旧約聖書の十戒をモチーフにした十篇の連作集『デカローグ 1~10』が開幕 舞台写真&出演者コメントが公開
【プログラムA】(演出:小川絵梨子) デカローグ1 ある運命に関する物語 (右から)ノゾエ征爾、石井 舜 撮影:宮川舞子
2024年4月13日(土)新国立劇場 小劇場にて、『デカローグ 1~10』が開幕し、この度、1話~4話の各舞台写真と、プログラムA「デカローグ1」よりノゾエ征爾、高橋惠子、「デカローグ3」より千葉哲也、小島聖、そしてプログラムB「デカローグ2」より前田亜季、益岡徹、「デカローグ4」より近藤芳正、夏子のコメントが届いた。
【プログラムA】(演出:小川絵梨子) デカローグ1 ある運命に関する物語 (右から)ノゾエ征爾、石井 舜、高橋惠子 撮影:宮川舞子
『デカローグ』は、「トリコロール」三部作、『ふたりのベロニカ』で知られる、ポーランドの名匠クシシュトフ・キェシロフスキが発表した作品。旧約聖書の十戒をモチーフに1980年代のポーランド、ワルシャワのとある団地に住む人々を描いた十篇の連作集だ。もともとテレビ放映用ミニ・シリーズとして1987-1988年にかけて撮影されたこの作品は、テレビ放映に先駆けて「デカローグ5」と「デカローグ6」の2本を劇場公開バージョンに編集し『殺人に関する短いフィルム』『愛に関する短いフィルム』として1988年に発表、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞するなど国際的に高い評価を受けた。その後、テレビシリーズも 1989 年ヴェネツィア国際映画祭で上映、後に世界で劇場公開された。
【プログラムA】(演出:小川絵梨子)デカローグ3 あるクリスマス・イヴに関する物語 (右から)千葉哲也、小島 聖 撮影:宮川舞子
今回、この十篇の物語を完全舞台化。上演台本を作家、須貝 英が担当。演出には、新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子、そして上村聡史の二人があたり、各5話ずつ担当。そして、全篇に登場する、登場人物たちを見守る”天使“と呼ばれる存在。物語ごとに全く違う職業の人間になり、各エピソードの主人公の選択や岐路には関与せず、ただ見守る。その難役を、小川、上村両名が信頼を寄せる、亀田佳明が担う。
【プログラムB】(演出:上村聡史)デカローグ2 ある選択に関する物語 (右から)前田亜季、益岡 徹 撮影:宮川舞子
なお、本公演では全10話を大きく3つのブロックに分け、4~5月は『デカローグ1~4』(プログラム A・B)を、5~6月は『デカローグ5~6』(プログラム C)を、そして6~7月は『デカローグ7~10』(プログラム D・E)を上演する。
【プログラムB】(演出:上村聡史)デカローグ4 ある父と娘に関する物語 (右から)近藤芳正、夏子 撮影:宮川舞子
『デカローグ 1~4』[プログラムA・B交互上演]コメント
プログラムA
デカローグ1 ある運命に関する物語
■ノゾエ征爾
役への取り組み方から現場の雰囲気まで、海外の演劇作品に参加しているかのような初体験尽くしで、ただただ夢中に、がむしゃらになっていたら、あっという間にもう開幕ですって。お客さんに楽しんで頂きたい一心で皆で取り組んでおります。是非ともこの作品の目撃を!!
■高橋惠子
本日無事に初日を迎える事ができ、お運びいただいたお客様への感謝と共に、これからの長い旅路がスタートした事を実感しています!
デカローグ1のイレナとして瞬間瞬間の相手や周りの変化や輝きを感じながら悔いのないよう、生きてみようと思います。
是非今こそ観て頂きたい物語です。
ご来場をお待ちしております!
大学教授の父と、世の中で起きることを数学で解いていく息子。彼らを待ち受ける苛酷な運命。
大学の言語学の教授で無神論者の父クシシュトフは、12歳になる息子パヴェウと二人暮らしをしており、信心深い伯母イレナが父子を気にかけていた。パヴェウは父からの手ほどきでPCを使った数々のプログラム実験を重ねていたが……。
デカローグ3 あるクリスマス・イヴに関する物語
■千葉哲也
初日開きました!
タイトな稽古時間でしたが中身が本当に濃い…充実した時間を過ごさせていただきました。
ドラマのデカローグとはかなり違う作品になり、演劇ならではの作品になったのではないかと思います。
これからも本番という旅が続きますが、素敵な時間を観客の皆様に体験して頂ければと思います。
こうして無事に初日を迎えられた事を、演出家はじめ、スタッフ、共演者に心からの感謝。
■小島 聖
桜の花びらも散り始め、そろそろ新緑の季節ですが、今日から私は千秋楽までクリスマスイブの日に身を置いています。
ポーランドのクリスマスはどのくらい寒いのでしょうか。家の中は暖かい時間が流れている中、やりきれない気持ちを束の間、手放したくて外にいます。日常の中のささやかな旅です。夜中から朝の7時まで。朝日が昇る前までの数時間、どうぞ一緒に旅してください。
そしてそれぞれの日常に戻っていきましょう。
クリスマス・イヴ。妻子とともにイヴを過ごすべく、タクシー運転手のヤヌシュが帰宅する。子供たちの為にサンタクロース役を演じたりと仲睦まじい家族の時間を過ごすが、その夜遅くヤヌシュの自宅に元恋人の女性エヴァが現れ、ヤヌシュに失踪した夫を一緒に探してほしいと訴える……。
プログラムB
デカローグ2 ある選択に関する物語
■前田亜季
ついに開幕です。
時代は1980年代後半のポーランドですが、今の私たちにも通ずる、普遍的な悩みや葛藤の中で人生を歩んでいる人々の物語です。
人間の不甲斐ない部分も含め、日々を生きていく背中にそっと手を添えてくれる様なキェシロフスキの優しい視点や肯定感に、稽古中何度も救われる気持ちになりました。
お客様にも、この団地の住人として感じてもらえたら嬉しいです。舞台ならではのデカローグを見ていただけるよう、精一杯この中で生きたいと思います。
■益岡 徹
稽古を重ねる事に、生きるということ、を考える作品だなと、実感しています。私の役の老いた医師は、戦争で妻や子供、家族を失なっています。その後40年以上をどう生きてきたのか、そのことは、書かれていません。おそらく1枚の家族の写真とその記憶と、厳しい人生を生きてきたのだろうと。そして身ごもった子供を産むべきか、堕ろすべきか苦しむドロタの姿に、それでも、人は生きるべきと医師は気がつく。私も、楽日までずっと考えることになりそうです。
交響楽団のバイオリニストである30代の女性ドロタと彼女と同じアパートに住む医長の二人。ドロタは重い病を患って入院している夫アンジェイの余命を至急知りたいと医長を訪ねる。ドロタは愛人との間にできた子を妊娠していた……。
デカローグ4 ある父と娘に関する物語
■近藤芳正
こんなに、心に汗掻いたのは初めてだ。 海外作品は、セリフが多いものだが、これは少ないセリフでのやり取りが多く、 セリフにならない感情、インナーボイスが溢れている。 そのうえ ミハウという役は ずっと悩み、迷い続け、自分では結論が出せなくなっていて、 例え出したとしても、それが正解なのかどうなのか まったく自信がなく、心のなかがぐちゃぐちゃになってる。 いまインナー下着脱いだら、やっぱ汗でぐちゃぐちゃだぁ コリャ凄いぞ! 言葉にならない声を聴きに来て欲しい。
■夏子
稽古場で、客席で、他の役者の方のお芝居を観ている時、何ものにも代え難い感動を味わいます。
このような感動を味わいたくて生きているんだなと思います。
今日始まった壮大な10篇の物語の一員としてお芝居できることが、改めてとても嬉しいです。
楽しんで頂けますように!
快活で魅力的な演劇学校の生徒アンカは、父ミハウと二人暮らし。母はアンカが生まれた時に亡くなった。父娘は友達同士の様に仲睦まじく生活していたが、ある日アンカは「死後開封のこと」と父の筆跡で書かれた封筒を見つける。その中身を見たアンカがとった行動とは……。
公演情報
【日程】2024年4月13日(土)~7月15日(月・祝)
【会場】新国立劇場 小劇場
【翻訳】久山宏一
【上演台本】須貝 英
【演出】小川絵梨子/上村聡史
「デカローグ1~4」(プログラム A&B 交互上演):2024年4月13日(土)~5月6日(月・休)
「デカローグ5~6」(プログラム C):2024年5月18日(土)~6月2日(日)
「デカローグ7~10」(プログラム D&E 交互上演):2024年6月22日(土)~7月15日(月・祝)
演出:小川絵梨子
出演:ノゾエ征爾、高橋惠子
チョウ・ヨンホ、森川由樹、鈴木勝大、浅野令子
亀田佳明
演出:小川絵梨子
出演:千葉哲也、小島聖
浅野令子、鈴木勝大、チョウ・ヨンホ、森川由樹
亀田佳明
演出:上村聡史
出演:前田亜季、益岡徹
坂本慶介、近藤隼、松田佳央理
亀田佳明
演出:上村聡史
出演:近藤芳正、夏子
松田佳央理、坂本慶介、近藤隼
亀田佳明
演出:小川絵梨子
出演:福崎那由他、渋谷謙人、寺十吾
斉藤直樹、内田健介、名越志保、田中亨
亀田佳明
演出:上村聡史
出演:仙名彩世、田中亨
寺十吾、名越志保、斉藤直樹、内田健介
亀田佳明
■プログラムD(デカローグ7、デカローグ8)
演出:上村聡史
出演:吉田美月喜、章平、津田真澄
大滝寛、田中穂先、堀元宗一朗、笹野美由紀、伊海実紗
亀田佳明
演出:上村聡史
出演:高田聖子、岡本玲、大滝寛
田中穂先、章平、堀元宗一朗、笹野美由紀、伊海実紗
亀田佳明
演出:小川絵梨子
出演:伊達暁、万里紗、宮崎秋人
笠井日向、鈴木将一朗、松本亮、石母田史朗
亀田佳明
演出:小川絵梨子
出演:竪山隼太、石母田史朗
鈴木将一朗、松本亮、伊達暁、宮崎秋人、笠井日向
亀田佳明
プログラムA
日時:4月24日(水)終演後
出演:ノゾエ征爾、高橋惠子/千葉哲也、小島 聖
プログラムB
日時:4月19日(金)終演後
出演:前田亜季、益岡 徹/近藤芳正、夏子
司会:中井美穂(両日とも)
入場方法:本公演(いずれの日程でも可)をご提示ください。