『若冲展』を見逃したアナタへ この夏、行列に並ばずにみられる若冲作品を一挙ご紹介
『生誕300年記念 若冲展』
画像を全て表示(11件)2016年上半期もっとも話題となった展覧会は、何と言っても東京都美術館で行われた『生誕300年記念 若冲展』でしょう。会期はわずか31日間にも関わらず、その入場者数はなんと約44万6千人を記録!1日あたりの入場者数が2万人を超える日もあったのだとか。
さて、そんな若冲展。
作品以上に話題となっていたのが、その待ち時間。100分待ち、180分待ち、260分待ち……と、日を追うごとに、順調に数字を伸ばし続け、最終的には、320分待ちという驚異の(脅威の?)記録を叩き出しました。
長すぎる待ち時間に対して、ネット上では悲鳴的とも言える書き込みが続出。それを目にして、若冲展に行くのをしぶしぶ諦めた方も、少なくありませんでした。
そんな皆様に朗報です!!
この夏、都内では伊藤若冲の作品を観られる展覧会が同時多発的に開催されています。
「えー、でもまた混んでるんじゃないの?」
いえいえ、ご心配なく。行列に並ぶことなく、またストレスを感じることなく、若冲作品を鑑賞することが出来ます。
安心してください、(あの『若冲展』と比べたら確実に)空いてますよ。
まず紹介したいのは、東京・六本木一丁目にある泉屋博古館分館。住友グループの礎を築いた、住友家の美術コレクションを展示・紹介する美術館です。
泉屋博古館分館 外観
当館では2016年6月6日より、住友家15代当主・住友春翠と関わりの深い名品を紹介する特別展『バロン住友の美的生活―美の夢は終わらない』が行われています。また、その第2部として『数寄者 住友春翠―和の美を愉しむ』という展示も開催中です。
この『数寄者 住友春翠』展に出展されているのが……
伊藤若冲《海棠目白図》 江戸時代 泉屋博古館
《海棠目白図》
初期の若冲作品として、知る人ぞ知る逸品です。
美術館広報さん曰く、
「ふくふく、むぎゅむぎゅした『目白押し』がみどころです。 一羽一羽のさえずりが聞こえてきそうな、表情の豊かさにもご注目ください!」
とのこと。“来場者で目白押し”な状態ではなく、絶対にゆったり見たいという方には、平日の開館直後がオススメだそうです。
続いて紹介したいのは、東中野にある東京黎明アートルーム。昨年10月にしたばかりの、オープンほやほや美術館です。
東京黎明アートルーム 外観
2016年7月に開催されている展覧会は、『18世紀生まれの絵師が描く水墨画~伊藤若冲・池大雅・長澤蘆雪・谷文晁~』です。
この展覧会では、東京黎明アートルームが所蔵する若冲作品《牡丹図》が展示されています。なお、この《牡丹図》が展示されるのは東京黎明アートルームの開館以来初のこと。満を持しての初お披露目となります。
伊藤若冲《牡丹図》 江戸時代 東京黎明アートルーム
最後に紹介したいのが、東京・広尾にある山種美術館。
山種美術館 外観 (c) Koike Norio 2009
今年2016年は、山種美術館にとっては開館50周年を迎える節目の年。それを記念した特別展の一つとして、8月21日まで開催されているのが、江戸絵画コレクションを一挙公開する『開館50周年記念特別展 江戸絵画への視線―岩佐又兵衛から江戸琳派へ―』です。
その会場でひときわ目立っているのが、若冲の《伏見人形図》。
伊藤若冲《伏見人形図》 江戸時代 山種美術館
【番外編】
江戸川橋にあるホテル椿山荘東京。
椿山荘東京
実は、これらの羅漢石の下絵を描いたのが、何を隠そう伊藤若冲なのです。椿山荘を訪れた際には、隠れミッキーならぬ、隠れ羅漢を探してみてはいかがだろうか?
第2部『数寄者住友春翠 ―和の美を愉しむ』
日時:2016年6月4日(土)~8月5日(金) ※月曜休館(ただし、7月18日は開館、7月19日は休館)
会場:泉屋博古館分館
詳細:http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html
日時:2016年7月10日(日)~7月25日(月) ※7月17日(日)は休室
会場:東京黎明アートルーム
詳細:http://www.museum-art.torek.jp/
日時:2016年7月2日(土)~8月21日(日) ※月曜日(但し、7月18日は開館、7月19日は休館)
会場:山種美術館
詳細:http://www.yamatane-museum.jp/exh/2016/edo.html