新国立劇場、こつこつプロジェクトStudio公演『夜の道づれ』 演出の柳沼昭徳よりメッセージが到着

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2025.1.17
こつこつプロジェクトStudio公演『夜の道づれ』

こつこつプロジェクトStudio公演『夜の道づれ』

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2025年4月15日(火)~20日(日)新国立劇場 小劇場にて、こつこつプロジェクトStudio公演『夜の道づれ』が上演される。この度、演出の柳沼昭徳よりコメントが届いた。

小川絵梨子演劇芸術監督が、就任とともに打ち出した支柱の一つ、「演劇システムの実験と開拓」としてスタートした「こつこつプロジェクト」。時間に追われない稽古の中で、一年間をかけて試演を重ね、その都度、演出家と芸術監督、制作スタッフが協議を重ね、上演作品がどの方向に育っていくのか、またその方向性が妥当なのか、そしてその先の展望にどのような可能性が待っているのかを見極めていくプロジェクトだ。

今回上演する『夜の道づれ』は、2021年からスタートした第二期からの参加作品。22年2月に行われた最終試演会後、さらに作品を深めてはどうかという協議がなされ、演出家の柳沼昭徳は、引き続き第三期メンバーの一人として、2024年にプロジェクトが再始動。今回は初めての試みである「Studio公演」として本プロジェクトの現時点の成果を公開する。

三好十郎によって書かれた『夜の道づれ』は1950年に文芸誌「群像」に初出、敗戦後の夜更けの甲州街道をとぼとぼと歩いている、男二人の一種のロードムービーのような戯曲。実際に夜の甲州街道で見聞きしたことをありのままに取り上げた、「いわばドキュメンタリイを志したもの」という三好の言葉通り、三好作品の中でもストーリー性は控えめで、とても演劇的実験性の高い作品となっている。

本作品に、約4年にわたり挑み続けているのは、京都を拠点に活躍する劇団烏丸ストロークロック主宰・柳沼昭徳。自身の創作のなかでも、「歩く」ことで人や事物と出会い、対話し、気づくことで過去を清算・懺悔するといった作品を作っていることもあり、本作に惹かれたとのこと。稽古では、実際に甲州街道を歩くフィールドワークを2回も行い、戯曲をフィジカル面でも検証。新宿を起点に徒歩移動した実距離と劇進行のタイムラインが重なる部分が多いことにも気づいたという。そして出演者は、石橋徹郎、金子岳憲、林田航平、峰 一作、滝沢花野。

(上段左から)石橋徹郎、金子岳憲 (下段左から)林田航平、峰 一作、滝沢花野

(上段左から)石橋徹郎、金子岳憲 (下段左から)林田航平、峰 一作、滝沢花野

試演会を重ねるにつれ、「発語」と「歩く」という行為が統合された俳優と、観客がまるで一緒に歩いている感覚に陥る不思議な作品へ変化をとげました。その時間と空間の関係を掘り下げ、さらなる深化を目指す。

【あらすじ】
敗戦後の夜更けの甲州街道。作家の御橋(みはし)次郎は、家へ帰る途中、見知らぬ男、熊丸信吉と出会う。歩く道すがら、2人の目の前には、若い女や警官、復員服の男、農夫などが次々と現れる。会話しながら進むうち、なぜ熊丸がこんな夜中にここを歩いているか語られだすのだが……


演出 柳沼昭徳からのメッセージ

柳沼昭徳

柳沼昭徳

敗戦を境に迎えた180度異なる新たな戦後日本の夜明け。人々が戦争の痛みを抱えながら、明日どうなるともわからないながら、復興する街を生きている。三好十郎は、このころの東京の街を歩きました。そこで見聞きしたことをありのままに取り上げたドキュメンタリーとして描いたのが本作です。ここでも多くの三好作品同様「いかに生きるか」という普遍的な問いと、孤独な人間同士が連帯することの絶望と希望が、三好節というべき言葉の質量で描かれています。
しかしこの『夜の道づれ』が他の作品群のなかで異彩を放っているのは、台詞で語られる言語だけでなく、人が劇中ほとんどの時間を歩き続けている点にあります。歩くことで生じる体の変化と、連動して生じる心の変化を劇要素にすることで、身体を起点にあるカタルシスを得ようとする挑戦がなされています。 歩く目的を「出離」と三好が表現するように、社会混乱のなか、迷いや不安を断つために世俗から離れ、真理に向かうこの物語ですが、いつの世であっても、七転八倒しながらも足を踏み出し続ける人間。その生き生きとした凄みを体感していただけると幸いです。  

公演情報

こつこつプロジェクトStudio公演『夜の道づれ』
 
【日程】2025年4月15日(火)~20日(日)
【会場】 新国立劇場 小劇場
※開場は開演の30分前。
 
【作】三好十郎
【演出】柳沼昭徳
【照明】鈴木武人
【音響】信澤祐介
【衣裳】山野辺雅子
【ヘアメイク】高村マドカ
【舞台監督】川除 学
【芸術監督】小川絵梨子
【主催】新国立劇場
 
【キャスト】
石橋徹郎、金子岳憲、林田航平、峰 一作、滝沢花野
 
【料金(税込)】
全席指定 2,750円/Z席(当日)1,650円
【一般発売】2025年2月15日(土)10:00~
 
申し込み・お問い合わせ】
新国立劇場ボックスオフィス TEL:03-5352-9999 (10:00~18:00)
新国立劇場Webボックスオフィス https://nntt.pia.jp/
 
* Z席1,650円 Z席は、公演当日朝10:00から、新国立劇場Webボックスオフィスおよびセブン-イレブンの端末操作により全席先着販売いたします。
先着販売後、残席がある場合は、公演当日朝11:00からボックスオフィス窓口でも販売いたします。※電話予約不可。
* 当日学生割引 公演当日残席がある場合、Z席を除く全ての席種について50%割引にて販売。要学生証。電話予約可。
* 各種割引 新国立劇場では、高齢者割引(65歳以上5%)、障がい者割引(20%)、学生割引(5%)、ジュニア割引(小中学生20%)、アトレ会員割引(5~10%)など各種の割引サービスをご用意しています。
 
【新国立シアタートーク】
日時:4月16日(水)終演後
出演:柳沼昭徳、全キャスト
司会:大堀久美子
入場方法:本公演(いずれの日程でも可)をご提示ください。
 
【トークバック】
「こつこつプロジェクト」の一環として、演出家や出演者から、直接お客様に観劇後のご感想やご意見をうかがいます。
4月17日(木)、19日(土)17:30公演終了後 @小劇場
出演:柳沼昭徳 ほか
注意事項=当日ご観劇のお客様にそのままご参加いただくプログラムです(他日程不可)。
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