海のヘンテコ生き物たちがズラリ!「沼津港深海水族館」vol.2
アート感覚で楽しめる「透明骨格標本」も人気!
沼津港の入り口にある「沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム」(静岡県沼津市)は、その名のとおり、深海をテーマにした水族館。駿河湾で採取した深海生物や、世界中の変わった生物などが展示されています。昨年夏には、「大人が楽しめる深海」をテーマにした新エリアの展示も始まりました。前回は、シーラカンスなどの深海生物を中心に紹介しましたが、今回は、深海生物以外の展示や、アート感覚で楽しめる標本などを紹介します。
イエローヘッドジョーフィッシュ
1階には、「ヘンテコ生き物たち」が展示されています。この日、一番注目を集めていたのは、「イエローヘッドジョーフィッシュ」。大きな口を使い、海底の砂を運び出して巣穴を作るそうです。卵がふ化するまで、オスが口の中で守る「口内保育」が行われます。
皮膚に粘液毒を持っているという「コンゴウフグ」(メイン画像)や、小型の甲殻類などを細長い口を使って、吸い込むように食べるという「クダゴンベ」など、様々な特徴を持ったヘンテコな生き物たちが展示されています。
クダゴンベ
1階の大水槽前では、毎日「沼水ラボ」というイベントが開催されています。飼育員さんが、深海に関する実験を行ったり、深海生物の生態などを楽しく解説。この日は、「オオグソクムシ」(全長10~15センチ、日本に生息するダンゴムシの仲間では最大)に触らせてもらうことができました。
※イベントスケジュールは、平日と土日・祝日で異なりますので、公式サイトや館内でご確認ください。
何ともいえない愛嬌があり、「深海のアイドル」といわれるなど、深海生物の中でも特に人気の「メンダコ」は、とてもデリケートなので、撮影禁止となっています。
※メンダコは、飼育が非常に難しく、展示をお休みする場合もあるので、展示状況は、同館の公式サイト(トップページのメンダコ情報)などでご確認ください。
メンダコ(プラスティネーション標本)
生きているメンダコは、時期によっては見られないこともありますが、同館ではいつでも見られるメンダコがあります。それは、2階にある「プラスティネーション」のコーナーで展示されているメンダコの標本。「プラスティネーション」とは、体を構成している水分や脂肪分を、合成樹脂に置き換えて標本にする方法。体の色は失われますが、深海生物の形や柔らかさなどは、生きている時とほぼ同じ状態で再現することが可能となったそうです。メンダコ以外も、たくさんの標本が展示されています。
ミノカサゴ(透明骨格標本)
2階には、「透明骨格標本」を展示しているコーナーもあります。「透明骨格導本」とは、何種類もの薬品を使って、肉の部分を透明にして、硬い骨は赤く、軟らかい骨は青く染めたもの。もともとは、研究を目的に専門家の間で作られていましたが、近年は、その美しさから、アートとしての価値が見いだされ、広く知られるようになったそうです。
シリコン製がまぐち(各1200円)
2階にあるミュージアムショップ「ブルージェリー」では、シーラカンスやメンダコ、ダイオウグソクムシなど、深海生物のグッズがたくさん販売されています。
沼津港深海水族館オリジナルCD「DEEPEST」(2060円)
館内のゾーンごとのイメージ曲を、ジャンルの異なる6人の作曲家が担当し、「フィッシュヒーラー」の鈴木香里武氏がプロデュースしたオリジナルCDも販売。
営業時間:10時~18時(8月は19時まで)
※最終入館は閉館30分前
休館日:年中無休(保守点検のため臨時休業の場合あり)