声優陣が語る『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』

インタビュー
2016.3.5
『ドラえもん』声優バトンタッチから11年目に思うこと

『ドラえもん』声優バトンタッチから11年目に思うこと

2015年に35周年を迎えた、国民的アニメ『映画ドラえもん』。原作者の藤子・F・不二雄さんが製作総指揮として初めて参加し、シリーズ歴代1位の動員数420万人を誇る人気作『のび太の日本誕生』を新しく生まれ変わらせた『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』が、3月5日(土)より全国ロードショーとなる。 今回の記事ではメインキャストの女性陣である、ドラえもん役の水田わさびと、のび太役の大原めぐみ、しずか役のかかずゆみにインタビューを実施した。
映画の見どころはもちろん、大山のぶ代ら先代キャストから『ドラえもん』を引き継いで10年たった今だからこそ思う、ドラえもんの魅力についても深掘りすることができた。



――映画最新作が『新・のび太の日本誕生』だと決まった時はどう思われましたか?

のび太役・大原めぐみ(以下、大原):『のび太の日本誕生』は、観客動員数が一番多かった作品だと聞いていたので、ワクワクとプレッシャーがありました。「よっしゃ、やってやる!」って気持ちでしたね。 ドラえもん役・水田わさびさん(以下、水田):恥ずかしいんですけど歴代1位だって知らなかったので、私はいつもどおりに挑みました(笑)。

しずか役・かかずゆみ(以下、かかず):どの作品にも同じ思いでこの10年間やってきたつもりだったので、今回も一生懸命やろう! って感じでした。年に1回のこの時期が……

水田&大原&かかず:きた~~~~~!

かかず:って、高ぶるんです(笑)。

一同:(笑)


――映画のアフレコは、普段にも増してグッと気合が入るのでしょうか?

水田:まず、スタジオの大人の方たちが明らかにいつもと違う空気を「ヒュ~ッ!」って私たちに送ってくるんです(笑)。藤子プロさんの社長のご挨拶があり、豪華な差し入れもあり……。うちらも「よしっ!」って気持ちが高ぶります。

かかず:アフレコに参加する人数も多いですし、まる2日かけて録るので。尺も2時間弱あるから、やっぱり普段とは全然違いますね。


――内容的にもキャラクターそれぞれが大活躍しますよね。ジャイアン役の木村昴さんに以前インタビューでお聞きした時に、映画は「ジャイアン・タイムだ!」とおっしゃっていましたが。

水田:ジャイアン・タイム(笑)。

かかず:たけしさんはね~、おいしいとこ持っていくんで。もちろんスネ夫さんあってこそですけど(笑)。

水田:いやいや、映画の大半は「のび太くん・タイム」じゃないですか~!のび太くん、どんだけ頑張ってるんだよ!

大原:頑張ってます! でもジャイアン・タイムも……いいと思います(笑)。

水田:のび太くんは起承転結の全部で頑張ってますからね~。フルタイムだよ!フルで働いてるよ!

かかず:(笑)

大原:皆さんに、いつもとっても助けられています(笑)。


――今回の『新・のび太の日本誕生』もたくさんの見どころがあると思いますが、特に推したい部分などはありますか?

水田:今回は、大塚芳忠さん演じる敵のギガゾンビが超こわいです! 大きな敵があってこそ5人の立ち向かう姿も輝くので、芳忠さんと一緒にお芝居ができて本当に良かったです。役者としてこんなに思い出に残ることはないですね。でも映画を観た子どもたちは、ギガゾンビを心の底から憎いと思うんだろうなぁ……。(芳忠さんは、)本当はいい人なんだよ~! 優しい人なんだよ~!

一同:(笑)

水田:ククル役の(白石)涼子ちゃんとも、今回の出演が決まった時から結構こまめにやり取りしてました。女性が男の子役を演じるのって、独特の発声で大変なんですけど、そのへんの体調管理とかも含めていろいろ連絡とってたんです。涼子ちゃんらしいきめ細やかさもありつつ、勇ましい感じのククルになってましたね! 今回はゲスト声優さんにかなり助けられてます。

かかず:一緒にアフレコできたので、空気感もみんなで感じられて良かったですね。

大原:ククルはのび太と一緒のシーンも多くて、本当に助けてもらいました。のび太がすごく落ち込んでいるところに、ククルが「自分もこういう経験をしたんだ」って励ましてくれるシーンがすごく好きで。共感してくれる、励ましてくれるような存在ってすごく大きいなと思いました。


――演じるにあたって、昔の『のび太の日本誕生』を観たりもしましたか?

大原:私は観ました!

水田:私はアフレコが終わってから観ました。まさに藤子ワールドというか“SF(少し不思議)”という感じで、旧作もめっちゃおもしろいですよね!うちの子も一緒に観たんですけど、めちゃめちゃ良かったって言ってました。

かかず:私もあえて観ずにアフレコに臨みました。やっぱり先代の方々の『ドラえもん』で育った世代なので、引きずられちゃうと思うんですよね。同じドラえもんなんだけど、「先代の人たちのドラえもん」「私たちのドラえもん」というのが、11年目になってやっと私の中では見えるようになってきたというか。どっちが良い悪いとかではなく、どっちも素敵なドラえもんだなって思えるようになったんです。でも先代のドラえもんを観ると、子どもだった頃に戻っちゃうというか……。私たちに変わってすぐは、自分のしずかちゃんの声に慣れずに葛藤していたこともあったんです。昔の良さをいっぱい知っているので。

水田:やっぱり、すごく偉大なんです。だから、「私もこうありたい!」って思っちゃうと、自分のお芝居じゃなくなっちゃうんですよね。

かかず:そうそう! 子どもの頃に観ていたドラえもんを観ると、その頃の心に戻れちゃうんですよね。まさに少し不思議。いや……すごい不思議! SF! 水田:SF!(笑)


――小さい頃も『ドラえもん』が大好きだったんですね。

かかず:ひみつ道具辞典とかも持ってましたよ!

水田:私も、子どもの頃に使ってたドラえもん枕を東京に持ってきてます。ぐちゃぐちゃになるまで使ってたんですけど、も~宝物! お守りみたいな感じになってます。子どもの頃に夢中になって、グッズまで持ってたキャラクターを今、自分が演じているなんて……。自分で時々思い起こすことがあるんです、寝る前とかに。「あぁ~、私ドラえもんやってんだなぁ」って。

一同:(笑)

かかず:10年経って、改めて実感するところはありますね。当時生まれた子が今10歳になって、ドラえもんドラえもんって言ってくれている、愛されている作品に携われてるんだなぁ……と。

大原:最近、うちの上の子だけじゃなくて下の子も、のび太くんの声が私だとわかるようになりましたよ。「こののび太くんの声もママだよね?」「こっちののび太くんの声もママだよね?」って確認してくるんです(笑)。

水田:(笑)。今回の映画のスペシャル応援団「ウンタカ!ドラドラ団」のエヴァちゃんも7歳ですけど、まさに10年やってきたからこその反応だな~と思います。私を常にドラえもんって呼ぶんですよ!「ねぇねぇ、ドラえも~ん」って(笑)。

大原:私も「のび太」って呼ばれました(笑)。

水田:のび太は呼び捨てなんだ(笑)。

かかず:私も「しずかちゃ~ん」って。

大原:あれ?(笑)

かかず:エヴァちゃんと会うから今日は二つ結び頑張りました(笑)。イメージを大事にしようかなと思って。

水田:かわいい! 永遠のツインテールでいて!  


――10年経ったからこそ改めて聞きたいのですが、みなさんご自身にとって『ドラえもん』はどういう存在ですか?

大原:私は、「最強の味方」だと思っています。ドラえもんって、ダメなのび太くんも見捨てないでずっと見守ってくれていますよね。誰でも多かれ少なかれ、のび太くんのようなダメな部分はあると思うんですけど、ドラえもんは「あなたはあなたのままでいいんだよ」って肯定してくれる、背中を押してくれるんだなぁと思って。どんな時でも自分の味方なんです。頑張らなきゃいけない時にも、大丈夫だよと見守ってくれる、すごく大きな存在ですね。

水田:私にとっては「元気の源」ですね。体調が悪い時も、ドラえもんの現場に行くと不思議と回復したり、声が出たりっていうことが、両手じゃ数えられないほど過去にあるんです。マネージャーにも「キツいって電話もらったのに、全然声出てたじゃん」って言われたり、なんか不思議と元気になるんですよね。それこそF先生の力かもしれないと思うくらい……ドラえもんは観ている側も元気になりますからね。ドラえもんがお休みの時は、逆に元気がなくなっちゃいそうなんです。「今週ドラえもん演じられないの~、やだやだ~(のび太くんの声まねで)」みたいな(笑)。

――のび太くんの真似、お上手です!(笑)

水田:え~、ほんと? エヘヘ(ドラえもんの声で)。

大原:いつも隣にいてくれるので、うまいです!(笑)。

水田:ってことは大原さんも、ドラえもんできる!?

大原:え! 待って待ってよ~(ドラえもんの声まねで)。

一同:(笑)

かかず:私は、「支え」ですね。ドラえもんっていう作品に携われていることで、すごく守られているというか、F先生が見守ってくれているんだと思えるんです。優しさとか愛とかを感じられる作品だからこそなのかもしれませんが、携われて本当に幸せだな……としみじみ思うことがあります。今回の映画も、まさにそんな感じなんですよね。

水田:日本誕生っていう超大きなスケールなのに、結局一番身近なものを愛おしく思える映画なんですよね。大きなことを描いてるのに、F先生の作品って、普通が一番幸せなんだっていうところに落ち着くというか……。ほんと不思議なんだよなぁ。

かかず:いろんな愛が込められているんです。地球に対しても、お父さんお母さんとか家族もそうだし、友達やペットにも。その愛に包まれたあのエンディングは……最後まで席を立てないですよ~。


――では最後に、映画を楽しみにされている方へメッセージをお願いします。

かかず:最後の最後まで楽しめる映画ですので、ぜひ劇場で観ていただいて、温かい気持ちで帰ってほしいなと思います!

大原:今回はアクションシーンもたっぷりあり、笑いもあって、そして最後は泣いていただけるんじゃないかなと思います。感動的なエンディングが待ってます!

水田:『ドラえもん』って、ストーリーが3世代で理解できて、安心して楽しめる作品だと思うんです。子どもはもちろん、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんも!年1回のドラえもんの映画を、親族一同で観に行くような交流の場にしてもらえればうれしいかなと思います(笑)。もちろん友達同士でも、「ドラえもん行こうぜ!」っていうノリで来ていただければ!観た後に食事でもしながら、好きなひみつ道具を語り合ったりね(笑)。誰とでも、一緒に観に行けば今以上に仲良くなれると思いますよ。映画館でその楽しみを、分かち合ってほしいなと思います!


 [取材&文・小林真之輔]  


■公開情報
映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生 2016年3月5日(土)公開
原作:藤子・F・不二雄 監督・脚本:八鍬新之介(『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境』)
<CAST> ドラえもん:水田 わさび のび太:大原 めぐみ しずか:かかず ゆみ ジャイアン:木村 昴 スネ夫:関 智一 ドラミ:千秋
<STORY> 「決心したぞ!僕は家出する!!」 家でも学校でも叱られてばかりののび太は、家出をしようと思い立つが、どこに行っても持ち主のいない土地はないことを知る。そして、ドラえもん、しずか、ジャイアン、スネ夫もそれぞれの理由で家出を決心。みんなで行くところがなく途方に暮れていた。それならばいっそのことまだ誰も住んでいない太古の日本へ行こうと思い立ち、史上最大の家出へと出発することに! 7万年前の日本を舞台に大冒険が始まる!!

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