのだ。オデットにかけられた魔法は、まだ恋をしたことをない者が彼女に永遠の愛を誓い、結婚の約束をすることで解くことができるという。ジークフリードはオデットへの永遠に続く真実の愛を誓う。姿を現したロットバルトにジークフリードが矢を向けるが、オデットはそれを遮り、魔術師が死ぬと、魔法の呪いは永久に解けなくなると話す。
さらにオデットは、もしジークフリードが愛の誓いを破るようなことがあったら、彼女は永遠に白鳥の姿でいなくてはならないと伝える。やがて夜明けが訪れ、オデットと仲間たちは白鳥の姿に戻り、湖へと帰っていく。
翌日、壮麗なレセプションには、ジークフリード王子の結婚相手の候補として3人の王女が招かれていた。3人の王女たちはそれぞれジークフリードのために踊りを披露するが、彼は心ここにあらずの様子で、花嫁を選ぶことを断ってしまう。ファンファーレが鳴り響き、予定されていなかった客人の到来を告げる。それは使節に身を扮したロットバルトと、魔法でオデットそっくりに姿を変えた、彼の娘オディールだった。
王子は驚くほどオデットに似たこの見知らぬ客人に心奪われ、やがてこの女性が白鳥の姫だと信じ込んでしまう……。

 

公演情報

2022/2023 シーズン
新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』
Swan Lake
 
日程:2023年6月10日(土)~6月18日(日)
会場:新国立劇場 オペラパレス
予定上演時間:約3時間(休憩含む)
 
スタッフ
【振付】マリウス・プティパ / レフ・イワーノフ / ピーター・ライト
【演出】ピーター・ライト / ガリーナ・サムソワ
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【美術・衣裳】フィリップ・プロウズ
【照明】ピーター・タイガン
 
【出演】新国立劇場バレエ団

2023年6月10日(土)14:00
【オデット/オディール】米沢 唯
【ジークフリード王子】福岡雄大
 
2023年6月11日(日)13:00
【オデット/オディール】柴山紗帆
【ジークフリード王子】井澤 駿
 
2023年6月11日(日)18:30
【オデット/オディール】小野絢子
【ジークフリード王子】奥村康祐
 
2023年6月13日(火)13:30
【オデット/オディール】米沢 唯
【ジークフリード王子】 福岡雄大
 
2023年6月14日(水)13:30
【オデット/オディール】吉田朱里

【ジークフリード王子】渡邊峻郁
 
2023年6月15日(木)13:30
【オデット/オディール】柴山紗帆
【ジークフリード王子】井澤 駿
 
2023年6月17日(土)13:00
【オデット/オディール】吉田朱里

【ジークフリード王子】渡邊峻郁
 
2023年6月17日(土)18:30
【オデット/オディール】米沢 唯
【ジークフリード王子】速水渉悟
 
2023年6月18日(日)14:00
【オデット/オディール】小野絢子
【ジークフリード王子】奥村康祐

【指揮】ポール・マーフィー / 冨田実里
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
 
出演を予定していた木村優里は、怪我からの復帰に向けて準備を重ねていたが、『白鳥の湖』オデット/オディール役を万全の状態でパフォーマンスできるまでの回復には至っていないと判断し、降板することとなった
ついては、下記の通り出演者が交替となる。
 
『白鳥の湖』オデット/オディール役
2023年6月14日
13:30公演、17日(土)13:00公演   木村優里 → 吉田朱里

なお、この変更に伴うの払い戻しはなし。

一般発売日:2023年3月25日(土)10:00~
 
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