Ms.OOJA「今日、1人1人があたらしい自分になったと思う」ファンと刻んだ15周年の集大成ライブーー『Ms.OOOOOJA! 〜あたらしい景色をみにいこう〜』レポート
Ms.OOJA 撮影=オフィシャル提供(撮影:平野タカシ、浜村晴奈、キラ)
『Ms.OOJA 15th Anniversary Live「Ms.OOOOOJA! 〜あたらしい景色をみにいこう〜」』2026.10.18.SUN@大阪・大阪城ホール
会場風景
2026年10月18日(日)大阪城ホールにて、Ms.OOJAが『Ms.OOJA 15th Anniversary Live「Ms.OOOOOJA! 〜あたらしい景色をみにいこう〜」』を開催した。デビュー10周年で行った初の日本武道館公演を経て、再びやってきたMs.OOJAとおじゃファミ(ファンの呼称)の特別な時間。間違いなく彼女の歴史に刻まれるであろう夜だった。天気は良好、は見事ソールドアウト。「あたらしい景色」を目撃するにふさわしい秋の日曜日。期待通りに彼女の15年の軌跡をありありと感じさせた極上のライブの模様をレポートする。
大阪城ホールには、Ms.OOJAのハレの日を共に迎えようというオーディエンスが大集結。会場には独特の緊張感と高揚感が漂っていた。この日のためにジョギングを始めたとインタビューで語っていたOOJAのように、それぞれ鍛錬を積んできたおじゃファミも多くいたのだろうか。
定刻を少し過ぎた頃、会場が暗転。ステージのスクリーンに「Are You Ready?」「立ち上がって歌おう、響け大阪」と文字が映し出される。導かれて総立ちになったオーディエンス。スクリーンにはOOJAのデビュー日「2011.2.16」から「2026.10.18」まで一気にカウンターが回り、この日のために制作された楽曲「Anthem」が象徴的に流れ、「OSAKA」の文字が大写しになった。ステージを覆っていた白い布越しにピンスポが当たり、OOJAの姿が浮かび上がると、オーディエンスは大歓声を上げる。OOJAが「響け大阪」と声を放った瞬間に幕が落ち、いよいよライブがスタートした。
Ms.OOJA
真っ赤なパンツスーツを着たOOJAは、すっきりとした表情で力強く「Anthem」を歌い上げる。<もっと上へ もっと先へ この夜の向こうまで 響け大阪>と真っ直ぐに届くエネルギッシュな歌声にただ圧倒される。
演奏を支えるのは、呉服隆一(Key.Band Master)、佐々木“コジロー”貴之(Gt)、大神田智彦(Ba)、SOKI(Dr)、notch(Per)、今井マサキ(Cho.A.Gt)、MARU(Cho)、高島剛(Mnp.DJ)、村田泰子ストリングス(Vla:村田泰子、Vio:藤縄陽子、大嶋世菜、Vc:伊藤修平)という盤石のメンバーによるフルバンド。立体的なアンサンブルが会場全体を美しく包み込んでいく。「Life」「My Way」と初期の楽曲を披露し、自分らしく生きるためにどんな辛い日々や自分とも向き合い続けるというメッセージを真っ直ぐに届けていく。歌声を通して人々の背中を押す圧倒的な説得力。オーディエンスは夢中で手を左右に振りながら、彼女の歌声に深く聴き入っていた。
大喝采の中でOOJAは「やっとこの日が来ました! この景色を見ることを、とても楽しみにしていました。今日は15年の集大成ということで、たくさん曲を詰め込んできました。みんなと最高の景色を見て、あたらしい景色と最高の思い出の時間を作っていきたいと思います!……はぁ、泣かなかった。我慢した(笑)」とキュートに述べて「You are Beautiful」へ。
Ms.OOJA
さらに「ここからは歌って踊って思い切り楽しむ、ノンストップメドレーです!」と叫び、DJのスクラッチ音を合図に「Shout out!!」〜「Eye to Eye」〜「We are Stars」〜「I'm Alive」〜「One Way Drive」〜「It's OK」まで、デビューした2011年から15年の歴史を凝縮した新旧のナンバーをシームレスに繋いでいく。アリーナからスタンドまで一面に揺れるフラッグは壮観で、ステージから放たれるポジティブなエネルギーとそれをキャッチして喜びで返す客席のパワーはあまりにも尊く、この場にいるだけで心が浄化されるような気持ちになった。
ステージ上部に吊られた白布は、10周年の武道館の装飾を彷彿とさせる。中央の1枚が低い位置に下りてきたことでステージが落ち着いた雰囲気に変化。このパートでは、ピアノをメインに聴かせた「海を見てる」「また恋をすることなど」といった恋愛ソングを朗々と歌唱した。大舞台でとびきり映える「はじまりの時」。OOJAはアカペラとピアノ伴奏で1番を歌い上げ、しばしブレイクを挟む。客席の拍手と歓声が最高潮に高まったところで、2番以降は分厚いバンドサウンドで演奏。<絶望も 希望も連れていこう 覚悟決めれば それが はじまりの時>と真っ直ぐに歌うOOJAの姿は、神々しいまでに輝いていた。
Ms.OOJA
衣装チェンジの間、スクリーンにはターニングポイントとなった武道館以降の5年間を振り返る映像が流れる。OOJAは武道館はおじゃファミのおかげで心強かったと述べ、「40代になり肩の力が抜けた。自分が届けたい音楽に向き合えるようになり、素直に自分らしさを出せている。武道館以降の活動は本当に楽しい」と、活動の変化と手応えを語っていた。
ファン層が広がった「流しのOOJA」集大成の東京明治座公演、そして「Ms.ENKA〜OOJAの演歌」リリース後の全国行脚(ファイナルは大阪城ホールに近い森ノ宮キューズモール)、Billboardツアーについても言及。Billboardツアーではロングヘアにスパンコールの衣装を着たと回顧しながら、「スタッフやファンの皆さんがいてくれないと、Ms.OOJAというアーティストは成り立たない。多分今日のライブで見た景色は、私とおじゃファミの人生の中でずっと輝く宝物になると思うから。その宝物を増やすような歩みをしていきたいと思います」と、支えてくれた人たちへの感謝とこれからの決意を述べた。
Ms.OOJA
2部はカバーコーナー。入場時に配られたペンライトを点灯してほしいというアナウンスで、客席一面に白い光が広がっていく。
明治座で着用した着物風の衣装でステージに戻ったOOJA。まるで十二単のように扇形に広がる裾が美麗だ。ここでは『Ms.ENKA 〜OOJAの演歌〜』から「愛燦燦」と「冬隣」を情感豊かに歌い上げた。OOJAは揺れるペンライトを見て「すごく綺麗です。大阪城ホールでMs.ENKAを歌えてとても嬉しいです」と微笑む。衣装は自身が0歳のお宮参りの時に着ていた着物をリメイクしたものだと明かし、「みんなと一緒に作り上げた曲」と述べて「人生いろいろ」で<人生><いろいろ!>のコール&レスポンスで盛り上げた。
そして「真夜中のドア〜Stay With Me~」を皮切りに、大阪城ホールはディスコ空間へと一変! OOJAも瞬時にスパンコールドレスへ早替わりすると、場内は大歓声に包まれた。「踊りまくれ!」との言葉で総立ちになったオーディエンス。『流しのOOJA』シリーズに収録された「六本木純情派」「勝手にしやがれ」「みずいろの雨」「飾りじゃないのよ涙は」「ダンシング・オールナイト」の5曲を連続で披露。アーバンで華やか、かつノスタルジックな熱気を生み出した。
会場風景
「みんなのパワーがすごすぎる。本当にありがとう!」と笑顔のOOJA。「アリーナ! スタンド!」と武道館では叶わなかった声出しを喜び、さらに「8,000人が同じ振付をしたら、もっとすごいと思わない?」と初見の人もしっかり巻き込んで「フライディ・チャイナタウン」でダンスタイム。最高潮の盛り上がりで、日本歌謡の素晴らしさも改めて実感する時間となった。カバーパートのラストとして「さよならの向う側」を豊潤なビブラートで締め括ると、深々とお辞儀をして一度ステージを後にした。
バンドメンバーのセッションとソロ回しでグルーヴに酔いしれる。OOJAはインタビュー映像でも話していたBillboardツアーでのロングヘアに白いドレスで再登場。衣装でも15年の歴史を振り返る演出が粋だ。OOJAが30歳を迎えて書いた「30」、その10年後に書かれた「40」、そして「翼」。ストリングスの切なくも壮大な響きが胸に染み渡る。<飛べるはずの 空>で真っ直ぐ高いところを見つめて歌う姿は、もはやミューズのようだった。全くブレない歌声と圧倒的な存在感には感服するばかりだ。映画『犬鳴村』の主題歌「HIKARI」、TVアニメ『妻、小学生になる。』のEDテーマ「Hidamari」という、曲調が対照的な2曲では、ドラマチックな照明演出が光る。OOJAの元にライトが集まる荘厳で鮮烈な演出と、天使あるいは蝶の羽根が浮かび上がるあたたかな演出。鬼気迫る雰囲気から純真な少女のような顔まで見せる彼女の表現力は、凄みすら感じさせた。
会場風景
OOJAは「1月に梅田CLUB QUATTROで発表してから約9ヶ月間、おじゃファミと一緒に駆け抜けてきました。さらにその数ヶ月前からスタッフ一同、毎週定例会議をして今日という日を作り上げてきました。その中におじゃファミが入ってバンドメンバーが入って、どんどんMs.OOJAになった。みんながいてMs.OOJAは成り立ってるんですよ。「O」がいっぱいになる景色を思い浮かべながら今日を迎えて、みんなと一緒に見たこともないあたらしい景色を見られたこと、本当に嬉しく思ってます」と深々とお辞儀する。会場を埋め尽くす1人1人の後ろ姿が、まさに「O」に見えた。
「15年という月日の中で、こんなにたくさんの宝物を私は得てきたんだなと実感しています。今日、1人1人があたらしい景色を見てあたらしい自分になったと思う。私もこの会場を出てあたらしい自分になって、みんなともっと楽しい時間、最高の音楽を届けていきたいと思ってますので、皆さんまたよろしくお願いしますよ!」と約束した。
Ms.OOJA
「最終回」を凛とした瞳で歌い届けると、代表曲のひとつ「Be…」をストリングスアレンジで熱唱。ファンとの時間を慈しむような優しい瞳で歌い終えてOOJAが見せた、とびきりの笑顔からはあたたかな包容力が感じられた。感謝を述べたOOJAは改めてバンドメンバーを紹介。バンマス・呉服の紹介を飛ばすボケをしたOOJAに、バンドメンバーは新喜劇よろしく盛大にズッコケる場面もあり、会場を爆笑の渦に包み込んだ。
記念撮影の後は、最大の感謝ソング「Dear」を鍵盤とボーカルのみで披露。「1曲目の「Anthem」は皆さんの声で始まりましたね。皆さんの声が入ってあの曲は完成したんです。最後は「Dear」で、皆さんの声で締め括るんです」と導き、愛にあふれた大合唱へ。ラストの<「ありがとう」>をおじゃファミとともに響かせ、感動的なフィナーレを迎えたのだった。
集合写真
名残惜しそうなOOJAは長い時間ステージにとどまり、何度も「ありがとう」と想いを伝える。撮影OKが出てスクリーンに流れるエンドロール、そしてOOJAからの愛のこもった手書きメッセージが映し出された。15年の感謝と軌跡と挑戦を心のままに届けた、2時間40分のライブ。この日にしか見ることのできない「あたらしい景色」は、本人やチーム、ファンの心にいつまでも残り続けることだろう。
取材・文=久保田瑛理 撮影=オフィシャル提供(撮影:平野タカシ、浜村晴奈、キラ)
セットリスト
M01. Anthem
M02. Life
M03. My Way
M04. You are Beautiful
M05. Shout out!!
M06. Eye to Eye
M07. We are Stars
M08. I'm Alive
M09. One Way Drive
M10. It's OK
M12.また恋をすることなど
M13.はじまりの時
M14.愛燦燦
M15.冬隣
M16.人生いろいろ
M17.真夜中のドア〜Stay With Me~
M18.六本木純情派
M19.勝手にしやがれ
M20.みずいろの雨
M21. 飾りじゃないのよ涙は
M22.ダンシング・オールナイト
M23.フライディ・チャイナタウン
M24.さよならの向う側
M25. 30
M26. 40
M27.翼
M28. HIKARI
M29. Hidamari
M31. Be...
M32. Dear