松竹創業百三十周年の掉尾を飾る『十二月大歌舞伎』 多彩な上演演目と配役が発表

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10:41
松竹創業百三十周年『十二月大歌舞伎』

松竹創業百三十周年『十二月大歌舞伎』


2025年12月4日(木)~26日(金)歌舞伎座にて上演される、松竹創業百三十周年『十二月大歌舞伎』の上演演目と配役が発表された。

第一部は、超歌舞伎 Powered by IOWN『世界花結詞(せかいのはなむすぶことのは)』。2023年12月、歌舞伎座に“初降臨”し大きな反響を呼んだことも記憶に新しい「超歌舞伎」が10年の節目を迎える今年、これまでの演目を散りばめた、まさに“十年のキセキをつなぐ決定版!!”として歌舞伎座に再降臨する。源朝臣頼光/袴垂保輔を中村獅童、傾城七綾太夫実は将門息女七綾姫を初音ミクが演じる。上演の度に進化を遂げてきた超歌舞伎の十周年を記念する公演に注目しよう。

第二部は、幕府転覆を企てた由井正雪の乱を題材とした講談等をもとに河竹黙阿弥が描いた「慶安太平記」より『丸橋忠弥(まるばしちゅうや)』。繊細に悩みながらも己の道を貫く丸橋忠弥を尾上松緑、松平伊豆守を市川中車、女房おせつを中村雀右衛門が勤めます。捕物の場での激しい立廻りなど随所に見せ場の多い舞台を、これまでも松緑主演作に携わってきた西森英行の演出でおくる。続く『芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)』は、三遊亭圓朝の人情噺による夫婦の情愛に心温まる名作。江戸っ子気質の魚屋政五郎を中村獅童、しっかり者の政五郎女房おたつを寺島しのぶが勤め、2023年10月の『文七元結物語』に続き歌舞伎座にて再び夫婦役での共演を果たす。大工勘太郎に市川中車、さらに錺屋金太に初の歌舞伎出演となる梶原善と多彩な出演者が揃い、笑いのなかにほろりとした情が描かれる名作を堪能できる。

第三部は、『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』源氏店。「切られ与三」の通称で知られる、男女の不思議な巡り合いを描いた世話物の人気作。美しさと色気を漂わせるお富を坂東玉三郎、退廃的な美しさを纏う与三郎を市川染五郎が演じる。死んだと思っていたお富と再会した与三郎の「しがねぇ恋の情けが仇」から始まる七五調の名ぜりふや、品ある若旦那から一変、傷だらけの姿で現れる与三郎の零落した様子、粋な江戸風情を存分に堪能しよう。さらに、今年8月歌舞伎座にて上演され好評を博した『火の鳥(ひのとり)』が早くも再登場。初演に引き続き演出は坂東玉三郎。そして、火の鳥を坂東玉三郎、二人の王子ヤマヒコを市川染五郎、ウミヒコを尾上左近、イワガネを坂東新悟、大王を市川中車が勤め、壮大かつ神秘的な世界を新たに描き出す。

公演情報

松竹創業百三十周年
『十二月大歌舞伎』
 
日程:2025年12月4日(木)~26日(金)
会場:歌舞伎座
 
【休演】10日(水)、18日(木)
【貸切】第一部:15日(月)、17日(水)、20日(土)

第一部 午前11時~
 
超歌舞伎十周年記念
 十年のキセキをつなぐ決定版!!

松岡 亮 脚本
藤間勘十郎 演出・振付

超歌舞伎Powered by IOWN
世界花結詞(せかいのはなむすぶことのは)
 
源朝臣頼光/袴垂保輔:中村獅童
傾城七綾太夫実は将門息女七綾姫:初音ミク
 
 
第二部 午後2時45分~
 
河竹黙阿弥 作 「慶安太平記」より
竹柴潤一 補綴
西森英行 演出

一、丸橋忠弥(まるばしちゅうや)
 
丸橋忠弥:尾上松緑
松平伊豆守:市川中車
女房おせつ:中村雀右衛門
 
二、芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)

魚屋政五郎:中村獅童
政五郎女房おたつ:寺島しのぶ
錺屋金太:梶原善
大工勘太郎:市川中車
 

第三部 午後6時10分~

三世瀬川如皐 作
一、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
源氏店
 
お富:坂東玉三郎
与三郎:市川染五郎
 

竹柴潤一 脚本
原純 演出・補綴・美術原案
坂東玉三郎 演出・補綴

二、火の鳥(ひのとり)
 
火の鳥:坂東玉三郎
ヤマヒコ:市川染五郎
ウミヒコ:尾上左近
イワガネ:坂東新悟
大王:市川中車
 
 
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