ウィーン・フィルクスオーパー2016 日本公演開幕記者会見レポート

レポート
2016.5.14
ウィーン・フォルクスオーパー来日記者会見 (photo:Kiyonori Hasegawa)

ウィーン・フォルクスオーパー来日記者会見 (photo:Kiyonori Hasegawa)


4年ぶりとなるウィーン・フォルクスオーパーの日本公演がついに5月14日(土)から始まる。
 
ヨーロッパの最も主要なオペレッタ劇場として長年人々に愛され続けてきたウィーン・フォルクスオーパー。現地では年間100回をこえる上演を行っており、18世紀から20世紀の主要オペラはもちろん、ウィーンの代表的なオペレッタやクラシックミュージカル、コンテンポラリーダンスまでさまざまなジャンルの作品を楽しむことができる劇場だ。
 
1898年に「皇帝記念市民劇場」としてオープンしたこの劇場は、当時は演劇専門だった。しかし1903年からはオペレッタなどもプログラムに取り入れ初め、市民劇場から、市民歌劇場(フォルクスオーパー)へと生まれ変わったとのことだ。
 
有名な「トスカ」(1907年)や「サロメ」(1910年)のウィーン初演もこの劇場であり、その他にも世界の名だたる歌手や指揮者がこの劇場からキャリアの第一歩を踏み出してきた。
 
9度目の日本来日となる彼らが、今回用意した演目は、『チャールダーシュの女王』 『こうもり』 『メリー・ウィドウ』 の三演目だ。

3週間の日本来日公演に総勢220人のメンバーが参加することとなっている。そんなウィーン・フォルクスオーパーの日本公演に先立ち、記者会見が13日に都内で行われた。
 
登壇者はウィーン・フォルクスオーパー総裁のロベルト・マイヤー氏、『チャールダーシュの女王』指揮者のルドルフ・ビーブル氏、事務局長のクリストフ・ラードシュテッター氏の3人だ。また、司会進行役としてNBS事務局長の高橋典夫氏と通訳の松田暁子氏も同席。
 
まず初めに総裁のロベルト・マイヤー氏の挨拶から記者会見は始まった。今回の来日公演は彼が総裁となってから3度目であるとのことだ。「日本の方々にはいつも変わらぬご声援をいただき、本当に感謝しています。本公演では、こちらも、前回来日時と変わらぬ興奮と感動を聴衆の皆さんにお届けしたいと思います」と語ってくれた。ちなみに総裁のマイヤー氏は役者としても活躍しており、今回の公演でも『こうもり』のフロッシュ役、『メリー・ウィドウ』のニェーグシュ役で出演を予定している。さすがは歌い手さんだけあって声の通りが良く、全くマイクのいらない挨拶であった(笑)。
 
ロベルト・マイヤー氏 (photo:Kiyonori Hasegawa)

ロベルト・マイヤー氏 (photo:Kiyonori Hasegawa)

続いて『チャールダーシュの女王』指揮者のルドルフ・ビーブル氏の紹介が行われた。ビーブル氏は1979年の初来日時にも指揮をした人物で、現在では「オペレッタの神様」とも呼ばれており、多くの役者の信頼を集める名指揮者だ。彼は前回の来日公演時、あまりに拍手が長く続いたため、即興で曲を何度も繰り返したという珍事について話してくれた。お客さんの拍手に応えるために行われたこの即興は現在では恒例化されているという。また今回指揮するウィーン・フォルクスオーパーの『チャールダーシュの女王』は最高傑作と言えるだろう、とも語った。
 
ルドルフ・ビーブル氏 (photo:Kiyonori Hasegawa)

ルドルフ・ビーブル氏 (photo:Kiyonori Hasegawa)

「オペレッタはオペラに比べて格下に見られる事が多くて悲しい」と語るビーブル氏。「決してそんなことはありません。むしろ日本の方々には、歌あり、踊りあり、台詞ありの素晴らしい総合芸術作品だということを知っていただきたい」と述べた。
 
最後に事務局長のクリストフ・ラードシュテッター氏から公演の見どころが語られた。今回の来日公演のために約27,000㎏を超える舞台装置並びに照明器具、2500着を超える舞台衣装が日本へ運搬されたとのことだ。これらは全て、オリジナルを日本のお客様へお届けしたいという理由からだという。「ウィーン・フォルクスオーパーのオペレッタそのままを見られるのは現地と日本の東京文化会館だけです」と語るラードシュテッター氏。日本の皆さんには是非本物を体感してほしいと述べた。
 
ちなみに今回の演目が前述の3つに決まった理由は、なるべくオリジナルのままで公演できるものをと吟味した結果とのことだ。東京文化会館とウィーンの劇場の舞台の大きさはほぼ同じで、ほとんどの機材、舞台装置がそのまま使用できたという。オリジナルそのままを届けたいというウィーン・フォルクスオーパー側の強いこだわりが感じられた。
 
「オペレッタはオペラと違いそのほとんど全てがハーピーエンドです」と語る総裁のマイヤー氏。「特に『チャールダーシュの女王』は、第一幕からラストで必ずくっつくとわかる男女2人のラブストーリーを最高の音楽と共に、歌あり、踊りあり、台詞ありで楽しむことができます。見終わった後必ずや最高にhappyな気分になれることでしょう」と語った。
 
筆者は一足お先に最終舞台稽古を観た。はっきり言って素晴らしいの一言だ。まさに総合芸術作品というに相応しい感動的な時間を過ごした。
 
(左から)アクセル・ヘルリヒ、マルコ・ディ・サピア、アンドレア・ロスト、ルドルフ・ビーブル、ベアーテ・リッター、カルステン・ズュ―ス (photo:Kiyonori Hasegawa)

(左から)アクセル・ヘルリヒ、マルコ・ディ・サピア、アンドレア・ロスト、ルドルフ・ビーブル、ベアーテ・リッター、カルステン・ズュ―ス (photo:Kiyonori Hasegawa)


公演は5月14日(土)から順次行われていく。『チャールダーシュの女王』は3公演、『こうもり』は4公演、『メリー・ウィドウ』は4公演行われる。あなたも本物を体験しに足を運んでみてはいかがだろうか?
 
(photo:Kiyonori Hasegawa)

(photo:Kiyonori Hasegawa)

 
公演情報
ウィーン・フォルクスオーパー

『チャルダーシュの女王』 E.カールマン作曲
指揮:ルドルフ・ビーブル
演出:ロベルト・ヘルツル5月14日(土)3:00p.m.
5月15日(日)3:00p.m.
5月16日(月)3:00p.m.


『こうもり』 J.シュトラウスII作曲
指揮:アルフレート・エシュヴェ、ゲーリット・プリースニッツ
演出:ハインツ・ツェドニク
5月19日(木)6:30p.m.
5月20日(金)6:30p.m.
5月21日(土)2:00p.m.
5月22日(日)2:00p.m.

『メリー・ウィドウ 』F.レハール作曲
指揮:アルフレート・エシュヴェ
演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
5月26日(木)6:30p.m.
5月27日(金)6:30p.m.
5月28日(土)2:00p.m.
5月29日(日)2:00p.m.

 
【会場】東京文化会館


 
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