リアル・トラウム・シアター=ミュージカペラ『メリー・ウィドウ』に松浦景子(けっけ)が特別出演 全キャスト&配役が発表
2025年10月13日(月・祝) ~ 10月15日(水)三越劇場にて上演されるリアル・トラウム・シアター=ミュージカペラ『メリー・ウィドウ』 の全キャストならびに配役が発表となった。オペラ、ミュージカルで活躍する面々に加え、特別ゲストとしてバレエ芸人・けっけちゃんこと松浦景子の出演が決定。今回のキャスティング及び配役について、リアル・トラウムのリーダー・高島健一郎のインタビューが届いたので紹介する。
IL DIVOに始まり、日本でもLE VELVETSやTHE LEGENDなど多くのフォロワーを生んできたクラシカル・クロスオーヴァーの男性ヴォーカル・ユニット。メルビッシュ湖上音楽祭やドイツのオペレッタツアーに参加するなど国際的なキャリアを歩んできた、テノールの高島健一郎をリーダーとして、東京芸術大学を卒業した同門の声楽家たち4人が集まって結成されたREAL TRAUM(リアル・トラウム)もその系譜に位置するユニットである。
ドイツ語で「正夢・夢を実現する」といった意味のグループ名通りに、25年2月にはBunkamuraオーチャードホールでの公演を売り切り、5月には本場ウィーン・ヨハン・シュトラウス・ヴィルトオーゾと共演、7月には新日本フィルハーモニー交響楽団との共演も果たした。
さらに、グループ結成2周年記念企画として緊急発表された、リアル・トラウム・シアター=ミュージカペラ『メリー・ウィドウ』(レハール作曲のオペレッタの翻案)全5公演について、リーダーの高島とプロデューサーへのインタビューからその概要を前回お伝えしたが、その段階でまだ明かされていなかった、全キャストが順次発表され、さらに特別ゲストの出演も決定となったので、改めてお伝えする。
――オペラやオペレッタへの敷居の高さを払拭し、ミュージカルのようにそれらを演出して、楽しんでもらうために「ミュージカペラ」という言葉で、この企画を象徴的に説明いただきましたが、配役の名前やキャスティングが発表されるにつれて、その意味や意図も段々とはっきりしてきたように思えますね。
日本の観客の皆さんに現代でも違和感なく楽しんでもらうために、台詞と歌詞を全編ドイツ語から日本語に翻訳し、舞台もパリにあるポンテヴェドロ公国の大使館だったものを、パリの日本大使館の設定したことなどは先日お話したとおりです。主役の名前も、ハンナ・グラヴァリが倉田華奈(くらた・はんな)に、ダニロが谷朗希(たに・ろうき)と思い切って日本人に設定してみたこともお伝えしたと記憶していますが、他の役名も、原作でポンテヴェドロ公国の大使だったツェータは、日本の津田大使。狂言回しとも言えるニェグシュも、根岸三等書記官にしました。ただ、カミーユやサン・ブリオッシュ、カスカダなどパリのプレイボーイ達はそのままフランス人としました。津田大使の年の離れた妻もヴァランシエンヌでそのままフランス人です。
――なるほど。グぐっと身近な感じがしますね。順次発表されたキャスティングについてもうかがいたいのですが、高島さんがドイツで演じられていたカミーユではなく、ダニロだったのは意外でした。
そうですね。僕の中ではリアル・トラウムの4人で主要キャストを担当するなら、このキャスティングしかないと思っていました。若くてピュアなカミーユは声質を含め鳥尾君がぴったりですし、僕はより男性的な谷(ダニロ)を演じてみたいと思いました。 ダンディでどこか憎めない大使役は堺君しかいないですし、物語の鍵を握る根岸は演出も担当する杉浦くんと、驚くくらいメンバー全員が役にはまりましたね。
――そして、同じ世代で同じ感覚をもてるキャストやスタッフで、新しいものを生み出したい、だから、演出も杉浦くんに音楽監督も追川くんにとおっしゃっていましたが、女性の華奈やヴァランシエンヌのキャスティングもやはり同じ思いからですか?
そうですね。同じ時代に学んだ女性陣の中でも、今オペラ界の若手として最も活躍している小川栞奈さんに華奈役を、ミュージカル『タリータウン』で僕と共演して、難しい役を見事に演じていた田代明さんにヴァランシエンヌ役をお願いしました。サン・ブリオッシュ役の仁賀広大くんはプレイボーイなパリジャンの雰囲気がぴったりですし、カスカダ役の近藤真行さんはミュージカル『レ・ミゼラブル』で共演した杉浦くんからのオファーで出演して頂けることになりましたが、素晴らしい俳優さんなのでどんなカスカダになるのか今からとても楽しみです。オペラやミュージカルの世界から素晴らしい才能の方々が集まってくれて、台本の読み合わせをした段階で予想以上の手応えを感じましたし、そういう意味では今、ぼくらが考えうる最高のカンパニーになったと思っています。
――話をうかがえばうかがうほど、楽しみです。そして、さらになんとバレエとオルガ役で、YouTubeチャンネル「松浦景子の【けっけちゃんねる】」で、バレエ界にも大きな旋風を巻き起こしているけっけちゃんこと松浦景子さんがキャスティングされましたが。
松浦さんはプロデューサー・チームが別の企画で何度かご一緒したことがあって、オファーをしてみたところ快諾していただけました。『メリー・ウィドウ』のことはご自身もお好きだとおっしゃっているそうで、早くお会いして稽古をご一緒したいですね。台本もオルガ役は松浦さんのキャラクターが活きる形で翻訳し演出も行います。これはオリジナルにはない部分なので、そのあたりも楽しんでもらいたいです。
作品全体としては人間の恋愛の不思議、もどかしさのようなものにフォーカスして、現代の日本を生きる僕らも共感できる内容になったと思います。台本も完成し、読み合わせもスタートし、音楽稽古も始まっています。これから一か月半で皆さんに楽しんで頂ける最高の舞台に仕上げていきたいと思っていますし、僕がオペレッタの魅力だと思っている「おとぎ話の夢」を日本の皆さまにお見せしたいと思っています。
文:神山薫
公演情報
日程:2025年10月13日(月・祝) ~ 10月15日(水)
会場:三越劇場 (東京都)
ドイツ語翻訳:高島健一郎
演出:杉浦奎介
音楽監督:追川礼章
一般発売:9/13(土)10:00~