個性派演劇集団・劇団番町ボーイズ☆の素顔とは!?
「劇団番町ボーイズ☆」 撮影=こむらさき
「劇団番町ボーイズ☆」の舞台「空空漠漠明明白白」が、2016年4月6日(水)から10日(日)まで、ウッディシアター中目黒にて上演される。
劇団番町ボーイズ☆とは、2014年11月にソニーミュージック新人開発セクションSDグループから発案された個性派演劇集団のこと。様々なオーディションから選抜された現在18名のメンバーは、芝居を通して、新たな可能性に挑戦している。また、個々でもそれぞれの活動範囲を広げている真っ最中だ。これまで3回の本公演を経てきた劇団番町ボーイズ☆。今回上演するのはスピンオフ公演という位置づけとなり、脚本・演出を川尻恵太に依頼し、渡辺佑太朗と足立信彦をゲストとして迎え、20歳以上の選抜メンバー(松本大志、籾木芳仁、西原健太、糸川耀士郎、堂本翔平)による初めての少人数舞台となる。
3月某日、都内の稽古場で緩やかに稽古を進める川尻とメンバーたちに話を伺ってきた。
――前回の番町ボーイズ☆の公演から約1年が経ったんですね!この1年を振り返って自分自身が変わったことや成長したな!ということがあれば教えてください。
籾木:そうか、ちょうど1年ですね。僕は「怖い」って言われにくくなりました(笑)当時は怖いって言われていたんです。
松本:実際怖かったからね。舌打ちとかしてたし。
籾木:してない!(笑)僕、人見知りなんです。
「劇団番町ボーイズ☆」 撮影=こむらさき
――その頃に比べたら籾木さんは優しくなりましたか?(笑)
松本:まぁ、心を開いてくれるようにはなりましたね。以前は見下されていた感があったんですけど。
籾木:してないから!やめて!(笑)
糸川:最初、番町ボーイズになるまで、誰一人して舞台というものをあまり見たことがなかったと思うんですよね。劇団としての知識が全くない状況で始まって1年間、みんな仲良くなったというのもあるし、ちょくちょく舞台というものを考えて生活していたら最初の頃よりも断然コミュニケーションが取れるようになった。このシーンはどうしたらよいだろう、とか、みんなで作りあげよう感がすごく上がりましたね。
松本:最初の頃に比べたら僕がいちばんそうなんですが、人前に出るのが好きになりました。人前に立って自分たちのパフォーマンスを見せるということが、日を追うごとに「もっとこういったパフォーマンスをしたい」とか、お客さんを満足させたいなって思う気持ちが強くなった1年でした。
堂本:僕と(西原)健太くんは「MY DOOR ~熱~」の再演から番町ボーイズ☆に参加したんですけど、そこから半年くらいで、最初に会った時よりもみんなお芝居とか上手になってきているのかもしれない、って思っています。
西原:番町ボーイズ☆をやらせていただいて、いろんなお仕事が頂けることになったので、本当は人前に出るとすごい緊張するんですけど、ちょっとずつ慣れてきたというか楽しみ方が分かってお仕事が楽しくなってきました。
「劇団番町ボーイズ☆」 撮影=こむらさき
――…という、初々しさが残る若者たちと共に出演する渡辺さん、この現場の雰囲気はいかがですか?
渡辺:楽しいです、本当に。僕も人見知りなので。最初の顔合わせから1か月くらい経っていると思いますが、皆さんに支えられてここに立っています。
籾木:ハンバーガー何個分?
渡辺:495個分かな。
――…今、謎のやり取りがありましたが聴かなかったことにして(笑)足立さん、少しお兄さんの立場から見ていかがですか?
足立:こういった人たちとやることはなかなかないので、若いな!っていう感じがいいですよね。自分がこの世代だった頃と比べてもしっかりしてますよ。凄いなって思います。僕はぜんぜん何も考えていなかったですね。その頃はどうやってお金を貯めて、どうやって使うしか考えていなかった。
「劇団番町ボーイズ☆」 撮影=こむらさき
――そしてこの全員をまとめていくことになる川尻さん。今回はどんな舞台になりそうですか?
川尻:前人未到の舞台になると思っていますね。
――さきほど、稽古を拝見しましたが、いい感じのユルさがあるようですね。
川尻:そうですね。今よりもっとユルくなります(笑)みんながここでの稽古のやり方を見つけつつあるなと感じています。お芝居っていろんなメソッドがありますが、メソッドを押しつけても、合う・合わないがあるんですよね。
例えば急に「ミュージカルをやれ」とか言われても難しいだろうし、ミュージカルメソッドを用いてセリフを音階で表す、こういったトーンや声の大きさで必ず出してくださいって言う方法でやるのは、今このメンバーでやることではないと思う。どちらかと言うとインタビューとかで和気あいあいしているほうが作品として何かできるんじゃないかなって。この人たちの空気は面白いよねってなることが劇団にとっても作品にとってもいちばんいい事なので。それがお客さんに好きになってもらえればいいなって思います。
――今回の作品ですが、妖怪や幽霊といったUMAなものを退治していく話ですが、これはそもそも何がきっかけで生まれた話なのですか?
川尻:まず最初に「空空漠漠明明白白」っていうタイトルです。すごくぼんやりしたもの。ぼんやりしてすごくつかみところがないものと、すごくはっきりしたものですごく分かりやすいもの、対比すると、お化けのような実態がないものと人間という実態があるものっていうのがいちばん当てはまりそうだなと思ったんです。そもそもお芝居って、ものすごく実態があるけれど、基本的に概念で言えば実態がないフィクションですから。そういったものがネタ的に浮かび上がればいいなと思うんです。
最初、みんなで「どんなコメディがやりたい?」って話し合った時に、「基本的には日常をやりたい」と言いまして。ならば、日常の中に非日常を入れるにはどうしたらよいか、と思った時に、変な人たちで、あんまり聞いたことのない職業が面白いかなと。それでこういった若い人たちが集まって除霊している変な会社があったら面白いなという発想があってそういう話にしました。
「劇団番町ボーイズ☆」 撮影=こむらさき
――この芝居では、幽霊たちの望みを叶えてあげることで除霊が完了する、という話になっていますが、これに絡めて皆さんに質問です。例えば今、うっかり死んでしまったらどんなことを頼みたいですか?
松本:とりあえず、お母さんに犬のエサ毎日やるように言います。
籾木:お母さんからしたら大きなお世話だよな。
西原:僕が死んだ後にお墓の前にチョコレートを置いてほしいです。死んだ後も天国でチョコは食べたいなと思います。
籾木:僕の保険金で映画を撮ってくださいってどこかの監督にお願いします。
――へえ!例えばどんな方に?お好きな監督って誰かいらっしゃいますか?
籾木:好きな監督はいっぱいいますけど…好きな映画監督はクリント・イーストウッド。
(他メンバーからのツッコミ:本当にそれ好きなの?今名前出てこなかったじゃん!)
糸川:とりあえず母親に僕のTwitterの裏アカウントを消しておいてくれと(笑)あと、ここにいるメンバーに番町ボーイズを誰もが知る番町ボーイズにちゃんとしてくれよって…。
(他メンバーからのツッコミ:裏アカあるのかよ!?)
堂本:うっかり死んだらいちばん好きな人に「死んで♥」って頼みに行きます。
(他メンバーからのツッコミ:うわ、怖い、最悪じゃんそれー)
渡辺:棺桶の中にビールを注ぎ込んで…ここ(顔)くらいまで入れてから見送ってもらいたいです。
足立:僕は娘が二人いるので、皆さんとこうやって知り合ったことですし、皆さんに娘の養育を頼みたいです。
(他メンバーからのツッコミ:どうする?いいんですか?俺たちみたいなので!?)
川尻:僕は渡辺の案にもの凄く近いですけど…身体の下の方に刺身を持ってもらうというか、ビールとお刺身を並べていただいて。女体盛りみたいな感じで(笑)。
まぁ極論を言えば、お刺身も魚の死体ですしね。死体に死体を盛っていただいて、絵的な問題としては政治家的な人にそれをつついていただこうと。
全員:(笑)
「劇団番町ボーイズ」 撮影=こむらさき
――最後になりますが、今回の舞台、特に注目してほしいところを教えてください。
糸川:最初から最後まで笑いがつまっているので、最初から最後まで注目していただきたいです。
松本:的場です。※松本が演じる役名
堂本:この芝居には3つの話が含まれているんですが、最後に「そういう話だったんだ!」って気づいてもらえたら嬉しいかな。
西原:お客さんに一語一句聞き漏らさず、そして一言一言聞いてもらって笑ってほしいです。
籾木:泣いてもらいたいです。笑い泣きもできる話だし、ちょっと感動するところも無きにしも非ずですよね、川尻さん!?
川尻:ええ、もう全編感動するので。
渡辺:僕らも気軽にやるので、皆さんも気軽に見てほしいです。
足立:これを機に中目黒に来たことない方、中目黒を楽しんでいただければ。
川尻:最初みんなで話した時に出ていたように、押しつけがましくないよう、お茶の間でTVを観ている感覚で観てもらえるような作品を作りますので、どうぞふらっと遊びに来てください…という感じですね!
「劇団番町ボーイズ」 撮影=こむらさき
■日時:2016年4月6日(水)~10日(日)
■会場:ウッディシアター中目黒
■脚本・演出:川尻恵太
■出演者:渡辺佑太朗、松本大志、籾木芳仁、西原健太、糸川耀士郎、堂本翔平、足立信彦
■公式サイト:http://www.banchoboys5.com/