Luciela 破格の求心力を持ったアーティストであることを印象付けた、鮮烈の初ライブ
Luciela
Luciela 0th One Man Live -遺花-
2026.6.25 Shibuya WWW
自身が脚本を手掛ける物語をベースにし、作詞・作曲・編曲を自ら担当。加えて、映像やアートディレクションまでを手がける19歳のソロアーティスト、Luciela。2025年3月に「迷迭香」をリリースし、音楽活動を本格的にスタート。以降、「LOVE SWALLOW」「テロメア」「Don’t bug me」「瘡蓋」の4作を発表し、1st EP『遺花』に新録曲「RHIZANTELLA」を収め、「迷迭香」から始まった物語を完結させた。
それから約5カ月。記念すべき初ライブ『Luciela 0th One Man Live -遺花-』がShibuya WWWで開催された。はソールドアウト。Lucielaがこれまで紡いできた物語が立体的に描かれ、さらに、新曲が披露されるなど、新たなフェーズが掲示されたメモラブルなライブとなった。
SEが止まり場内は静寂に包まれた。コーラスも含めた5人のバンドメンバーが佇むステージの真ん中に姿を見せたLuciela。丁寧にページをめくるように、「瘡蓋」を歌う。EP『遺花』で完結したひとつの物語の時系列でいうと、「瘡蓋」は第四項。深い影をまとう流麗で重厚なアンサンブルに、Lucielaの美しいハイトーンが乗る。「もっと鮮やかに染めあげて 吐いた息はもう見つけられないよ いっそこの夢を終わらせてくれ 花びらを包む瘡蓋が滲むから」と歌うと、「ラララララララララララ」という童謡のようなコーラスが続き、独自の世界観にオーディエンスを没入させていく。「Lucielaです。どうぞよろしく」という挨拶を経て、キャッチーなギターリフが鳴った「LOVE SWALLOW」だ。ハンドマイクで、ステージを移動しながら歌うLuciela。あえて感情をおさえ、ストーリーテラーに徹しているような「瘡蓋」のボーカリゼーションから一転。体を揺らし、情感たっぷりに、登場人物の心情を具現化していく。エモーションを溢れさせるLucielaに追従するように、オーディエンスの拳が一斉に上がった。
吹き荒ぶ風のような音が入ったメランコリックなSEから、Lucielaの新章として書き下ろしたという新しい物語『蛇哭』を原作にした「霙」へ。音源は冷徹で余白の多いアンサンブルが印象的だったが、ライブではひんやりとしたギターリフが映えるソリッドなギターロックといった雰囲気。過去の出来事に対する後悔が増大していく。
インダストリアルなSEで再び場面を変えてから、「Donʼt bug me」へ。バンドのグルーヴと一体となって、伸びやか且つパワフルな歌を歌うLuciela。初ライブとは思えないほど、堂々たる佇まいでオーディエンスを熱狂させていく。女性コーラスとLucielaの歌が化学反応を起こし、物語の悲しさとやるせなさを際立たせた。
不協和音のようなSEに鍵盤が重なり、ストリングスが景色をぐっと広げたと思ったら、生演奏によるドラムンベースへ。叫びのような女性コーラスで、物語は一気に加速する。「RHIZANTHELLA」。「花は舞って散ってゆく何かを 見つけ出すことも出来ずに」というキャッチーなサビ。コーラスが乗り、想いが広がっていく。場内は暗転。静寂に包まれた。
ブルーの照明の中、Lucielaはステージに置かれた椅子に座り、頭を垂れ、言葉を噛みしめるようにメランコリックなミドルテンポのバラード「テロメア」を歌唱。「明日も明後日も傷跡だらけの私には未来が 過去になることはもうないんでしょうか」という悲痛なメッセージが響く。感情がはみ出した歌に続き、力強いドラムが轟いて楽曲が終わりを告げると同時に、Lucielaは頭を思いっきり垂れた。とてもシアトリカルなパフォーマンスだ。
Lucielaは立ち上がり、バンドがビートを刻む。凍てつく寒さのようなインストゥルメンタルが鳴った。Lucielaは着ていた黒いシャツを脱ぎ、上裸姿。『蛇哭』を原作にした新章の第二弾楽曲「予兆」を歌い出す。ラップのように言葉を矢継ぎ早に吐き出し、「今すぐ私と二人と逃げよう。」とオーディエンスを誘った。
赤い照明の中でバラード「⽕燐」を歌い、Lucielaは「今日はありがとうございます」と感謝を伝えた。「秋にツアーが決まったので。東京もあるので是非」と告知すると、フロアから喜びの声が上がった。
「未発表やります」と言って、からっとした陽性のギターリフが宿った、Lucielaの楽曲としては随一のポップさを宿した未発表曲へ。Lucielaのファルセットと女性コーラスのハーモニーがいつかの夏の情景を呼び起こす。
メロディアスな旋律がファンタジックに響き、記念すべき初ライブの終わりを予感させる。一旦静寂に包まれて、Lucielaの始まりの曲「迷迭⾹」がラスト曲。まろやかな歌と和の旋律が混ざり合っていく。「忘れはしないよ私はローズマリー」という最後のフレーズには堂々たる説得力が帯びていた。歪んだギターソロを合図に、アンサンブルの一体感が増していく中、Lucielaはぱっとフロアに背中を向け、足早に去って行った。約1時間。破格の求心力を持ったアーティストであることを印象付けた、鮮烈の初ライブだった。
取材・文=小松香里 撮影=松嶋豊裕
セットリスト
2026.6.25 Shibuya WWW
M1 瘡蓋
M2 LOVE SWALLOW
M3 霙
M4 Don’t bug me
M5 RHIZANTHELLA
M6 テロメア
M7 予兆
M8 火燐
M9 未発表曲
M10 迷迭香
ライブ情報
開場16:15 開演17:00
前売 (スタンディング) ¥4,500 (ドリンク別)
Info : 06-6341-3525 (YUMEBANCHI)
11月23日(月・祝) @ Shibuya WWW X (東京)
開場16:00 開演17:00
前売 (スタンディング) ¥4,500 (ドリンク別)
Info : 050-5211-6077 (HOT STUFF PROMOTION)
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https://eplus.jp/luciela/
受付期間: 6月25日(木) 20:00〜7月5日(日) 23:59