こまつ座から“恩送り” 上映会やトークショーなどを行う、戦後80年イベント『井上ひさしの魂を次世代へ』が開催

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イベントゲスト出演(左から)普天間かおり、平一紘、富田靖子

イベントゲスト出演(左から)普天間かおり、平一紘、富田靖子


2025年7月23日(水)~27日(日)紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて、こまつ座戦後80年イベント『井上ひさしの魂を次世代へ』が開催されることが決定した。

作家・劇作家の井上ひさしが描きたいとしていた、ヒロシマ、ナガサキ、オキナワ。井上ひさしは『父と暮らせば』で原爆から3年後のヒロシマの夏が舞台の父と娘の物語を書いた。その後、書くことが叶わなかったナガサキとオキナワは、井上ひさしの意志を継ぎ井上麻矢が企画、メモや資料をもとに、多くの方々の力もあり上演された。

そして、今年の夏、『木の上の軍隊』が初映画化される。演劇から映像、すべての繋がりを大切に『父と暮せば』『木の上の軍隊』『母と暮せば』のこまつ座「戦後"命"の三部作」に触れてもらうために、こまつ座のホームともいえる紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで開催されることとなった。

「ヒロシマ」は、『父と暮せば』(1994年初演 演出:鵜山仁 出演:すまけい、梅沢昌代)に結実。生き残ったことに罪悪感を抱きながらもひっそりと暮らす娘の元に、原爆で死んだはずの父が表れて娘の恋を応援すると…二人芝居の傑作感動劇としてこれまでに全国各地で上演されて、1995年には広島での公演も実現。2015年には通算上映回数が500回を超えた。こまつ座初の海外公演を行った作品でもあり、2001年にモスクワで、2004年には香港で上演された。英語・フランス語・ロシア語・ドイツ語・イタリア語・中国語・スペイン語・アラビア語の八か国語に翻訳されるなど、世界中で親しまれている井上作品のひとつであり、井上自身も上演し続けて欲しいと願った作品の一つ。

「オキナワ」は、1990年にこまつ座第20回公演『木の上の軍隊』(演出 千田是也、出演 すまけい、市川勇)として上演が予定するも中止に。2010年、再度こまつ座&ホリプロ公演として『木の上の軍隊』が上演予定となるも、井上の肺ガン治療の為に延期。構想途中のまま井上はその年の4月に亡くなった。以後、こまつ座は井上が遺した種を大切に育て、その遺志を汲み新たな作品創りを続けた。2013年に作に蓬莱竜太を迎え、沖縄の「今」を見つめた作品としてこまつ座&ホリプロ公演として『木の上の軍隊』を発表。2016年にはこまつ座公演としての再演。2019年にはクラウドファンディングによる多くの方による力添えもあり、念願の沖縄公演も実現した。また、2015年・2023年にはそれぞれ韓国のカンパニーによる公演も行われた。そして2025年、沖縄出身の平一紘監督の製作で映画『木の上の軍隊』も上演される。

「ナガサキ」は『父と暮せば』の対になる作品として井上が遺した構想を基に2015年、名匠・山田洋次監督が製作した映画『母と暮せば』で結実。長崎で被爆した母と亡き息子の幽霊の交流をつづった監督初のファンタジー作品は大きな話題と深い感動を呼び、ヒットを記録。数多くの映画賞も受賞した。そして2018年、山田洋次監督が監修、井上戯曲の導き手の一人である栗山民也演出のもと、青森で現役の高校教師を務めながらも、劇団「渡辺源四郎商店」主宰でもある畑澤聖悟を作に迎えて舞台『母と暮せば』を上演。2021年に再演、2024年には念願の長崎での上演も実現した。

今回行われる、こまつ座戦後80年イベント『井上ひさしの魂を次世代へ』のみどころは、こまつ座主催のイベントとしては初めて舞台映像の上映会を開催。戦後80年の節目として、『父と暮せば』の公演と合わせて『木の上の軍隊』『母と暮せば』の舞台映像を上映。こまつ座「戦後“命”の三部作」を全て見ることができる。そして作品に関連するゲストを招いてのトークショーやミニライブを開催。また、劇場内にこまつ座や作品の歴史に触れられるよう、舞台や映画に関する写真・チラシ・ポスター・資料などを展示。さらに、「こまつ座マーケット」と題し、こまつ座作品の秘蔵グッズやthe座バックナンバーを特別価格で販売する。

公演情報

こまつ座戦後80年イベント『井上ひさしの魂を次世代へ』
 
日程・会場:2025年7月23日(水)~27日(日)紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
 
【イベント詳細】
●7月23日(水)演劇×映画
13:00~ 舞台『木の上の軍隊(2016年版)』上映
<普天間かおり トークショー+ミニライブ>
 
●7月24日(木)上映会
13:00~ 舞台『木の上の軍隊(2016年版)』上映
15:10~ 舞台『母と暮せば(2021年版)』上映
 
●7月25日(金)上映会
13:00~ 舞台『母と暮せば(2024年版)』上映
14:50~ 舞台『木の上の軍隊(2016年版)』上映
 
●7月26日(土) 演劇×映画
13:00~ 舞台『木の上の軍隊(2016年版)』上映
<平一紘監督 トークショー>
 
●7月27日(日) 演劇×映画
13:00~ 舞台『母と暮せば(2024年版)』上映
<富田靖子 トークショー>
 
前売り開始 6月16日(月)10:00
 
入場料 演劇×映画 5,000円(税込)上映会 3,500円(税込)5日間通し券 15,000円
※全席自由 ※記載日のみ有効 ※開場は開演の30分前
※当日券は開演1時間前より劇場入り口にて販売
 
こまつ座第154回公演『父と暮せば』観劇の方は上映会24日・25日のいずれか1日に招待
※半券をお持ちの上劇場にお越しください。満席の場合はご入場いただけない場合がございます。
 
のお問い合わせ・販売は こまつ座 03-3862-5941  https://www.komatsuza.co.jp まで
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